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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

給料の決め方は、能力の高さだけではない!能力が高くても給料が低い理由

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2021.12.30 執筆者:和仁 達也

最低賃金の引き上げもあり、給料の決め方を悩む会社は多いようです。

給料を決める時に社員の能力の高さに応じて給料を
上げないと不満が出るのではないか?と考える経営者も多いでしょう。

能力の高さで給料を決める会社もあると思いますが、
実は給料の決め方は能力の高さだけではありません。

能力が高くても給料が低い場合もあります。

え?と思う経営者の方もいるかもしれませんが、
この記事では、その理由を解説しています。

あなたの社員は、自分の給料に対する客観的な目を持っていますか?

適切な基準を持っている人は、「自分はもらい過ぎている」
「自分は少なすぎる」と客観的な判断ができるでしょう。

しかし、多くの社員は「自分の立場を正当化したい」という
主観的な発想にかたよりがちで、客観的な目をもっていないように感じます。

商品やサービスの価格は、提供者の意図と、
需要と供給のバランスで決まります。

提供者側でその開発に掛かったコストや付加価値、そして
市場での普及の見込みなどを考えて、まず価格が設定されます。

そして、それがいくら良いものでも、供給が需要を上回れば、
相対的にその希少価値は低くなり、価格は下がります。

例えば、パソコンや家電などはそれに当てはまります。
逆に、需要が供給を上回れば、一見つまらないように見えるものでも
プレミアで高い価格がつきます。

一昔前に流行した「たまごっち」などは良い例です。

社員の給料もそれに近いものがあります。

「でも、給料は能力の高い、低いに連動するんじゃないですか?」

それは直接給料を決める要因ではありません。

自分の能力が会社でいくらの粗利を生み出すことにつながるかが給料と連動する

たとえば、仮に時給1万円相当の高所得なITエンジニアがいたとします。
その会社では彼の持つ資格や技術、経験にそれだけの希少価値を
見出しているから時給1万円もの給料を払ってくれました。

しかし、その会社が倒産し、突然無職になった彼が
コンビニでバイトをすることになりました。

すると、そのときから彼の時給は900円です。
一瞬で彼の時給は10分の1以下になってしまったわけです。

いくら能力が高くてもコンビニで販売員をやっている限り、時給900円です。

「オレは本当は時給1万円のエンジニアなんだ」といくら主張しても、
それを受け入れてくれるコンビニはゼロです。

つまり、給料は能力だけで決まるのではない。
その能力を発揮して粗利をどれだけ生み出せるかで決まるのです。

また、こんな例もあります。
IT業界で、たまたま会社が追い風だったので某データ-ベースの
知識があるエンジニアが月200万円の給料を受け取っていました。

それだけその会社のサービスには市場優位性があったわけで、
そこのデータ-ベースの専門知識を持つエンジニアは高給で迎えられたのです。

しかし、その彼も競合他社に転職したとたん、
評価は3分の1以下になってしまいました。

その会社では彼の知識やスキルはそれだけの価値しか生み出ださなかったからです。

このことから、ビジネスパーソンは次の質問を常日頃から
自分に対して問いかけておくことが大切です。

 

 1)今、受け取っている給料は実態を伴っているのか?
それとも一時的なバブルであって、正常な状況ではもっと低い給料に
なるべきものなのか?(もしそうなら、今のうちからどんな備えをしておくべきか?)

2)今、自分がやっている仕事は、他の(もっと給料の低い)社員でも
やれる仕事なのか?その場合、いくらまで安くなる可能性があるのか?

3)その仕事が自分でなければならない理由は?
(過去のノウハウの蓄積、スキル、自立性、など)
また、どんな条件が揃ったときに、その仕事は他の人にとって代わられてしまうのか?

つまり、「コンビニのバイトならいくら」「経理スタッフならいくら」
「プログラマーならいくら」というように、仕事の内容によって
ある程度の世間相場というものがあるわけです。

いくら一生懸命働いても、ファーストフードの販売員のバイトを
選択した人は、その瞬間におおよその年間報酬が決まります。

彼が時給1万円を要求することは、よっぽどのハイパーインフレにでも
ならない限りありえないということです。

そして、その世間相場というモノサシを持ちつつ、その上で社長が
トータルで最終的に給料を決めることになります。

そのときの最後の決定の瞬間には「その金額の心地良さ」が存在します。
払うほうも受け取るほうも、「この仕事でこの金額なら、納得だよね」
というラインで決まります。

そして、その心地良さの基準は、決して固定的なものではなく、
お寿司屋さんの「時価」と同じで流動的なものなのです。

「なるほど~。客観的な眼でときどき報酬を見直す必要がある
ことがよくわかりました」

以上、今回は「社員が自分の報酬にどう根拠を持たせるか」についてお話ししました。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎給料の決め方、考え方。世間で言われている目安は本当なのか。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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