上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
自分のミスを受け入れない部下への気づかせ方とは?
2025.01.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
「スキルは高いのですが、時々患者さんをイラッとさせる
スタッフがいます。時に患者さんから受付でクレームを
言われることもあり、その場合は後で本人に注意をするのですが、
どうもピンと来ていない様子なんです。
そして、言えば言うほど、私が”嫌なことを言う悪役”に
なっている気分で。。。
どうしたら本人に気づかせることができるでしょうか?」
これは、ある歯科医院で衛生士長から持ちかけられた相談です。
このように、患者さんとスタッフの間に挟まれて悩む
リーダーや院長は少なくありません。
まず大前提として大抵の場合、この対象のスタッフに悪気はありません。
ただ単に「これで大丈夫」だと信じてやっているだけです。
そして、その裏には
「自分が慣れた方法でやりたい(=ラクをしたい)」
という本音と、
「わたしは正しい」という思いこみが潜んでいます。
その前提を放置したままでは、何を言っても、
暖簾に腕押しで伝わらないかも知れませんね。
そこで、わたしはその衛生士長に質問しました。
「患者さんからのクレームを受付が聞いて、
後で(別の人が)本人に伝えたということですね。
たとえば、患者さんの声をスタッフ本人が直接聞くようにはできませんか?」
すると衛生士長の回答はこうでした。
「そうしてもいいのですが、スタッフがショックを受けて
しまうんじゃないか、と心配で、今までは患者さんのクレーム的な
ことをスタッフ本人が直接聞くのを避けてきたんです」
その遠慮が、かえってスタッフ本人と衛生士長の間に
「情報量の不一致」を起こしていると、私は考えました。
すると、衛生士長は思いついたように言葉を続けました。
「でも、考えてみれば、人格否定になりかねないデリケートな
案件は別として、すぐに改善できる軽めのマナーや接遇的なことであれば、
患者さんの声をそのまま伝えてもらい、後でわたしがスタッフを
フォローするやり方もある気がします。
それだったら、何も私が悪役にならずに済みますし、
むしろ応援する側の立ち位置になるので、やりやすい感じがします」
この衛生士長が懸念しているように、クレームの内容による
スタッフへの配慮は大切だと思います。
その一方で、スタッフに当事者意識を持たせて
主体的に行動を改善するよう促すには、時に情報の流れを
変えてみるのも一案かも知れませんね。
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