相談内容の5割以上は途中で変わる。
2022.03.04 執筆者:和仁 達也コミュニケーションビジョナリーコーチング
コンサルタントとしてクライアントの相談に乗るときに、
わたしがいつも大切にしていることがあります。
またそれは、コンサル養成塾などで
塾生に強調していることでもあります。
それは、「相談内容を疑ってかかれ」ということです。
先日あるマーケティングの専門家から相談を受けたときのこと。
彼の相談は、
「どうすれば教材の開発スピードがもっと早くなるでしょうか?」
でした。
これを鵜呑みにしてアドバイスをしようとしたら、
わたしの回答はどうなるでしょうか?
・開発時間を確保するための、時間の有効な使い方について
・頭の中に眠るネタをたくさん書き出して視覚化する方法
・ノウハウを文字に落とし込む作業を最小限の労力でやるコツ
などについてアドバイスをしていたかもしれません。
しかし、そこで早合点せずに
「今、どういう状況で、どのプロセスに時間がかかっているのか?」
を聞いていくと次のことがわかりました。
A・書きためたネタをまとめてコンセプトが決まるまでに1年くらいかかる。
B・情報の整理は2カ月でやれる。
C・教材化に向けて収録・編集するのは1カ月でやれる。
つまり、Aの作業に一番時間がかかっていて、
ネタ自体は常時10個以上は抱えているとのこと。
ならば、その10個を商品化するタイミングをズラしていけば、
最大で年10個、少なくともその半分は教材の商品化が可能になります。
そこまでわかって初めて、1つ質問をしました。
「来年1年間に4~5つの新教材を3カ月スパンで
リリースすると決めて、そこから逆算して
スケジュール化することは可能ですか?」
その瞬間、彼の表情は晴れやかになり、
「そうか!今までは教材は出来上がった時点で
リリースするものだと発想していました。
だから期限がなかった。
でも、セミナーやイベントと同じようにスケジュール化して
逆算していけばいいんですね!」
と気づきを得てくれました。
彼のボトルネックは、「開発スピードが遅い」のではなく
「新教材のネタがなかなか生まれない」のでもなく、
「出口が決まっていないから流れが悪い」だったのです。
このように、相談内容は話を聞いていくうちに
5割以上の確率で変わっていきます。
相談に乗るというのは、解決策を伝えることの前に、
事実を正しく知ることが仕事の8割なんですね。
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