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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

納得の経営判断をするために必ず考えておきたいこと。 スタッフが産休から復帰予定で人員過剰に!どうする?

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2023.06.15 執筆者:和仁 達也

産休などでしらばく休んでいたスタッフが復帰するなどで、
経営者の思惑に関わらず、スタッフが増え、人件費が増えることが
あります。

その時に、そのままそれを受け入れるのは簡単だが、その
人件費のアップに見合った収入のシミュレーションが
できているのか、は考えどころ。

その判断のポイントがわかる、歯科医院の事例ストーリーを紹介します。

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ホワイト歯科の加藤院長は悩んでいた。
近々、産休で複数のスタッフが復帰するにあたり
人員過剰になる見込みだからだ。

今のままだと3ヶ月後には常時ドクターが1人余る計算になる。
現場は、常勤ドクターが2人と非常勤ドクターが3人で
診療を行い、また衛生士は5人いる状態。

ここに復帰するスタッフを加味すると、
ちょうどドクター1人分が過剰になる見込みだった。
さて、どうしたものか。

加藤院長は、定例ミーティングでキャッシュフローコーチの
和仁に相談をした。キャッシュフローコーチは問いかけた。

「院長としては人員体制について、どのような方向性を目指しますか?
方向性として大きく3つあると思います。

① 現状(人員過剰)を維持する。
② スタッフに辞めてもらう。
③ 成り行きの自然減で帳尻を合わせる。

順に説明しましょう。

「①現状を維持する」とは、今の人員をそのまま雇用し、
例えば手が空いたドクターは、従来の治療業務に限らず
「予防メンテナンス」や「日頃なかなか着手できずにいる
診療マニュアルや販促ツール作り」などに関わることで、
価値を生み出してもらう、みたいなことです。

「②スタッフに辞めてもらう」というのは、読んで字のごとく、
雇用契約に基づき、問題のない形で契約を終了すると言うものです。
非常勤ドクターの契約終了がそれに該当するかもしれませんね。

そして「③成り行きの自然減で帳尻を合わせる」とは、
少し時間軸を長く取って俯瞰した対策です。

つまり、今は人がダブついているように見えても、
半年後や1年後には「独立開業でやめていくドクター」がいたり、
「結婚や出産で長期休みを取ることが見込まれる人」がいるかも知れません。

そうであれば、もしその人員過剰の期間が限定的であるなら、
人件費の負担を承知で雇い続ける道もあると思います。

なぜなら今、歯科医院ではドクターや衛生士の採用が
とても難しく、いざ必要になったときに採用できるとは
限らないからです。その時、稼働力が下がり、売上や利益が
減ることがあるでしょう。

そのリスクを考えると、一定期間コストが上がったとしても、
あえて過剰な人員を維持すると言う道もあります。

この3つの方向性のうち、加藤院長はどちらを選ばれますか?」

加藤院長は即答した。

「私としてはなるべく人を切りたくはないので、
②はないと思います。①か③でしょうかねぇ」

キャッシュフローコーチはさらに踏み込んで尋ねた。

「ちなみに、スタッフに辞めてもらう道はないと
考える背景や意図はどのようなものですか?」

「それは、非常勤で来てもらっている大学にはお世話になっていて、
こちらの都合で辞めてもらうと、その噂が広まり
今後ドクターが来てもらえなくなるかもしれないからです。

また、みんなよい人が来てくれていて、せっかくやる気に
なってくれている非常勤ドクターを切りたくないと言う思いもあります」

キャッシュフローコーチはうなずきながら話を続けた。

「なるほど、それでは①今のまま維持するか、あるいは
③ 成り行きでスタッフの自然減を待つと言う道になりますね。

ところで、この判断をするにあたり、医院のお金の収支の現状と
今後の見通しを把握しておく必要があると思います。

まず、ここ最近の1ヵ月当たりの利益と返済後の
キャッシュフローの平均値はどのような感じですか?」

実態はこのようなものだった。
利益は月40万円、借金の返済額は月50万円なので、
返済後のキャッシュフローは▲10万円。
そして勤務医の過剰分の人件費コスト分は月50万円だった。

つまり、このままいくと、3ヶ月後には過剰分の人件費50万円が
利益を圧迫し、月40万円の利益は▲10万円の赤字となり、
返済後のキャッシュフローは▲60万円の赤字となることがわかった。

その数字に直面し、加藤院長の顔色が変わった。

「・・・。これだけ大きな負担になっていたのですね」

キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「加藤院長、そうなんです。経営判断をする際には、
その前提となるお金の収支状況を正しく把握しておくことが
必要ですよね。現実を直視すると、判断の前提が変わることがあるからです。

このことからわかるのは、もし▲60万円の赤字見通しの
返済後のキャッシュフローが黒字化するには、
税金を無視しても月60万円以上の粗利を獲得する必要があります。
粗利率が80%であれば、月の売上75万円をプラスする
必要がある計算になります。

これは何を意味するかと言うと、
保険診療の患者さんであれば1回あたりの平均患者単価が
5千円として月に150人増えること。

自費診療の患者さんであれば1回あたりの平均患者単価が
3万円として、月25人増えることを意味します。

この数字を見たときにどう感じますか?」

この試算をして、「そのくらいならやれそう」と思うのか
「それは大変だから、人件費を抑制する道を本気で探そう」とするのか、
判断はわかれるところ。

加藤院長は、試算する前は「②スタッフに辞めてもらう」は
無しだったのが、試算後は一気に緊張感がアップ。

「① 現状を維持する」は無しとなった。
まずは、「③成り行きの自然減で帳尻を合わせる」ことが可能かどうか、
を本気で調べることにした。

 

【今回のレッスン】

◎経営判断をする際には、その前提となるお金の収支状況を
正しく把握しておくことが必要。現実を直視すると、
判断の前提が変わることがある。

◎固定費が上がる見込みがわかっているのなら、それが
いくらの売上アップに相当するかを試算する。
そして、保険診療と自費診療それぞれの平均患者単価で何人分かを割り出しておこう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎人件費の考え方を解説!労働分配率から人件費をいくらまで出せるのかコントロールしよう!

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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