上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
余計な「え~、あの~」を言わずに会話する秘訣
2025.01.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
セミナーやコンサルティングは、言葉を使って人に影響を与える仕事です。
そんな職業柄、わたしが気になることの1つが、
人が会話の中で無意識に発する「え~」「あの~」です。
プライベートならまだ良いのですが、仕事でお客さんと接する際に、
これが多いと耳障りがいいものではないので、できるものなら無くしたい。
これはコンサルタントに限らず、一般的な接客時の会話にも
つながることだと思いますので、それを解消する方法を共有します。
わたしがまずはじめにしたことは、
「自分のしゃべりを録音して、聞いてみる」です。
今でこそスマホで簡単に録音できますが、
10数年前はわざわざボイスレコーダーを持ち歩かねばならず、
面倒な作業でした。
また、いざ録音しようとすると、気恥かしくて
録音ボタンを押すのをためらうことも多々ありました。
しかし、勇気を出して録音し、あとで聞いてみました。
正直、吐きそうになりました。
あまりに「え~」「あの~」が多い。
それ以外にも、抑揚がなくて単調だったり、
語尾が聞き取りにくかったり、
同じことを何度も繰り返してクドく感じたり。
自分が脳内でイメージしていた話し方と実際のそれが
あまりにかけ離れていて、一旦落ち込み、
そして本気でなんとかしようと腹をくくりました。
そこで気づいたことがあります。
まず、「え~、あの~」を多発する理由は2つ。
1つは呼吸、もう1つは沈黙の恐怖です。
相手から問いかけられて、すぐに返答できない時に、
間をつなぐために「え~」と言う。
あるいは、自分から何かを言いたいけど、言葉が思いつかない
ときのつなぎとして「あの~」と言う。
そこに呼吸、特に息を吐くのを合わせてしまい、
「あの~、え~」を連発するわけです。
本人には
「黙っていたら、何も考えていない感じに見えないか」
「ラジオの”放送事故(無音が続くこと)状態”になるのでは」
という不安がある。それを紛らすために音を発するのです。
このように「沈黙ができると埋めたくなる」衝動が働くのであれば、
「代替の言葉で時間を稼ぐ」のが一案です。
具体的には、相手が問いかけてきた質問を
「なるほど、●●の件ですね」
と ひとまずそのままオウム返しで言ってみる。
次に「えっと」と短く言って時間を稼ぐ。
それでも思い出せなければ「何でしょう」と
答えに困っている意思表示をする。
この3つだけでも、ずいぶん良くなります。
また、呼吸のことで言えば、人との会話中に
静かに深呼吸をしているとリラックスして、
さらに自分が発する言葉に気を向けやすくもなります。
そして、実を言うと、録音して聞き直すことをトライするだけで、
自分の話し方に気が向くので、その瞬間から改善するケースも多いものです。
心当たりのある人は、試してみてはいかがでしょうか。