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上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術

真面目で意欲のあるスタッフが、突然退社する理由。スタッフの“モチベーションの源泉”を正しく捉えているか?

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2024.06.15 執筆者:和仁 達也

「まさか、あのスタッフが辞めると言い出すなんて・・・」
期待していた社員が、ある日突然退職を申し出るのには理由があります。
リーダーがビジョンや目標に集中し過ぎて見落としがちな落とし穴について、
歯科医院の事例ストーリーを紹介します。

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ホワイト歯科は開業後3年で軌道に乗り、それからも順調に発展した。
チェア3台で始めた医院も徐々に拡張して8台になり、
経営的にも一旦の安定をみた。副院長や衛生士長も育ち、
その後3年は良くも悪くも大きな変化がなく過ぎていた。

そんな中、加藤院長は元来の向上心が湧き上がり、
この半年は様々なセミナーに参加するようになった。

新たな知識をインプットしては、医院の次の理想像を思い描くようになった。

やがてビジョンも明確になっていった。
虫歯の治療を治すこと中心の診療からの卒業、いわゆる
“脱・治療”は以前から掲げていたが、
「では、何をウリにしていくのか」が曖昧なままだった。

しかし、ここに来て、ようやくイメージが見えてきた。

「噛み合わせの専門性を前面に出しつつ、各分野の専門家との連携で
全身の健康を促進することで、患者さんの理想のライフスタイルをサポートする」
ことに軸足をおくことに決めた。

医院の強みを打ち出すということは、相応の専門知識やスキルが、
院長だけでなくスタッフにも求められることになる。

また、患者さんへのわかりやすくて丁寧な情報発信も必要だ。

そこで加藤院長は、副院長や衛生士長はもちろん、
すべてのスタッフに対して、新たなビジョン実現に向けた資料作成や
勉強を進めるよう、ミーティングで訴えかけた。

ミーティングでは、スタッフは皆、院長の話を頷きながら聞いていた。
すべては順調にいっているように見えた。

そんな中、ある週末の診療後。
勤続3年目になるパートスタッフの衛生士の鈴木が、
暗い顔をして院長室のドアを叩いた。

話を聞くと「・・・医院を辞めたいと思っています」と言う。

鈴木はコツコツと安定的に仕事をする姿が印象的で、
性格的にも真面目で、院長としても安心して仕事を任せてきたスタッフだ。

そんな鈴木の突然の申し出に驚き、詳しく話を聞くと
「ここ数ヶ月の医院の新しい展開に、ついていけそうに無い」とのこと。

他に問題があるのではないかと、スタッフとの関係や、
院長や医院に対する不満がないかを尋ねるが、「そのようなことは無い」と言う。

時間も遅かったことから、「週明けに、改めて話をしよう」と一旦帰らせた。

幸い、週末にキャッシュフローコーチの和仁との面談を控えていた
加藤院長は、さっそくこの話題を持ち出した。

「ミーティングでこれからの医院のビジョンやその実現のための
取り組みを話していたときは、鈴木も含めてみんな、頷いて聞いていたんです。

なので、みんなも同じ方向を向いてくれていると思っていたのですが、
まさかの退職の申し出で、正直ショックでした。

『医院の新しい展開についていけそうにない』と言われましたが、
彼女たちの実力からすれば、そんなに難しいことを要求している
つもりはないのですが、何が問題だったのか・・・」

キャッシュフローコーチは事情を理解すると、ある事例ストーリーを話し始めた。

「加藤院長、ちょっと思い当たることがあるので、
ある医院のお話しをしていいですか?

その医院では、成長意欲の高い院長が、次から次へと
新たな施策を打ち出し、飛躍的に拡大していました。

その一方で、スタッフの定着に問題があり、向上心のある
良いスタッフを採用している割に、退職を申し出る割合も高かったのです。

その原因をよく調べていくと、大きく2つありました。

1つは、スタッフの“モチベーションの源泉”を理解せず、
仕事を割り当てていたこと。

もう1つは、“スタッフのキャパ・オーバーを見抜けなかったことです」

うっすらと心当たりがある気がした加藤院長は、
キャッシュフローコーチに続きを促した。

「1つめは、それぞれのスタッフが何を“モチベーションの源泉”として
働いているのか、を正しく把握して仕事を割り振ろう、ということです。

たとえば“成長意欲”がモチベーションの源泉なら、
そのスタッフは新しい技術を学べたり、高度な診療に関われることは
苦に感じないでしょう。

しかし、“仲間との調和”や“安定した生活維持”がモチベーションの源泉なら、
そのスタッフは慣れない新しい仕事を次々と任されるのは、
圧迫感を感じてしまうかも知れません。

上手くやれなくて周りに迷惑をかけたり、それによって
罪悪感を感じることは一番避けたいことでしょうからね。

なまじっか、真面目に仕事に取り組むスタッフは
『成長意欲が高い』ようにも見えます。

なので、院長がそんな判断をしたわけですが、実際は
そのスタッフは夫の収入で生活は安定していて、
無理ない仕事量で仲間と仲良く働けることを望んでいたわけです。

スタッフごとに“モチベーションの源泉”は異なりますから、
ちゃんと確認しておきたいところですね。

そしてもう1つの“現状はキャパの何%か”ですが、
その院長もスタッフを気にかけて『大丈夫か?無理していないか?』
と確認はしていました。

ところがスタッフは笑顔で『大丈夫です』と答えるので、
それを鵜呑みにしていたのだそうです。ところがある時、
“数値化”のアプローチをしたところ、衝撃の事実が判明しました。

院長が『あなたのキャパシティに対して、今の仕事量は何%くらい?』と
尋ねたところ、しばらくの沈黙の後、スタッフの答えは
『110%です』でした。

まさかキャパ・オーバーになっていたとは思わなかった院長は、
すぐに仕事の再分配をし直したそうです。

これは、成長意欲の高い院長によくあるケースなのですが、
何か心当たりはあったりしますか?」

加藤院長は、大きく頷いて答えた。

「心当たり、というか、ウチの医院のことを言われているようでした。
わたしはここ半年でセミナーなどにたくさん通ったこともあって
急にモチベーションが高まっていましたが、
スタッフにとっては寝耳に水のこともあったと思うんです。

セミナーがあった翌日の朝礼で新しいことを言い出すものだから、
それが気がつかないうちにスタッフに過大な圧力を与えていたのかも知れません。

今思えば、ちゃんと途中経過を伝えたり、新しいことをやるにしても、
それをやる意味を丁寧に伝えた方が良かった。

それに、そもそもスタッフの“モチベーションの源泉”も
一人ひとりきめ細かく把握できていないので、表面的なところで
判断していた気がします。

ちょうど、来週はスタッフ面談を予定していたので、
そのあたりを腹を割って話してみようと思います」

見落としていたことに気づいた加藤院長は、ショックを感じながらも
明るい希望も感じていた。

 

【今回のレッスン】

◎気がつかないうちに、スタッフに過大な負担をかけてしまう時、要因が2つある。

◎1つは、スタッフの“モチベーションの源泉”を理解せず、仕事を割り当てること。
もう1つは、“スタッフのキャパの何%か”を捉え違えること。

 

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▶︎優秀で当院にふさわしいスタッフを求人採用するためにスタッフのモチベーションの源泉を把握しよう

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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