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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

人はなぜ価格を高いと感じるのか?価格競争に巻き込まれない5つの視点

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2022.08.30 執筆者:和仁 達也

人は商品やサービスを購入しようとする時に、瞬時にその価格を
「高い」「低い」と感じます。

我々は、どのように価格の「高い」「低い」を感じるのでしょうか?
今回の記事では、そのメカニズムをお話しします。

結論から言うと、我々は商品やサービスに対して
“事前期待”を持ち、それと比較して
高いと感じたり、低いと感じたりします。

その商品やサービス自体が高いか低いか、という絶対評価ではなく
比較による相対評価です。

この比較対象には5つあります。

そこで今回は、この5つの比較対象をお伝えします。

この比較対象には、コントロールできるものと
できないものもがあります。

よって、コントロールできないものは諦めて、
コントロールできるものに対して工夫していくことで、
見込み客に高いと感じさせない工夫ができるようになります。

 

価格の高低感を決める5つの要素

次の5つの要素が事前期待を決め、価格の高低感を決めています。

1.相場観

2.過去の価格

3.価値を感じる対象

4.比較対象の盲点

5.投資効果のシナリオ

では、1つずつ見ていきましょう。

1.相場観

相場観とは、

「税理士なら月の顧問料が3〜5万円くらい」
「家庭教師なら時間あたり2000〜2500円くらい」

という、その商品の需要と供給のバランスからおおよそ
決まっている金額のことです。

この相場観は見込み客の頭の中にあるので、なかなか変えにくいところです。

2.過去の価格

例えば、「先月まで5000円だった商品が今月から15000円」
と、突然3倍になったらお客様は納得しないでしょう。

そのお店で「過去はいくらだったのか?」というのは
今の価格の高低を感じる際の、一つの参考値になっています。

3.価値を感じる対象

例えば、競馬に10万円を使えるギャンブル好きな人でも、
その10万円より安い6万円のボールペンを買うのはためらったりします。

競馬の10万円より4万円安いので、経済的には払えないことはないはずですが、
「ボールペンには6万円は払えない」という価値観を持っているのでしょう。

つまり、自分が何に価値を感じているかによって、人は高い低いと感じています。

4.比較対象の盲点

例えば、コンサルタント報酬を何と比べるか、という視点を例にします。

「コンサルタントに月15万円を払うのは高い」と躊躇する社長でも、
新入社員には20万円以上を毎月支払っています。

その新入社員の働きがコンサルタントの働きよりも貢献度が低いにもかかわらず、
幹部社員よりも価値を発揮しているコンサルタントには月15万円を払うことが
なんとなく高いと思っているのです。

良く考えたら、
幹部社員以上の価値を新入社員の20万円の給料よりも低い
15万円で発揮してくれるのなら、本当は割安と言える
のではないでしょうか。

5.投資効果のシナリオ

製造業の社長が1000万円という高額な設備投資を考えているとします。

金額だけを見れば「高い」と感じるものの、
「3年で元が取れて、それ以降10年以上にわたり利益をもたらすことが確実」
であれば、この設備は買いでしょう。

具体的には、その設備が相応の生産能力と耐久性があるのは
もちろんのこと、その設備がもたらす商品の賞味期限が3年以上は
確実で、さらに10年以上保つと高確率で見込めるのであれば
安い買い物と言えるかもしれません。

これが投資効果のシナリオです。

一見、1000万円という金額だけを見れば高額な商品でも、
投資効果を踏まえるとお得な(安い)買い物となります。

このように、どのような視点を持っているかで
事前期待の持ち方が決まり、高い安いという感情が決まります。

 

サービス提供者が価格設定において工夫すべきこと

サービス提供者側が考えたいのは、
お客さんに「高い」と思わせるのではなく、
「お得だ」「安い」と感じさせることです。

上記に述べたように、価格が高いと感じる理由が5つある中で、
サービス提供者にはコントロールできないものが3つあります。

「相場観」「過去の価格」「価値を感じる対象」。

この3つは、相手の相場観は変えられないし、
過去いくらだったという事実は変えられないし、
また、相手の好みは変えられません。

なので、ここは諦めます。

一方で、
4つめの「比較対象の盲点」、
5つ目の「投資効果のシナリオ」は
自分の工夫でできます。

ここにフォーカスしましょう。

この2つを考えたときに、「高い」ではなく、
「お得」だと感じさせるにはどうしたらいいか、の例をお伝えします。

先ほどの例で、競馬で10万円は払えるけど、
6万円のボールペンは払えないという人がいました。

では、6万円のボールペンを買う人は、
本当は何を買っているのでしょうか?

これは信用やブランド、または
セルフイメージが高くなる気持ちを買っています。

例えば、
生命保険や高級車など高額な商品を扱っている営業マンを例に
考えてみましょう。

「商品が一つ売れれば6万円のボールペンの元は簡単に取れる」

とすれば、セルフイメージが上がる効果や、サインをするときに
「立派なボールペンを使っているな!」と見込み客の社長に思わせる効果
に気づいてもらえれば、それは高い買い物ではなくなります。

例えば、ハウスメーカーの営業マンが、
「社長が自宅を建てる際に、当初予算の2倍となる、
豪華で魅力的な家を提案する」としたらどうでしょうか?

社長の自宅となると、様々なキーパーソンを招く可能性があります。

ということは、自宅は人を招く時のショールームとして使えます。

自宅の書斎を快適な場としてつくり込むことで、
社長のクリエティビティが発揮されて、そのアイデアがビジネスに
置き換わった時に大きな利益を生むとなれば、それは投資と言えます。

また、10年経っても居心地良く、テンションが高いままでいられるのか、
3年も経たないうちに飽きてチープに感じてしまうのか。

そう考えると、「今この瞬間は割高と感じる家だけど、10年経っても
テンション高く、誇らしく、快適に過ごせる家になる」のなら、
それは良い買い物かもしれません。

その社長がまだ成長発展が期待できるステージにいるとして、
「今の自分にふさわしい」と感じるレベルの家だったら、
5年経ったらチープに感じて買い替えたくなったとしたら、
「安物買いの銭失い」になってしまいます。

よって、社長の自宅というのは様々な意味合いがあるという
側面を示せると、投資効果的に言えば、当初予算よりも
大幅に上回る提案も可能となります。

このように、「比較対象の盲点」と、「投資効果のシナリオ」で
高い商品をお得だと感じさせる発想が持てたとしたら、
商品が変わっても、全て同じようにアプローチできるでしょう。

あなたの持っている商品を
「何と比べられると、相手はお得だと感じるのか?」
という比較対象の提示。

「どういう発想をすれば元を取れるのか?」
という投資効果のシナリオで考えることによって、

「高い」と感じさせるのではなく、これは「お得(安い)である」と
感じさせることができるでしょう。

みなさんもぜひ、考えてみてはいかがでしょうか。

※この記事の内容をさらに深く学びたい方には、
「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術」
(和仁達也・著 かんき出版)が参考になります。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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