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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

クライアントの投資計画を可視化し、行動目的を具体化できるお金のブロックパズル活用事例

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2022.07.30 執筆者:和仁 達也

キャッシュフローコーチは、クライアントに
経営数字を理解してもらうツールとして
「お金のブロックパズル」を活用しています。

しかし、ただブロックパズルを見せて経営数字を
説明するだけでは、行動に移せない経営者も
多いと思います。

その時にキャッシュフローコーチが行うことは、
その数字の重要性をわからせることではなく、

「クライアントの投資に見合う収支計画を可視化し、
行動する目的を具体的に理解してもらい、
始動できるように同じ景色を見ながら寄り添っていく」

ことが重要になります。

その際に、お金のブロックパズルが同じ景色を見る
手助けになります。

キャッシュフローコーチのみなさんは、
お金のブロックパズルは、経営数字が苦手な経営者にも
わかりやすく説明できるツールとして活用していると思います。

しかし実は、

「お金のブロックパズルは、知識ではなく言語である」

なのです。

そこで今回は、それが実感できるよう、
お金のブロックパズルを活用して、ある歯科医院の
クライアントに寄り添っていく事例をお伝えしていきます。

「スタッフ1人当たりの収支は、いくらが理想的か?」

つまり、

「スタッフがいくら稼げば、いくらまで給料や設備に支払えるか?」

をお金のブロックパズルで表現し、

納得のある売上や集客の目標、
スタッフへの分配予算、
さらには投資計画を立てる、

というお話をします。
(正確さよりも、わかりやすさ優先でいきます!)

ある歯科医院で、新しい自費診療メニューを
始めようと考えました。

もちろんそれをやるためには、
スタッフを入れなければいけない。

そして、チェアも1台、新たに導入する必要がある。

このとき、いくらの価格設定で、
1日に何人の診療をして、
いくらの給料を払えば、
収支は理想的に成り立つのでしょうか?

①集客目標

②スタッフへの分配目標

③設備の投資回収計画

そのすべてを考慮しないと、話は先に進まないわけです。

これを1発で解決する方法をお話しします。

まず、1台のチェアーを使って、
1人のスタッフが、1時間ある診療をしたら、
1万円もらえるメニューがあるとします。

これは、どんな商品でもいいのです。

例えば異業種で言えば、マッサージ。

1時間で1万円するマッサージのメニューがあるのと同じことです。

チェア1台を使って1人のスタッフが1時間で1万円の売上を作ります。

 

スタッフ1人が1時間で、売上をいくら稼ぐと利益はいくら?

診療時間は1日あたり8時間なので、
1日のマックスの売上は8万円です。

月に20日働くとすれば、20掛けて
160万円となります。

そしてその1人がチェア1台で1時間でつくった
売上が1万円、というのを、お金のブロックパズルで
図にするとこうなります。

図に表す単位は千円単位で表示しています。

10の売上、8の粗利、これは歯科医院の
一般的な粗利率が80%だから、という理由です。

80%としたら、粗利は8千円

それで、利益が1千円は出るように
設定するとしましょう。

そうすると7千円の固定費、
そのうち粗利の半分の50%はスタッフに
分配できる、と仮に設定します。
(=労働分配率50%)

すると、その他の固定費は3千円。

つまり、この診療メニューでお客さんが1人くると、
1時間で売上が1万円で、
粗利が8千円で、
医院に利益は1千円残って、
スタッフには4千円払えます、
という理屈です。

これがチェア1台、スタッフ1人の
1時間あたりの収支構造ですね。

次に、これを1か月続けたら、
収支構造はどうなるでしょうか?

 

スタッフ1人が1か月で、売上をいくら稼ぐと利益はいくら?

そこで、月に20日稼働するとしたら、どうなるか。

1日8時間、20日にすると、月160万円の売上になります。

粗利率80%だったら、粗利は128万円になります。

固定費112万、利益は16万円になります。

この時、人件費は粗利の50%なら、
64万円の人件費の予算が取れます。

その他の固定費は48万。

そうなると、1ヶ月あたりの収支はこうなります。

さて。

「この事業がちゃんとフル稼働でまわった場合、
スタッフにいくら分配できるんですか?」

と聞かれたら、この図の中に答えが書いてあります。

月64万円の人件費の予算が取れるので、
年間で768万円。

つまり、
「年収ベースで768万円までなら分配可能」
ということです。

では、その時に利益はいくら出るのか?

利益が月16万円ということは、年間192万円です。

ちなみに、一般的な歯科医院のチェアって、
意外と高いってご存知ですか?

