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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

人手不足時代に理想的なスタッフを雇うには?求人告知をするのと同時に、意外と忘れているもう1つのこと

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2019.02.16 執筆者:和仁 達也

人手不足が深刻な状況になり、今後もますます日本は労働力が減少していきます。

優秀で、理想的なスタッフを雇いたい!と誰もがそのように思っていることでしょう。

しかし、現状は、求人広告をいくら出しても理想的なスタッフはなかなか雇うことができない。

また、広告費をかけてせっかく雇ったのにすぐにやめてしまった。

このように求人で悩む歯科医院さんも非常に増えています。

求人告知をする際に給与や時間帯などは考慮することは多いのですが、それだけでは雇えてもやめてしまう確率が高いこともあります。
その理由は、告知の仕方に問題があるからです。

この記事では、理想的なスタッフを雇う為に必要な求人告知で大切なことを解説しています。
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加藤院長は、全国各地の歯科院長6人、そして経営キャッシュフローコーチの和仁とともに、某ホテルのラウンジでテーブルを囲んで座っていた。

今日は、少数精鋭の歯科院長と医院経営について本音で語り相談しあう「歯科テーマサロン」。

初対面同士とあって、はじめはお互い緊張気味だった。しかし、キャッシュフローコーチがコーディネーター役を担うこともあり、10分もするとスタッフの採用や教育、お金のことなど、つっこんだ会話が繰り広げられた。

そんな中で、加藤院長が前から聞こうと用意してきた質問を投げかけた。

「実は、ウチは近々衛生士を新しく採用しようと思っているんですが、なかなかいい子が見つからなくて。方法が悪いのか、採用条件が悪いのか、、、。みなさんは、どうやっていますか?」

歯科院長は一様に「わかる」と言わんばかりの表情で、口ぐちに答えた。

「たしかに今、募集しても衛生士が全然来ませんよね。
わたしのところは、派遣会社の紹介で採用しています。ただ、この場合、給料や休みのとりやすさなどの条件面ばかりを要求してくるので、これでいいのか、と疑問は残りますけどね」

「ウチでは、求人サイトやハローワークに登録するぐらいです。だいたい、それで何人かが応募してくるので、そこから選んでいます」

「わたしは医院のホームページ上で告知しています。予防をやっているとか成長できる職場であるとか、医院として医療人としての考え方を公開していて、それを見てくる子が多いのですが、おかげさまで感覚の近い子が来てくれています」

「うちは、大学の同級生や友人などから紹介してもらっています。やっぱりもつべきものは友達ということで。逆にウチのスタッフが夫の転勤で引っ越すときには、友人の医院を紹介することもあります」

「ウチは数年前から実習の受け入れ先となりましたので、ドクターの採用についてはその中で働きぶりと人柄のよい子を誘っています。あと衛生士は、専門学校の先生に紹介してもらう働きかけをしています。やっぱりネットワーク化が必要ですね」

どれも共感できる意見で、加藤院長はひっきりなしにメモをとった。

そのとき、キャッシュフローコーチの和仁が1つ提案を出した。

「みなさん、いろいろな告知方法を持っていらっしゃいますね。今、たしかに歯科衛生士学校も減少傾向で、新しい衛生士のなり手も減っています。でもいないわけではないし、過去に歯科で働いていて、結婚などの事情で一時的に辞めている人もたくさんいます。

中には能力も意欲もあるけど、時間帯や曜日などの勤務条件のあう医院を見つけられなくてあきらめている衛生士もいるようです。

そこで大切なことは、みなさんが今やられているような告知方法を工夫するのが1つ。
そして、その前に意外と見過ごされがちな大切なことが、もう1つあります。

それは、『どんなスタッフを採用したいか?』という医院の希望、理想のスタッフ条件を明確に文書化することです。ちなみに、加藤院長は、どんな人を採用したいですか?」

加藤院長は、ちょっと考えて即答した。

「そんなに要求はないんです。人柄がよければOK。技術は後で教えますから」

キャッシュフローコーチは、加藤院長の理想のスタッフ条件があまりに曖昧なことが気になった。そこで少しつっこんで聞いてみると、過去に「成長を促す働きかけをしたら途中で辞めてしまうスタッフが何人もいた」そうで、少し自信をなくしているようだった。

「加藤院長、1つ質問ですが、彼らが成長できる場を与えようとしたら辞めてしまったとのことですが、彼らには採用面接のときに例えば、『当院は“仕事を通して成長したい人”を求めています』とおっしゃいましたか?」

加藤院長は、はっとした表情で首を横に振った。

和仁はにこやかにうなずきながら続けた。

「実際にはそういうことはよく見かけることです。もしかすると、辞めたスタッフは入り口で医院の主旨(仕事を通して成長したい人を求む)を知らずに入り、あとで要求されて苦しかったのかもしれません。人と人の出会いにおいて、入り口はとても大切。面接は『医院で働いてほしいスタッフを選ぶ場』であると同時に、スタッフにとっては『働きたい医院を選ぶ場』でもあります。先にいえば、その心構えの人が入ってくる。後で言うと、本来よそにいくはずの人が入ってきて、あとで話がこじれる。お互いに、どういう条件を希望しているかを明確にしておいたほうが、お互いのためですね」

別の院長が手を挙げて問いかけた。

「たとえば、お金に対するスタンスも同じでしょうか?とくに勤務医の採用のときに、わたしは、あんまりお金、お金という人は、医療人として感心できません。もちろん実際には、診療した患者数や売上に応じて歩合を支払う仕組みはあるのですが、それはあくまで制度であって、マインド面でお金が先に来るような人は雇いたくないんです」

キャッシュフローコーチは答えた。

「その場合は、面接時のアンケートで『勤務先を選ぶ際に、どれを重要視しているか』の順番をつけてもらうといいですね。たとえば、a.高い報酬、b.医療技術の向上、c.人間性の成長、d.働きやすいスタッフ関係、e.休みの取りやすさ、f.その他(  )、というようにして。もちろんどれも大切ですが、あえて順番をつけるとしたら、どういう順番か。そして、あとでその理由を口頭で尋ねる、真意がつかみやすくなります」

(意外とやれることはまだまだたくさんありそうだな)
そんな手ごたえをその場にいた院長は、みな、感じとっていたようだった。

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【今回のレッスン】

◎ 人と人の出会いにおいて、入り口はとても大切。それは、スタッフの採用時はもちろんのこと、初診の患者さんに当院のシステムを理解してもらうときも同様。

◎ どんなスタッフに当院で働いてもらえれば、医院にとっても本人にとっても幸せか、きちんと文書化しておく。明確になっていれば、ホームページで告知するときも知人に声をかけるときも、具体的なリクエストができる。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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