命令無しでも人が適切に動く方法。
2024.11.04 執筆者:和仁 達也コミュニケーション着眼点
人に動いてもらうには、一般的には命令やお願いをしたり、
ルールを提示するのでしょうが、もっとやわらかいやり方で
相手に動いてもらうコツがあります。
今日はそんな事例を紹介します。
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我々、日本キャッシュフローコーチ協会では
日々の協会活動を内外のメンバーに伝えるための
「協会活動レポート・プロジェクト」があります。
これは強化研修会やMVPコンテストなど協会の様々な行事を、
そこに参加した人が実況中継するレポートを作成し、
仲間にシェアするものです。
先日、このプロジェクトミーティングで
「どうすればレポートの作成スピードがもっと上がるだろうか」
という議題があがりました。
そのレポートの執筆は無報酬であり、義務ではなく
担当者の好意で行っているものなので、厳密な期限を設けにくく
調整力も発揮しづらいところが悩みの種でした。
そして、その時に1つの案が生まれ、さっそく実行に移すことになり、
その作戦が奏功。
それまでイベントから2ヶ月以上経っても仕上がらない
こともあったレポートが、それ以降はほんの数週間で
完成するようになったのです。
一体、どんな作戦をおこなったのか?
そこで決めたことは、
「”ルール”ではなく、”基準”を設けよう」
というもの。
つまり、
「そのイベントから何日目までに原稿を書き、
そして何日目までに完成させる」
と言う“典型的な基準”をワンシートに落とし込み、
それをレポート執筆者に渡しながら依頼をすることにしたのです。
ただそれだけのことなのに驚くべき変化がありました。
突然、執筆者のレベルが上がったわけではなく、
厳しいルールを作ったわけでもありません。
また、リーダーが「早く提出してください」と
お願いや命令をしたわけでもありません。
ただ「典型的にはこのぐらいのペースでやるものです」
と言う基準を提示しただけ。
これであればプロジェクトリーダーも精神的な負担がないし、
また執筆を担当する人もそれに合わせて段取りを組めば良いので、
お互いにとって作業がしやすくなった事は言うまでもありません。
これは一般の会社内でも同じことが言えるのではないでしょうか。
もし、提出が遅いことが問題になっているのであれば、
その仕事の全工程のタイムスケジュールの基準を決めて、
ワンシートで見える化してみてはどうでしょうか。
依頼する側も、依頼される側も、お互いのストレスが軽減され
スムーズにことが進むかもしれません。
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