上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
明快に考えを伝える”言い回し”を用意しておく。
2022.09.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
ミーティングや面談で、余計な遠慮をすることなく
明快にこちらの意見を伝え、
終わり際も歯切れ良く締めくくるコツがあります。
今回のその一例を紹介します。
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院長がスタッフとミーティングや面談をする場面を見ていて、
「もったいないな」「惜しいな」と感じることがたまにあります。
それは、
漠然とした遠慮やためらいから、
しめくくりの言い回しが曖昧になり、
伝わるはずのメッセージが伝わりにくくなる、
あるいは弱くなる、
ということです。
たとえば年度初めにミーティングで、
今年のスローガンを院長がスタッフと共有するケース。
「今年の当院のスローガンは、
”その場にいるだけで元気が湧くような
安心安全ポジティブな場をつくること”
で行きます」
という話をする際に、心の中で
(スタッフから否定的な反応や反論があったらどうしよう)
という不安があると、最後を「~で行きます」と言
いきれない場合があります。
それは、スタッフとの関係性にまだぎこちなさや
距離感がある場合が特にそうですね。
そんな状況で、上から一方的に断定しても、
暖簾に腕押しでリアクションもなく、
言っているこちらがむなしくなることすらあります。
そのため、
「~で行こうと思うんですが、とは言え、
今はまだできるかどうかわからないところも
あるでしょうから、え~っと」
と自分が言っていることを先回りして
自ら否定するようなケースすらあります。
こうなると、聞き手からすると
もはや何を言われているのかわかりません。
こんな場合の対策として、
「考え方」+「確認」の言い回しを持っておくと便利です。
すると冒頭のケースは、次のような言い回しになります。
「今年の当院のスローガンは、
”その場にいるだけで元気が湧くような
安心安全ポジティブな場をつくること”
で行きたいと私は考えています。
みなさん、どうでしょうか?」
このように、積極的にスタッフの意見を問う感じで
締めくくると、自分の意思はきちんと伝えつつも、
「一方的に上から言ってる感」が軽減します。
また、ミーティングの最後の終わり方も大切ですね。
例えば、
「まあ、そんな感じです。お疲れ様でした」
と語尾を濁してなんとなく終わると、インパクトが弱まります。
一方、「考え方」+「確認」をここでも応用して、
「今日私が伝えたかったことは以上です。
最後にみんなからひと言ずつ、今日のミーティングの
感想または気づいたことを10秒程度で手短に
シェアして終わりましょう。
ではAさんから」
とやると、話の区切りもできる上に、
ミーティングの手ごたえも院長に直接フィードバックされます。
こういう言い回しは慣れないうちはとっさに出てこない
こともあるので、予め用意しておくとスムーズです。
「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」
▶︎理解力の悪いスタッフをどうにかしよう」と考えるよりも、「そのスタッフに伝わる表現方法で伝えること