上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
何度言っても変わらない人には、現場を見せてイメージさせる。
2020.09.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
職場での悩みの多くは人間関係にあると思います。
上司部下、同僚などの関係の中で特に教える立場、
教えられる立場の両方でそれぞれが
不満を持つケースは多いのではないでしょうか。
中には、何度言っても変わってくれない。
何度言っても変えてくれないと言う人に
ストレスを感じてしまう人も多いでしょう。
同じことを何度も伝えないといけないことは
言う側にもストレスになるでしょうし、
言われ側も、なんでいつも自分だけ!
と反発して素直に受け取らない場合もあるのかもしれません。
先日、「同じ注意を何回しても、全然変わらないスタッフがいます。
どう言えばいいのでしょうか?」
という相談を、歯科医院の受付担当の加藤さん(仮名)から受けました。
詳しく話しを聞くと、事務手続き上スタッフが毎月提出する
データがあるのですが、杉山さん(仮名)が必ず遅れて提出し、
しかも毎回どこか不備があって提出し直しになるとのこと。
それが毎回続くので、はじめのうちは注意をしていたのですが、
何度も同じ注意をするうちに、
「毎日顔をあわせるし、口うるさいみたいに思われたくない」
という気持ちも働き、放っておくようになりました。
しかし当然そのままでよいわけもなく、院長からも
「あの資料はどうなっているの?」
と尋ねられ、上下にサンドイッチされたような
苦しい状況になっていました。
わたしは彼女に尋ねました。
「その提出が遅れたり不備があると、
具体的にどう困るんですか?」
「集計が二度手間になるので、1日で終わる仕事が、
2日、3日と余計にかかってきます。
それに毎度のことなので、正直いって気分が悪くなります」
「では、あなたがそういう迷惑を受けていることを、
杉山さんは知っていますか?」
「うーん、何度も注意をしているから、
子供じゃ無いし、わかると思うんですけど・・・」
そんなやりとりのあった数日後のある日。
院内ミーティングで、お互いに
「日頃どういう仕事をどんな工夫をしてやっているか」
をプレゼンしあうワークをやりました。
そのとき、加藤さんは毎月のデータ提出をどう処理して、
それがどう医院経営に活かされているのかを、
実際の書類やパソコン画面を見せながら、
わかりやすくプレゼンしました。
さらに、そのデータ提出が遅れると、
どういう困ったことが起こるのか、も。
すると、その月から杉山さんは提出の遅延がなくなったそうです。
きっと、相手の置かれている状況を知ったことで、
「自分がルールを守らない行為」
がどう仲間や医院に迷惑をかけていたか、を
心で納得したからでしょう。
いくら言葉だけでコンコンと訴えても、
人は理屈だけでは動かない場合があります。
なぜなら、
イメージ力のない人が頭で記憶したことは
忘れ去られる
からです。
ちなみに、夫婦喧嘩の原因(言った、言わないの言い争い)の
大半はここにありますね。
ところが、人は現場を目で見ると、
強烈に印象に残り、心で記憶します。
心で記憶したことは忘れません。
したがって深く納得するので、行動が変わるわけです。
言ってわからなければ、現場を見せましょう。
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▶︎何度言っても変わらないのは、言葉の定義が揃っていないから。