当初、わたしは30万円か40万円くらいかと
思っていましたが、その10倍くらいするのです。

仮に400万円としましょう。

400万円のチェアだったら、年間192万円の利益なら、
2年で回収できるというペースになります。

ここでわかるのは、あくまで仮のざっくりした収支ですが、
チェア1台でスタッフ1人が1時間で1万円の診療メニューが
できたら、フル稼働したとき1日で8万円。

月に売上160万円。

すると、年収で768万円まで分配できる予算は生まれ、
2年でチェアの設備投資を回収できて、それ以降は全て
利益は医院に蓄積されますね。

・・・というのが、まず第一ステップです。

ここまでご理解いただけたでしょうか?

このようなことを院長と話すと、

「これならやれるかも」

という希望が生まれます。

ただし、ちょっと待ってください!

今は、あくまで一般論で試算しています。

そこで、第二ステップです。
次のように院長に話をします。

 

実態にあわせて、さらに数字を正確にしてみよう!

「第二ステップは、もう少し数字を正確にしていきましょう。

今80%に設定した粗利率は、
一般の歯科治療のケースを言っています。

技工物や歯に詰める材料代、金属代などが変動費として
20%かかるので、粗利率は80%です。

今回スタッフにやってもらうメンテナンスの新メニューは、
歯に色々詰めたりしません。

磨いたり、塗ったりはしますが、変動費がもっと
安いです。

つまり、80%じゃなくて、95%くらいの
粗利率になるはずです」

ということが言えます。

すると、スタッフ1人1時間あたりの
収支はこうなります。

さらに、予防専用のチェアだったら、
治療用のチェアのように400万円も必要ありません。

具体的に言うと、200万円くらいのチェアで十分です。

となると、単純にわかりますよね?

もっとスタッフに分配できる原資は生まれるし、
もっと短い期間で投資回収もできることになります。

すると、スタッフ1人の1か月あたりの
収支はこうなります。

ここで終わると、「ますます良いじゃん!」となりますね。

いや、待ってください。まだ喜ばないでください。

次に第三ステップです。

 

現実的な側面から、さらに数字を正確にしてみよう!

次に現実的な側面を確認しましょう。

最初から1日8人フルで埋まることはありますか?

ちゃんと告知活動して、お客さんが価値をわかってくれて、
満席になるまでに、なだらかに徐々に上がっていくのでは
ないでしょうか。

最初はフル稼働で満席でまわった時の話をしていました。

でも現実には、準備期間も計算した方がいいですよね。

そうなると、どのくらいの緩やかさで見ていくと良いか、
考えましょう。

かなり楽観値、
楽観値、
やや楽観値、
やや悲観値、
悲観値、
かなり悲観値

というように、何層にも想定して試算していくと、
だんだんこれがリアリティーを増すわけです。

と、ここまでの思考の流れを、院長に
セルフでやってもらうことって、できそうでしょうか?

ちょっと大変かも知れませんね。

それは、お金のブロックパズルを理解している
だけじゃなく、それを使いこなして計算する
思考回路を持っている必要があるからです。

だからこそ、
そこを熟知しているキャッシュフローコーチが
ナビゲートしながら、

まず、ざっくり試算して、

段階的にリアリティーを増していき、

さらには現実味を帯びたような設定をしていくから

クライアントは話についていけるんじゃないでしょうか。

ここまでが、
歯科医院でチェア1台あたりの収支、
スタッフ1人あたりの収支がいくらか、を
お金のブロックパズルで試算して、

売上目標、集客目標、分配率目標に、設備投資目標が
わかるという話でした。

この説明を、お金のブロックパズルを使わずに
やれるでしょうか?

ちょっと想像してみてください。

数字が苦手というクライアントに今の話を、
お金のブロックパズルなしで説明するのです。

できるでしょうか?

わたしは自信がないです!

冒頭にお伝えしたように、

「お金のブロックパズルは、知識ではなく言語である」

この意味が、おわかりいただけたのではないでしょうか。

つまり、お金のブロックパズルを使うと、
このようなシミュレーションも対話をしながら
簡単にできる、ということです。

判断することはクライアントが自分の意思でできるけど、
その納得の判断をするためのトスを、
ひたすらキャッシュフローコーチが上げている、
ということに気づきますよね?

ここを端折って、いきなり結論だけ言ってしまうのではなくて、

「この数字がこうだったら、利益はこうなりますよ。
ここの数字を変えたらこうなりますよ」

ということを、ちゃんと一緒に寄り添って考えてあげる存在。

これがキャッシュフローコーチです。

このように、経営数字を使って
ビジョンを掲げる社長の本業ど真ん中に貢献したい
という方は、キャッシュフローコーチとしての道を
選択肢に入れてみてはどうでしょうか。

■この記事の内容を、和仁がセミナーで話している動画(8分)はこちらです。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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