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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

求人採用は密着戦で!打ち手をすべてリストアップして不安なことは予防策を考える

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2023.02.15 執筆者:和仁 達也

人手不足が深刻化する中、漠然とした不安から
無意識のうちに打ち手を制限していることがあります。

今回はきちんと言語化することで打ち手を見出した
歯科医院の事例ストーリーを紹介します。

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加藤院長は院長室で悩んでいた。

「ここまで手を尽くしたのに。。。」

ホワイト歯科では半年以上にわたりスタッフの採用募集を行ってきた。
ところが、数年前とは比べ物にならないほど反応がなかった。
世間的にも求人がますます難しくなっているとは聞いていたが、
ここまでとは…。

キャッシュフローコーチの和仁との面談では、
このスタッフ採用をテーマに扱うことにした。

「これまで院長が打ってきた手を聞かせてもらえますか?」

キャッシュフローコーチはそう問いかけると、
加藤院長の返答をホワイトボードに書き出していた。

ウェブによる募集広告、
ハローワーク、
紹介斡旋会社への登録、
大学の先生や友人のネットワークへの声掛け、
医院のサイトの募集ページの見直し、
待遇面(初任給、有給、定時で退職できること、
教育支援制度)の見直し・・・。

一通り書き終えると、キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「確かにかなりの手を打たれていますね。
ここまで手を打って反応がないとなると、
少し発想を変えた方が良いのかもしれません。

足元に目を向けてみたいのですが、
例えばスタッフさんに周りの友人や知人に声がけをするよう、
依頼をされましたか?」

院長は答えた。

「はい1回だけですけどね。それもスタッフに
あまり負担を感じさせたくないので、控えめにサラっと言っただけでした」

キャッシュフローコーチは、その院長の遠慮した言い方が気になった。

「何か、気になっていることや不安があるのですか?」

加藤院長は答えた。

「ええ、なんとなくですが、スタッフは友人と一緒の職場で
働くのは抵抗があるのではないかと思いまして。。。

また、友人と一緒に働くと、辞める時に一緒に辞められる、
という話を聞いたことがあって、そこも気になっています」

加藤院長は、漠然と感じていた不安を言語化することで、
対策の方向性が見えてきた気がしていた。

「今、話しながら思ったのですが、
漠然とした不安で中途半端に躊躇している場合ではありませんね。
他にやれることは全てやっていて、それでも反応がないのであれば、
まだやっていないアイデアがあるなら、やってみるべきだと気がつきました」

キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「そうですね。不安があるにしても事前に予想できるのなら、
予防策を考えておけばリスクは最小限にできるでしょうからね」

加藤院長とキャッシュフローコーチは、
「スタッフに知人を紹介してもらう」作戦に舵を切ることにした。

「では、できることをリストアップしていきましょう。
大きく3つの視点があると思います」

キャッシュフローコーチはそう言うと、
ホワイトボードに着眼点を書き出した。

1.スタッフが知人に声をかけやすくするためのツールの準備
2.スタッフが知人に採用募集のことを伝える理由の言語化
3.スタッフに依頼ごとをきちんと伝える場を用意する

「では順番に考えてみましょう。

1つ目の
“スタッフが知人に声をかけやすくするためのツールの準備”とは、

『ウチの医院は、このように働きやすい環境で、
今スタッフを募集しているんだけど興味ある?』

と言って、詳しい情報はそのツールを見ればわかるようにしておく、
と言うことです。このツールはA4の1枚の紙にまとめておけると、
スタッフは渡しやすいし、受け取る方も中身がわかりやすくていいですね。

2つ目の
“スタッフが知人に採用募集のことを伝える理由の言語化”と言うのは、

『それをした方が、医院にとってだけでなく、
自分にとってもメリットや意味がある』

と思ってくれた方が、積極的に動いてくれるからです。

例えば、
『新しいスタッフが入れば、今の忙しさが緩和されラクになる』とか、

『せっかく人を入れるなら、当院の良さを理解していない人よりは、
知り合いで信頼できる人に入ってもらったほうが、
気持ちよく仕事ができる』、というように。

3つ目の
“スタッフに依頼ごとをきちんと伝える場を用意する”と言うのは、
何かの話のついでではなく、ちゃんとスタッフに
“聞く姿勢”を作ってもらった上で、

『みんなの知人に当院で働きたい人がいないかを探ってほしい』

旨を伝えると言うことです。

後は、先ほども話があったように、不安に感じる事の予防策を
あらかじめ手を打っておきたいですね。

例えば、『友人知人と一緒に働くことに抵抗があるかどうか』を、
さりげなく個別に聞いておくということもできるでしょう。

また、『辞める時に友人と一緒に止めてしまうのではないか』と言う不安は、
当院のスタッフの場合も本当にありそうなのか、
改めて考えてみると良いでしょう。

その点はどう思いますか?」

加藤院長は、しばらく上を向いて考えをめぐらせた上で、ハッキリと答えた。

「うん、ウチのスタッフに関しては、そういう事はないかもしれませんね。
以前、他の医院でそういうことがあったって聞いているのが
頭に引っかかっていました。

しかし一度ウチの医院で働いたスタッフであれば、
ほとんど辞める人はいませんし、それ相応の待遇を用意している
自負もありますからね。杞憂だった気がします」

考えを頭の中だけで思い巡らすのではなく、
ちゃんと言葉にして整理することで、打つべき手がハッキリした
加藤院長は、1時間前とは打って変わって晴れやかな表情をしていた。

 

【今回のレッスン】

◎考えを頭の中だけで思い巡らすのではなく、ちゃんと言葉にして整理することで、
打つべき手はハッキリする。
◎その際には、打ち手を考えるのと同時に、不安な点も言語化して、その予防策まで
考えておくと、安心して行動できる。

 

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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