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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

社長が資金繰りに振り回されない!コスト削減に走る前に考えておくこと

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2022.01.30 執筆者:和仁 達也

「社長であれば経営の数字をきちんと見ている」
と常識的には思われています。

しかし、20年以上、経営コンサルティングに関わって
わかったことですが、実際は
「経営数字をつかめていない中小企業の社長は多い」ようです。

それはなぜなのでしょうか?

まず一つは、社長自身が会社のお金の流れの全体像を
学んだことがない、ということ。

社長の頭の中で、売上は売上、人件費は人件費、
返済は返済というふうに全部が分断されているため、
がんばれば売上が上がって、
給料もボーナスもちゃんと払えて、
返済も出来るものだと思いこんでいます。

しかし、実際はそんなことはありません。

お金の流れが見えていないため、売上をあげても手元にお金が残らず、
「ボーナスを払うためにまた借金する」みたいな、
おかしなことが起こっています。

体系的な教育を受けていないため、精神論でがんばっているのです。
一時期をしのぐだけならいいのですが、
ずっとそれが続くとたまりませんよね。

そこで、資金繰りが苦しくなると社長は2つの道すじを
模索しはじめます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

【その1】 コストを削れば乗り切れる?

資金繰りが苦しいときに、社長はまずどこに手をつけるでしょうか。

「やっぱり、一番ウエイトが大きい人件費に目が行きます」

そうですね。人件費は一般的に固定費の3分の2から
半分程度を占めますので、そこに目が向くのは当然といえば当然でしょう。

そこで、バッサリとノホホン社員のクビを切ったとします。
確かに一瞬はその人の人件費相当の利益が生まれるかも知れません。

しかし、クビを切ることで何かデメリットはないでしょうか?

もしあるとしたら、どんなデメリットが考えられますか?

「同僚がクビになったのを見て、他の社員の
モチベーションが下がるかも知れません」

たしかに。
「次は我が身か・・・」と余計な心配をする社員がいたり、
「辞めた社員の分の仕事のしわ寄せが自分に回ってきて大変だ」
とマイナス思考で落ち込むこともあります。

ほかにどんなデメリットが考えられますか?

「それまでその社員が担当していた仕事が、
ほかの人で受けきれなくなって、さらに売上が下がるのでは?」

それも要注意です。
社長にとっては働きぶりに不満があって、
いつも決まりきった仕事しかしない社員であっても、
冷静に考えてみると、年間2000万円分の粗利の仕事を
こなしていた、なんてケースも考えられます。

その社員の年収が500万円だとすると、
実はその社員は報酬の4倍の粗利を稼いでいることになるのです。

これは十分に生産性が高い貢献と言えるでしょう。

その社員が生んでいた粗利をちゃんと既存の社員に
引き継ぐことができなければ、あるいは
キャパシティをオーバーしたなら、
500万円の人件費(コスト)が減る以上に、
粗利が減ってしまうことだってありえるのです。

「では、人には手をつけず、それ以外の経費を
削減してはどうでしょうか?」

これは大切なことです。
一度、何にどれだけの支払いをしているのか、
科目ごとに総チェックしてみる価値があります。

とくにこれまで年初に予算立てをきっちりとやらずに
成り行きで拡大してきたような会社であれば、
年初の予算策定のプロセスは、無駄な支出を突き止め、
コストダウンを行なう機会となります。

ただそうは言っても、これもある程度の限界があります。

「水道光熱費の節約のために、マメに電源を切る」とか、
「水の出しっぱなしをしない」とか、
「印刷紙や事務用品を大事に使う」など
地道な努力はいろいろできますが、
収益面では大きな変化は期待できないかも知れません。

(戸締りをしっかり、とかモノを大切にする、という
しつけ的・道徳的な意味では意味があると思いますが)

すると、さしあたって削りやすいところ、すなわち
「広告宣伝費」や「研究開発費」「教育研修費」など、
将来売上を生み出すために先行投資で使う
「戦略費」を削り出すのです。

そのため、その影響が数ヶ月先に現れて、売上がダウンし、
さらにジリ貧になる恐れもあります。

本当に効果の出ない戦略費は中止すべきですが、
売上につながっている戦略費は安易に削減の対象に
すべきではありません。

そう考えていくと、結局のところ
コストダウンを図ろうにも、ある程度の限界がある
ことに気づくのです。

 

【その2】 売上アップの方法がわかれば乗り切れる?

