上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
『うまく伝わらない本当の理由。できないのか?やりたくないのか?』
2022.10.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
コミュニケーションの悩みは、どの歯科医院でも、
さらにはどの会社にも存在します。
それは、「うまく意思疎通ができていない」ということに
尽きるのですが、その理由を突き詰めていくと、
「できないから」なのか「やりたくないから」なのか、
の2パターンあることに気づきます。
今回は、そのどちらかを見極めることから始めよう、というお話です。
たとえば、
「スタッフが忙しい院長の手間をわずらさせないように、
と配慮してメールで伝えたことが、院長にとっては
『こういうことは直接会って伝えるべきだろう、失礼な!』
と怒りになる」
というケースはよくあります。
先日もある医院でスタッフが、患者さんのクレームを招いた
失礼な態度についてチーフスタッフから指摘があり、
「院長に事実報告とお詫びを伝えなさい」
と言われたところ、ただ一言メールで「すみませんでした」で済ませた、
という出来事がありました。院長は、
「彼女は全然反省している色が見えない。
ウチの医院ではやっていけないんじゃないか!?」
と怒り心頭です。
この場合、2つのケースが考えられます。
1つは、このスタッフが未熟で、社会人として
相手に不愉快な思いをさせない対応の仕方を知らない
(=できない)ケース。
その場合、本人に悪気がないので、
「このような重要なことや、感情が絡むことは、
文字では伝わり切らないから、直接会って
(あるいは最低でも電話で)伝えるべきだよ」
と言うように教える必要があるでしょう。
それに対して反発するようであれば、
そもそもウチの医院で一緒に働いていていいのか、
という根本的なところが問われるでしょう。
一方、指摘を素直に聞くスタッフなら、
医院として教えることでお互いがラクになれますね。
もう1つは、社会人としてちゃんとした対応もできるが、
院長との関係性が悪くて、直接的な接触を避けている
(=やりたくない)ケース。
その場合、問題の本質は「報告の仕方を間違えている」
ということではなく、
「大切なことを直接伝えることができないほど、
院長とスタッフの関係性が悪化している」
ことにあります。
その場合、
「そこまで関係性が悪化している原因にフォーカスする」
のを避けていては、根本的な解決にはならないでしょう。
多くの医院において、その2つがごちゃまぜで
議論されているように思えることがあります。
そんなときは、まずは
「できないのか?」
「やりたくないのか?」
そこを区別してみてはいかがでしょうか。
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