上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
忙しくて意思疎通できないときの補助ツール交換“1行”日誌とは?
2020.12.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
職場において忙しくなるとおちいるトラブルの1つが
「報告・連絡・相談がおろそかになって、険悪なムードになる」
ことです。
そこで今回は歯科医院で見かけた実例と対策法をシェアします。
院長は、「昨日指示したことの報告が全然来ない!」と
あるスタッフに対してイライラしていました。
一方、スタッフの言い分を聞くと
「院長が見るからに忙しそうで、タイミングがうまくとれず、
報告を切り出しづらい」
とのこと。さらに、
「院長だって、何の前触れもなく新しいコンピューターを買って、
『これ、使えるように説明書を読んでおいて』って!
何のためのものか、簡単な説明ぐらいしてくれてもいいのに」
と院長に対しても不満がたまっている様子。
お互いに意思疎通がとれない状態が続くと、
院内のムードがどんどん悪くなるのはあなたも経験があるかもしれません。
かと言って、
「まとまった時間でミーティングを開く余裕もない」
「パートスタッフもいるので、全員が集まるタイミングがない」
となると、いったい、どうすればいいのでしょうか?
これは、日々の小さな報告・連絡・相談の
仕組みがないところに問題があります。
そこでトライして欲しい簡単な補助ツールが、
院長とスタッフの「交換“1行”日誌」です。
ある医院では、「○○(医院名)ダイアリー」と名付けて、
診療後に院長から、
「①報告・発表したいこと」
「②注意したいこと」
「③確認したいこと」
を1行で簡潔に記します。
スタッフは全員、翌朝それを読み、
読んだ証拠をサインで残します。
そして、前日の業務内容を振り返り、
「①仕事中に気づいたことや疑問に感じたこと」
「②院長やスタッフに報告しておくこと」
を、やはり1行で簡潔に記します。
それは当然、院長が目を通します。
これを始めたことで、その医院は、
劇的にコミュニケーションがスムーズにまわり始めました。
もちろん、1行コメントだけでは、情報は正確には伝わりません。
ただ、そのダイアリーが引き金となり、
「詳しいことは直接本人に聞こう」
というきっかけを与えてくれているのです。
そして、本当に簡単な報告、たとえば
「クレームのあった患者Aさんには、例の資料を
渡してお詫びしたら、笑顔で対応してもらえた」
ということは、そのダイアリーを読んだスタッフ全員が
一瞬で共有できます。
それが頭に入っていれば、他のスタッフがあとで
「どんな資料を渡したんですか?」
と聞くチャンスも生まれます。
コミュニケーション上の問題は、
大抵は意思疎通不足によるものです。
そんなときは、完璧主義におちいらず、
解決のきっかけを与えてくれる補助ツールを
考えてみてはどうでしょうか。
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