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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

値上げしたいが、客離れが怖くてできない時どうするか?

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2022.09.30 執筆者:和仁 達也

物価の上昇が目立ってきたり、
企業努力で自社の商品サービスの価値が以前より高まったときに、

「ウチも値上げしたい。でも客離れが怖くてできないなあ」

と感じることはありませんか?

値上げをするには、2種類のタイミングがあります。

1つは、「元々の価格が低過ぎたので正常値に戻したい」とき。

もう1つは、「今の時点でも正常値だが、もっと引き上げたい」とき。

前者については、関係者に対して説明がしやすいのですが、
難しいのは後者です。

そこで今回の記事では、後者の
「今の時点でも正常値だが、もっと引き上げたい」時にどう考えれば良いのか?
について、恐れを克服して値上げを決断する秘訣をお伝えします。

値上げできないのには理由があります。
その理由が漠然としたままでは先に進みにくいものです。

そこで、値上げを恐れる7つの理由を紹介します。

 

値上げを恐れる7つの理由

1.自己評価が低いから

2.相場観に縛られていて、批判されるのが怖いから

3.客離れが不安だから

4.値上げによってどれだけ収益が改善するかに気づいていないから

5.値上げする理由をお客様に説明できていないから

6.過剰な期待が怖いから

7.勇気を出せないから

以上が、値上げできない7つの理由です。

あなたが値上げできずにいるとしたら、どれが大きな要因でしょう?

これが特定できれば、それと向き合い、
値上げに一歩踏み出しやすくなるのではないでしょうか?

では、それぞれの具体的な解決策をこれからお伝えしていきます。

 

値上げを恐れる7つの理由と克服法

 

1.自己評価が低いから

自己評価が低い、セルフイメージが低くいから
値上げができない人は少なくありません。

コンサルタントでも、これが理由となって
値上げできない人はたくさんいます。

もう一つは、自己評価が低いということは
自分の商品サービスの価値を客観視
できていない可能性があります。

そんなときは、自社の商品サービスが顧客に
どんな価値をどのくらい提供しているか、を
言語化、数値化してみましょう。

それによって、例えば「月額10万円の報酬で、
会社が活性化して、社員の定着率が良くなり、
月額30万円以上の利益アップにつながる」
のなら、悪い話ではないでしょう。

また、自分と同等レベルの同業者が
もっと高い報酬を受け取っていることもあり得ます。

それをリサーチすることで、自社の
商品サービスの価値を客観視するのも大事です。

2.相場観に縛られていて、批判されるのが怖いから

税理士の顧問相場は3万円から高くても5万円
くらいでしょうか。

そんな中で、「当社は15万円」と言うのは
批判されそうで怖い。

マッサージだと一般的に1時間5〜6千円の中、
「当社は1万円」と言うと、高い言われそう。

いずれも、その金額を提示したい理由があるはずです。

そのマッサージには「特殊な効果がある」
「希少性のあるノウハウを使っている」など、
世間の相場より高い理由があるのでしょう。

その効果、効能、希少性をより明快に言語化し、
その価値を表現することが鍵になります。

そこで、わたしのコンサルタント向けの養成塾では、
「セルフイメージの再構築」をはじめに行います。

具体的には、

「税理士の田中です」から、
「キャッシュフローコーチの田中です」
というように、自分が何者かを再構築していきます。

税理士の世界観から離れて、新しいセルフイメージを確立する。

これを、セルフイメージの再構築と言っています。

3.客離れが不安だから

例えば、あなたの好みのケーキ屋さんが
500円でケーキを売っていました。

そのケーキはとても美味しく好みの味で、
少なくとも月に1回は楽しみに食べていたとします。

あるとき物価の上昇や諸々の理由で、
1割値上がりして550円になります。

そのときにあなたは買うのを辞めますか?

それとも、

「そうか、1割増えるのか」

と残念な思いはあるでしょうが、

「物価の上昇で仕入れも厳しいのだろうし、
このお店がなくなったら困るから、受け入れますよ」

となる可能性はありませんか?

そして、あなたのお客様も同じではありませんか?

もしそれで離れていくのであれば、
あなたの商品、サービスの価値はそれまでだということです。

自分もお客様の立場でイメージしてみましょう。

4.値上げによってどれだけ収益が改善するかに気づいていないから
売上が100、粗利が80、固定費70だと利益が10。

こんな収支構造のお店があったとします。

ここで、10%値上げをし、販売数は変わらないとします。

売上は110、変動費は20なので粗利は90、固定費は70で変わりません。
ということは90の粗利から固定費70を引くので、利益は20になります。

10の利益が20になるので、2倍です。

10%の値上げで利益が2倍、つまり
2年分の利益を1年で作れるなんて、予想していましたか?