コストダウンだけでは十分ではないらしい。
では、売上アップの方法がわかれば乗り切れるのでしょうか?

「売上アップの方法がわかれば、
それは乗り切れると思いますよ。
だって、売上が増えれば資金繰りの悩みは解決するのですから」

“売上が増えれば、資金繰りの悩みは解決する”

こう信じている社長は非常に多いようです。
しかし、本当にそうでしょうか?

売上アップのノウハウはいくらでも世に出ています。
それなのに、資金繰りに苦しむ会社はあとを絶ちません。
これはなぜでしょうか?

真の問題は「売上アップの方法がわからない」ことではありません。

実は、社長そして社員1人1人が
「いくらの売上をつくれば、必要なお金が手元に残るのか」
を理解していないことが問題なのです。

ためしに周りの社長や社員に
「いくらの売上が必要なんですか?」
と尋ねてみてください。

「多ければ、多いほどいいです」
きっとそんな曖昧な答えが返って来ますから。

それは、言い換えれば
「どれだけ頑張れば良いかがわからない」ことを意味します。

この状態では、仮に目標を設定しても根拠がないので、
説得力がありません。

マラソンにしても山登りにしても、
今、途中経過のどの地点にいるかを知らされるから
「あと●km頑張ろう」と思えるのです。

もし給水スポットや休憩地点で全く進捗度合いが
知らされなければ、頑張りはプツンと切れてしまうのでは
ないでしょうか。

つまり多くの会社では、
①いくらの売上アップが必要か?
②それはなぜ必要か?
の2点が漠然としているので、
社長や社員が目標に向かって本気で行動を起す
きっかけがつかめません。

その結果なかなか目標に焦点が定まらず、
じわじわとジリ貧に向かっていくのです。

だからこそ、根拠のある目標が必要なのです。

根拠とは数字に関していえば、

「人件費やその他の固定費、返済などをすべてまかなうためには、
必要な売上がどれだけか」

ということです。

それがあった上で現状を正しく知ることができれば、
その目標と現状のギャップを嫌でも目の当たりにします。

事実を知ると人は行動します。

たとえば、もし
「今晩、震度6の大地震があなたの自宅付近を100%直撃する」
という信頼できる情報が入ったら、
私は間違いなく荷物をまとめて飛び出します。

また
「当社の主力商品の材料が、品薄で来月から
50%値上げになるらしい」
という情報が入ったら、急いで購買担当者を呼びつけ、
できる限りのまとめ買いを指示するでしょう。

あるべき状態と現状のギャップを全社員が同じように知る
ことができるからこそ、動き出すのです。

そして、自律的に動く組織があってこそ
売上アップをはじめとする様々なノウハウが生きてきます。

ちなみに、目標と現状のギャップの大きさは、
「将来のビジョンの大きさ」によって違ってきます。

ある会社は、明らかに資金繰りに問題があり、
返済を滞らせずお金を回すステージで必死に頑張っていたりします。

またある会社は資金繰りには全く問題はないが、
ビジョンがあまりにも壮大なので、
それに比べると現状が不十分だというステージで
試行錯誤を繰り返しています。

あなたはどのステージの上で経営に取り組んでいますか?

 

なぜ計画や目標を立てるのか?

