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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

週5日から週6日診療に増やして売上アップを狙うために、シフト制を導入するときの落とし穴とは?

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2020.10.02 執筆者:和仁 達也

 
お店やクリニックにおいて売上を上げるためにわかりやすい
方法は「稼働日を増やす」こと。

例えば歯科医院なら、木曜日と日曜日を休診日にする医院が
多いのですが、木曜日を診療日にして週5日から週6日に増やすこと。

ただ、それが逆効果になって売上が下がることもあり、
注意が必要。今回はその予防策に気づける
事例ストーリーをお届けします。

 
「なぜ、他院ではやれているのに、ウチではうまくいかないのか・・・?」

月に1度のスタッフとのミーティングが終わり、
加藤院長は院長室でコーヒーを飲みながらつぶやいた。

ホワイト歯科では4月に新しいスタッフが入ることが決まり、
それを見込んで一足早く、3月から準備をし、シフト制を導入。

3月から8月までの半年間。

医院自体は週5日診療から6日に1日増えたので、
「これまで木曜日に通いたかった患者さんが増え、
患者数と売上は増えるだろう」と見込んでいた。

単純に、「週5が週6になるので、6/5=1.2倍になればいいな」
と思いつつも、そう簡単な話ではないだろう、
と控えめな目標からスタートしようと考え、
「月の売上10%アップ」を掲げてスタート。

そして試行錯誤を重ねて、スタッフの勤務日をシフト表を組んで、
ちゃんと週2日は休みがとれるように進めていた。

 
ところが・・・。

半年後ふたを開けてみたら、患者数は週5のときと比べて、
10%アップどころか、5%のダウン。

しかも、スタッフからは

「休みがうまく分散できず、特定の人だけが
都合のいい出勤計画になっていて、困っています。

元の木曜休診(=週5診療)に戻してもらえませんか?」

との申し出が。

スタッフからの不評、患者数の減少とあって、
院長はひとまずその申し出を受けて、
「シフト制による週6診療」はいったん中止。
翌月からは木曜を休診日に戻すことにした。

 
キャッシュフローコーチの和仁に、その経緯を
ひととおり話すと、キャッシュフローコーチは
「なるほど」とあいづちをいれ、質問を口にした。

「診療日が5日から6日に増えたのに、患者数が減った理由は、
アポそのものが減ったということでしょうか?」

院長が過去半年の予約帳を眺めながら、そうだと答えた。

「もう1つ確認したいのは、週6診療を決断したのは、
1月に新しい衛生士が入社して人員に余裕が出ることを
見込んでの判断でしたよね?

それで、実際に余剰人員としてゆとりはありましたか?」

院長は、ちょっと苦笑いしながら

「いえ、それがちょっと予定が変わりまして」

と前置きをして、話を続けた。

「3月に週6診療にシフトして、1ヶ月だけは
人手が足りない中でなんとか回して、新人スタッフの
受入体制を整えようとしたのですが、

5月に長年勤めてくれていた衛生士が退職しまして、
結局、トータルのスタッフ数は週5診療のときと
同じになってしまったんです」

 
状況がつかめたキャッシュフローコーチは、答えた。

「今回、スタッフ出勤日のシフト制による週6診療が
うまくいかなかったのは、そこですね。

つまり、スタッフの人数が足りないまま
強行してしまったことが原因です。

そもそもギリギリの人員でまわしていたところに
スタッフが交互に休みをとれば、常に1人足りない状態で
診療することになりますね。

それも1日や2日くらいなら無理もできますが、
常時それが続くとなると、一般的にはやがて疲労がたまり、
衛生士は受付スタッフにそれを伝えます。

すると、受付スタッフは『少しでも衛生士の負担を減らしてあげよう』
という意識がはたらき、アポの取り方がゆるくなる。

と言っても、何も3割とか4割減らすわけじゃないんです。

それまで1日50人のアポを入れていたのを、
45人とか40人とかに微妙に減って行く。

つまり、5%、10%と1日の患者数が減り、
それがトータルすると、診療日数は増えたのに、
月の患者数は逆に減った、なんてことになるんです」

「う〜ん・・・」院長は腕組みをして考え込んだ。

「まさに、ウチもそんな感じかも知れません」

「ここで1つ質問です。スタッフの出勤日のシフト制によって
週5勤務を週6勤務に移行する上で、大切なポイントがあります。
何だと思いますか?」

「スタッフの人数の確保、ですか?」

「そうです!今回、ホワイト歯科では、
1ヶ月後に入社するスタッフをあてこんで、
1ヶ月前倒しで週6勤務を実行しましたね。

本当は逆で、新しく入ったスタッフが戦力化し、
『これなら1人ずつ休みをとっても今まで通りの
患者数を診療できる』という状態を確保することが先
なんですね。

 
一般企業では、

『スタッフを余分に抱えておくのは人件費のムダではないか』

と考えがちですが、歯科医院の場合、そもそも
日本では衛生士の数が歯科医院の数に対して
圧倒的に不足していて、万が一途中で欠員があると、
即人不足となります。

しかも、次にいつ理想のスタッフを採用できるか、
の保証もありません。

その間、人不足=稼働力不足となり、
さきほどお伝えした理屈でアポ数が減り、
売上が減ってしまうんです。

そして、歯科医院は高額な医療設備の導入のために
相応の借金をしているので、売上が減ると、
借金の負担がグンとクローズアップしてしまうんですね。

 
そんな事情も考えると、
次にシフト制を導入して週6日診療体制を実現する際には、
『無理なく理想の患者数を診られるだけのスタッフ数の確保』
をした上でやってみてはいかがでしょうか」

加藤院長は、なるほどとうなずいた。

「生産性を高めるためには余剰人員を置かず、
ギリギリでまわすべき」

という既成概念にとらわれていた自分の盲点に気づき、
「これも経験、勉強だな」とつぶやいた。

 

【今回のレッスン】

◎ 歯科医院でシフト制・週6日診療を導入する際のポイント。

 ① 先に余剰人員を確保して、各曜日に十分なスタッフ数が
   出勤できる状態を確保しておく

 ② 患者さんの支持がある歯科医院の場合、
  「過剰人員による人件費のムダ」よりも
  「人不足によるアポ数減少(機会損失)」の方が
  収益にダメージを与えることを知っておく。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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