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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

納税のことを考えると痛みを感じる方へ 税金のストレスを減らす意外な発想法。

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2019.12.16 執筆者:和仁 達也

毎年納税の時期になると浮かない経営者も多いでしょう。

その理由は、手元からお金が減ってしまうと考え、いかに税金を少な少なくするかを考えている経営者も多いでしょう。

成長して順調に売り上げも、利益も上がっていくのはいいのだけど。。。

税金のことを考えてしまうとストレスを感じてしまう。

そんな経営者の方に知って欲しい発想法をお伝えいたします。
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ホワイト歯科は昨年、そして今年と順調に業績を伸ばしてきた。開業当初の借金も順調に返済し、3分の1にまで借金残高が減っていた。

それにも関わらず、加藤院長は院長室で一人、ため息をついていた。
税理士から言われた一言が、頭に残っていたからだ。

「院長、業績はとても好調ですが、このままだと来年の税金、すごいことになりますね〜」

たしかにここ1年の医院の伸びは著しかった。スタッフによる初診カウンセリングが定着し、治療が終わった患者さんは予防で定期的に通う状態が確立。また、補綴選択カウンセリングの導入により、以前は保険の被せものがほとんどだったが、今では3人に1人は自費の被せものを選択していただけるまでになった。

そのため、客単価もアップし、また予防の定着によりリピート率も高まっている、という盤石の体制になっていたのだった。

そんな順風満帆な中での税理士の一言は、院長のアクセルにブレーキをかける威力を持っていた。
税理士はさらにこんなことも言っていた。

「院長、今のうちに買っておきたいものがあったら、考えておいてください」

経費として損金計上できるものがあれば、まとめて買っておけば、その分利益が減り、税金も減ると税理士は言い添えた。

(そうは言っても、必要な機材はすでに買ったし、インターネット検索で上位表示されるための広告宣伝やホームページのリニューアル、スタッフの教育に至るまで、やっておきたいことはほとんどやり尽くした感があるからなぁ・・・。)

モヤモヤ感を感じたまま、加藤院長は、経営キャッシュフローコーチの和仁に相談してみることにした。

「税理士から、来年の税金がすごいことになるから、何か買っておきたいものがあれば考えておくように指導されたんですが、どうしたらいいでしょうか?」

キャッシュフローコーチは察しがついた表情で院長の意図を汲み取ると、コホンと一つ咳払いをして問い返した。

「加藤院長、1つ確認があります。税理士は『来年の税金がすごいことになる』と言ったんですね。では、今の調子でいくと、いつ、いくら支払うことになるか、は教えてくれましたか?」

院長はハッとした表情で答えた。

「いえ、ただ『すごいことになる』と言われただけで、具体的には何も・・・」

キャッシュフローコーチは、なるほど、とつぶやき話を続けた。

「院長もお気づきのように、税金を最小限にしたければ利益を減らすために、お金を使うことになります。

もちろん、実態にそった節税対策はやればいいのですが、広告宣伝的なことや教育などの先行投資、あるいは保険を使った将来のキャッシュフローの確保など、加藤院長はすでにやれることは全てやられていますよね?」

院長はうなずき、「だからこそ、どうしていいか、悩んでいるんです」とのこと。

そのとき、キャッシュフローコーチは意外なことを口にした。

「加藤院長が悩んでいる本当の理由は、『税金をたくさん払うのが嫌だから』ではないように思うんですが」

意図をつかめず沈黙する院長に対して、キャッシュフローコーチは続けた。

院長が税金に関してストレスを感じるのは、『税金をたくさん払うのが嫌』なのではなく、『想定以上のお金が突然、手元から減ってしまうことの恐怖』があるからなのではないですか?

つまり、『何月にいくらの税金を支払うのか、を知らない』から恐怖を感じているのです。
これは適当な数字ですが、例えば『今期の売上目標を達成したときの納税見込みは、法人税500万円と消費税500万円と所得税500万円で、合計1500万円。支払うのは3月と11月です』と明快に告げられたとしたら、どんな感じがしますか?」

院長はう〜んと考え込みながら、答えた。

「和仁さんと毎月チェックしているキャッシュフロー計画表で見る限り、来年度もおそらく繰越金が毎月1500万円以上はあるので、一時的に最大500万円が減ったとしても、資金繰りには影響はなさそうですね。

そうか、そこが曖昧だったから、税金を払うことに対して過剰に抵抗感があったんですね。さっそくこの後、税理士に具体的な数字を教えてもらいます。それがわかれば、計画におり込み済みになるので、何も不安に感じることはなさそうですね。

あっ、ただそうは言っても、感情的に、なるべく手元にお金を残したい、という感じも正直あるんですが、これってわたしがケチくさいんですかね?」

キャッシュフローコーチは笑いながら、ある発想を伝えた。

「いえいえ、院長は気前がいい方だと思いますよ。スタッフに対しても誕生日プレゼントを渡したり、大震災があれば個人的に寄付もされていたじゃないですか。

わたしが思うに、院長が税金に対して“痛み”を感じているのは、『税金は国に持っていかれるもの』という、“受け身的”な連想体系があるからじゃないでしょうか。

一方、スタッフへのプレゼントや震災被災地への寄付は、すべて“能動的”にやられていますよね。だったら、税金も同じように能動的にとらえてみてはいかがですか?

つまり、『納税は、受け身的に国に支払わされるものではなく、むしろ能動的に支払ってあげる “寄付”だ』と。

実際、わたしたちが支払う税金から、学校や病院、道路や信号、福祉施設がつくられて、その恩恵をわたしたちは受けているんですから。たしかに政治家が訳の分からないお金の使い方をしているニュースを見たりすると、それに怒りを感じることは否定しません。

ただ、そのほとんどはまっとうに使われているとすれば、自分はその一端をになっているんだと。仮に1千500万円の納税をするなら『当院は今年は1千500万円、国に貢献したんだ』ととらえ、事業計画の中にも、今年の売上目標、利益目標と同列に、『今年の納税目標』を記していく、ぐらいの心意気でもいいのかも、なんてわたしは個人的には思いますが、いかがですか?」

院長は心の中で思った。

(たしかに受け身的に「支払わされる」のだとストレスなのに、被災地への寄付や成長発展を応援したい人に対してお金を投資することは、まったくストレスに感じない。
大切なのは、そのことの自分にとっての意味づけと、その金額をちゃんと予め把握しているかどうか、だったんだな)

 

【今回のレッスン】

◎ 税金を箇条に心配しないコツは、「計画通りにいった場合、いくらの税金をいつ支払うか」を予め把握しておくこと。

◎ 同じ支払うにしても、受け身的に「支払わされる」のと、能動的に「支払ってあげる」のでは、まったく心持ちが違う。同じ払うなら、能動的にとらえてみる。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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