このような話をする際に、
「計画はきっちり立てるべきか?それとも立てずに進むべきか?」
という議論があります。

実際、有名な上場企業の経営者が
「長期的なビジョンは立てない」
と明言しているケースもあります。

これを言葉だけ鵜呑みに聞いてしまうと、

「そうか、経営する上で計画は必要ないんだ。
自分の直感に従ってやっていけばいいんだ!」

と安直に考えて安心してしまう人がたまにいるのが怖いことです。

この議論は、業種によっても違うし、
どんな組織体か、そして企業体としてどの成長段階にいるのか、
によっても違います。

たとえば、その場その場の状況で全社員が
自立的に考えて動ける組織体になっていれば、
そんなに緻密な長期目標は要らないかもしれません。

また、無借金経営で粗利率が高く、赤字になりにくい企業体、
あるいは天才的な職人が数名で経営している会社であれば、
先の目標を立てなくても臨機応変に対応してやっていける、
というケースもあるでしょう。

でも私は、企業にとって目標は必要だと思っています。

目標を立てて1年で12回、毎月軌道修正を繰り返してきた会社と、
目標もなく場当たり的にやりっぱなしで軌道修正がない会社では、
1年後の結果は違っていて当然だからです。

フリーランサーや実質的に社長一人で運営している
自営業者なら別ですが、社員を抱えている会社で、
目標も明確じゃないままに社員が走って行けるでしょうか?

これは非常に難しいと思います。

目標をはっきり示さないままに社員に「動け、動け」と言っても、
社員はどこに向かって行ったらいいのかわかりません。

目隠しされたまま、走れ、走れと言われている
ような気になってくることでしょう。

「目標が必要ない」という背景の1つに、
「会社は環境の変化に対応して臨機応変に軌道修正をする
必要がある。よって、それを邪魔するような
既成概念のもととなる長期計画は必要ない」

という意見があります。それは確かに一理あります。

ただそれであれば、

「途中で計画の変更はいくらでもありえる」
という前提に、社長と社員が事前に同意した上で
計画を立てれば良いことです。

目標や計画があったほうが、ゴールに到達するイメージが持てます。

この記事は、私も含めた凡人の社長が、
いかにスムーズにゴールに向かって走るか、を考えて書いています。

目標がなくても走れる人は走ってみればいいですが、
それは天才肌の社長であって、そもそもこの記事は
そういう人を対象には書いていません。

有名人の「耳心地の良い」言葉を聞いて安心して
しまっていませんか?

「あんなにすばらしい会社が目標も経営計画も無いのか。
だったらウチと同じじゃないか」と。

たしかに言葉だけ聞くと同じですが、現実には、
「目標はいらない」と言っている会社が、
初めから目標無しでやっていたかどうかをよく見て欲しいのです。

会社の創業期は目標を掲げながら発展してきたのではないでしょうか。

そしてその結果、今では資金繰りに悩まなくてもいいだけの
安定収入が見込めるので、「目標はいらない」と言っているのかも知れません。

もし今、お金に困っているのだったら、
まず現状をきちんと知る必要があります。

さきほどの話に戻りますが、今までの延長上ではなく、
ビジョンに向かって前進しようというエネルギーのいる段階では

「どれだけがんばったらいいのか。なぜがんばる必要があるのか」

という、その根拠が重要です。

例えば東京ディズニーランドの総合プロデュースをされた
堀貞一郎さんから私が学んだことの1つに

「感動を与えようと思ったら、マニュアルを超えることだ」

と言う話があります。

マニュアルは当たり前で、プラスアルファのコミュニケーションや
その場の状況にあわせて機転を利かせた配慮のある行動、
そういうところで感動を与えていくのだという話です。

「じゃあマニュアルは要らないのか?」という人がいますが、
それは違います。

マニュアルは言うまでもなく必要で、
それが十分にこなせているからこそプラスアルファのサービスに
意識が向けられるのです。

必要最低限のことをマニュアルに書くことすら
出来ていなかったら、マニュアルをまずつくりなさい、
という話になります。

そういう基礎的なことを飛ばして、応用編にいくのは、
全然鍛えてない人が、
いきなりオリンピックのマラソン選手と一緒に走るようなもので、
無謀です。

よって、目標や計画をたてることは、
夢を叶える基本的な手段として重要なことだと私は考えています。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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