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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

自費診療の価格を堂々と伝える心構えの持ち方とは?相手をみてトークが変わってしまう心理の実態!

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2020.03.15 執筆者:和仁 達也

患者さんへ自費診療を提案しようと考えた時に、価格を伝えるのを
この人は価格が通らないかなぁ。

など、相手を見て自分の経験や勝手な価値観で
決めてしまっている場面ってありませんか?

患者さんのことを考えるあまり、なかなか価格を言い出せずに
セールスになってしまうのではないかな?

と不安になってしまう場合もあると思います。

自費診療の提案は本来患者さんの役に立つことのはずなので
患者さんに堂々と伝えていきたいですよね!

この記事では、「自費診療の価格を堂々と伝える心構えの持ち方」
をお伝えしています。

———————————————————————————-
ホワイト歯科では、数ヶ月前から「補綴選択カウンセリング」を
医院に導入しようと、毎月第二火曜日のお昼前1時間は患者さんの
アポをいれずに院内ロープレ研修を行っていた。

「押し売りするのではなく、患者心理に沿ったカウンセリングを
することで、自然と自費率が上がってしまう」と評判の、
歯科専門コンサル会社「ユメオカ」の教材を使って、
伊藤チーフが進行役を担い、全スタッフがそのマニュアルに
沿ったロープレを訓練してきた。

そして、3回目の院内ロープレ研修で、
伊藤チーフはスタッフに問いかけた。

「みんな、どうでしたか?この1ヶ月実際にやってみて、
問題や疑問が浮かんだ人はいますか?」

すると、若手スタッフの佐々木が手を挙げて、発言した。

「あの、たとえばあまりに高齢の方とか、
今迄の経験で『あ、この人は自費は拒否しそうだな』と感じた人には、
自費の話をせずに保険を勧めてしまいますが、それでもいいですか?」

伊藤チーフは佐々木の意図を理解し、他のスタッフにどう思うかを問いかけた。

「それは仕方が無い」

「それでいいと思う」

「でも、本当にいいのかな?」

スタッフたちが判断がつかずにいる様子を見て、
チーフは意見を挟んだ。

「これって、勝手にこちら(医院側)が決めていいのかな?」

そのやり取りを見ていた加藤院長は、チーフの言葉を受けて口を開いた。

「いま伊藤チーフが疑問を抱いたこと、
『勝手にこちらが決めていいのかな?』って質問は、
実はとても大切な問いなんだよ。

実は、以前こんな患者さんがいたんだ。

3人の子どもがいる40代の主婦の方。
教育費がかさんで家計に余裕がないから、と
保険の治療を希望されていた。

でも10年後、来院したときには、
『自費の治療内容を教えてもらえますか?』
って向こうから尋ねられたんだよ。

最初、わたしはびっくりしたんだけど、話を聞くと
『子ども達も独立したし、近々高校の同窓会があるから』
って言うんだ。

つまり、家族構成が変わったことで経済的な余裕が生まれ、
また見た目の美しさを意識するシチュエーションがあると、
人はそこに価値を見出すこともあるんだな、って気づかされたよ。

また別の患者さんで、
75歳の高齢のおばあちゃんが来院されたときのこと。

そのときも、わたしはこう言っちゃあ失礼な話だけど、
『先が長くはないだろうし、保険の治療で十分かな』
って勝手に思い込んでいたんだ。

ところがその方は、『自費治療でお願いします。
どうせあの世にお金を持っていけるわけじゃないし、
主人がいたときは自分のことは我慢ばかりしていたんです。
でも、これからは自分のことにもっとお金を使っても
いいんじゃないかな、って思いましてねぇ』って言われた。

そのときわたしは、頭をガーンと金槌で打たれたような衝撃を受けてね。

これらの人たちに、自費治療も含めたすべての選択肢を与えずに、
わたしがはじめから『保険治療で』と勧めていたとしたら、
これは何を意味するんだろうか、と。

それは選択肢を奪う行為なんじゃないか。
もっと言えば、人生を楽しむ可能性を奪っている
ことになるんじゃないか。

それ以来、決めたんだ。
こちらの主観で勝手に人を選ばず、すべての人に治療の選択肢を
ちゃんと伝えようと。

それぞれの治療内容のメリットとデメリットを伝え、
価格を伝えようと。

その上で、最後に患者さんが納得の選択をしてもらえばいい。
患者さんに納得の選択をしてもらえるよう、我々は、
選択肢をわかりやすく提示してあげることに専念すればいい」

チーフはじめ、スタッフはうなずきながら院長の話に
共感と納得を表情で示していた。

意図がスタッフに伝わっているのを確認して、院長は話を続けた。

「我々のスタンスは、押し売りではいけない。
かと言って、安いけども材質的にも技術的にも制約がある
保険治療だけを勧めるわけにもいかない。

患者さん本人にとって、納得の選択、最善の決断ができるよう
サポートすることが、わたしたちの役割だと思うんだよ。

そして、選択、判断は患者さん本人に任せればいい
ここをごちゃまぜにしてはいけないんだ。

今日最初に佐々木さんが問題提起してくれたことは、
相手を見てこちらの判断で、情報提供をしたりしなかったり
するってことになるよね。

それは、もしかすると、患者さんの選択肢を奪い、
人生を楽しむ可能性を奪うことにつながるのかも知れない。

我々がすべきことは、すべての患者さんに大切な情報を
もれなく伝えきることじゃないか、って思うんだけど、どうだろう?」

何度もうなずくスタッフの表情と、必死でメモをとる姿が、
納得感を表していた。

伊藤チーフも、なんとなく心の中では漠然とそう思っていたが、
院長が明快に言葉にしてくれたのを聞いて、
「自分の考え方に間違いはなかったのだ」と安堵の表情を浮かべた。

そして、予定通りロープレ研修を行い、この日のミーティングを終了。

お昼休みに入るスタッフ達の最後に、伊藤チーフがくるっと振り返り、
加藤院長に笑顔で声をかけた。

「今日は院長、ちょっとカッコ良かったですよ!」

チーフからの思いがけない言葉に、
院長はとっさにリアクションが思い浮かばず、
ただ照れ笑いするばかりだった。

【今回のレッスン】

◎ 医院の役割は、患者さんが納得の選択、最善の決断ができるよう、
選択肢と必要な情報を伝えきること。

◎ 今は保険治療を選択する人でも、数年後には自費治療を選択する
ことはある。その人の背景や環境が変われば、人は判断は変わる。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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