社員から優れたアイデアを引き出す方法は、社長の視点を先に言語化すること。
2020.12.04 執筆者:和仁 達也コミュニケーション前置きトーク着眼点言語化
セミナーに参加される社長からよく聞く、社員に対する不満に、
「ウチのスタッフは社長や上司に任せっぱなしで、
自分で考えようとしない」
「どうせ意見を求めてもロクな意見は帰ってこない」
などというものがあります。
その結果、本来は社員に任せたいことを社長が
抱え込んでしまうケースは少なくありません。
そんな中、先日あるクライアント先の社長が、
間もなく完成する新工場の機械配置のレイアウトを
考える際に、うまく現場スタッフの意見を求めているのを
目撃しました。
一般によくあるのは
「今度の新工場のレイアウトを考えてきて、意見を出すように」
とだけ伝えるものの何もリアクションがない、
というケースですが、この社長は違いました。
「新工場のレイアウトをみんなに考えてほしいんだけど、
その際に次の10の視点を踏まえて、アイデアを出して欲しい。
(1)特定の人に作業が依存しないよう、リフトを使わずに済むこと。(生産性UP)
(2)可能な限り自動機をひとまとめにして、一人で複数管理できること。(生産性UP)
(3)風通しをよくして、スタッフの作業環境をよくする。(作業環境衛生UP)
(4)モノの動線がスムーズな配置であること。(生産性UP)
(5)4か所ある仕掛かり置き場を1か所にして、探す時間を短縮する。(生産性UP)
(6)外観の美しさを追求する。(2S)
(7)最小限の支出で抑える。(投資効果UP)・・・(省略)
これらの視点で考えて欲しい。」
すると、考える視点が明確になった社員は、
新工場のレイアウトについて具体的に考え始めました。
専門的な議論に社員を参加させるときに大切なことがあります。
それは、
「もう一段かみ砕いた”考える視点”を先に示す」
ことです。
それさえできれば、議論のテーマが
「売上アップ策」であれ、「ミスの予防策」であれ、すべて同じ。
社員に意見を求めるときは、先に社長の視点を言語化してみましょう。
それさえあれば、スタッフも現場に根差した
良いアイデアを生み出せるのですから。
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