 

「値上げって、そんなにインパクトがあるんですね!
そこまでの効果があるのなら、本格的に考えた方が良さそうです」

と思う人もいるでしょう。

値上げによる収益の変化をちゃんとイメージすることは大切です。

ブロックパズルでシミュレーションすると、次の図の通りです。

「10%の値上げで利益が2倍になる」

とは、普通は思わないかもしれません。

それをシミュレーションして図で見せてあげると

「こんなに大きな変化があるのか!やってみよう」

と思えるのですが、多くの人はそのことに気づかず
値上げによる利益の増額のインパクトを過小評価しています。

5.値上げする理由をお客様に説明できていないから
「値上げします」と言って、「え、なんで?」と聞かれると、
「いや、厳しいですから・・・」
というよくわからない説明しかできない。

相手にとっての、お客様目線での説明ができないから、
問題を先送りして値上げしない場合もあります。

これは結構多いと思います。

「物価が上がったから」などは、人のせいにしやすい。

ですが、これは物価が上がった時にしか使えません。

例えば、値上げ分が「みんなが応援したくなる理由で使われる」
のであれば、賛同を得やすいですよね。

例えばレストランなら、次のように。

「うちの契約農家さんを守りたいんです。
今はギリギリでやってもらっているのですが、
より良いものを安定的に出してもらえるようにしたいので、
原価にお金をしっかりかけたい。

そして、その農家さんのこだわりをお客様に
伝えていく工夫と努力を加味して値上げしたいのです」

そう言われたら、「美味しいものを供給してくれるために
必要だったら応援するよ」と言ってくれる人は、
ファン化できていたら、いそうです。

値上げする理由をちゃんと言語化すること。

それは、今のレストランの事例のような
「仕入れ先を守る」ためだったり、
「希少性を訴える」ためなど、
値上げする理由を言語化することが大事です。

6.過剰な期待が怖いから
「値上げするからには、サービスのクオリティが上がるのですよね?」

「(料理なら)味が、今まで以上に美味しくなるのですよね?」

と言われそうです。

コンサルタントなら、今まで月額報酬10万円だったのが
「15万円に値上げさせてください」と言った時に、

「5万円も跳ね上がるというのは、
さぞスゴいコンサルをしてくれるのでしょうね」

と言われそうです。

その期待に応えられる自信がないので値上げしない、
という人もいます。

この対策は価値の説明を丁寧にすることです。
つまり、何が価値なのかをちゃんと言葉にすること。

例えば、
時間の経過で実績を積み、価値が上がっているから
などが一例です。

その場合、
「これから新たに価値を付加する」という話ではなく、
「今の価値に見合う価格がこれ(値上げ後の価格)です」
という意味です。

その場合、「それ以上の過剰な期待をさせない」ことがポイントで、
事前期待のマネジメントが重要です。

なお、これは大前提として、
コンサルタント側にそれだけの報酬を受け取る実力があり、
クライアントにその報酬に見合う成果をもたらすことができる
からこそ提示できるのです。

よってその根拠とシナリオを、例えば

「この価格変更があっても、御社に今後これだけの経済的な効果を
もたらすと考えられるので、決して経営の負担にはならないと考えています」

と示すことができれば、過剰な期待や不安をもたれることなく
値上げも納得してくれるでしょう。

7.勇気を出せないから

値上げをするのが怖いと感じる理由は様々です。

「お客様の反応が分からないから」

「自分自身がどうしたいのかが決め切れないから」

など複数の理由でなかなか踏み出せない場合が多いと思います。

そんな時は、まずは客観的に価格を見てみることが大切です。

例えば、以前次のようなワークをクライアント先で行いました。

「扱っている主要商品を全部リストアップして、
今の値段を書いてみてください。

そして、全て20%アップすると仮定して、
20%アップした金額を横に書いていきましょう。

その金額を見てどう思いますか?

20%くらい上がっても問題ないものもあれば、
20%上がるのはストレスに感じるものもあるでしょう。

その隣に、『今改めて値付けするのであればいくらが理想か』を
書いてみましょう」

というものです。

(1)今の値段、(2)20%アップの値段、(3)理想の値段
を順番に書き出す。

1度、20%アップにした金額を目にすることで、
「もう少しもらってもいいのではないか?」と、
一歩前に踏み出す勇気が得られます。

「ひとまず、20%アップの価格を書いてみる」

「見込み客に言う前に、自分自身にそれを見せてみる」

そうすることで、客観的にお客様が受け入れてくれる価格か
どうかを感じ取ることができるでしょう。

 

値上げを恐れる真の理由は何か?をまずは突き止めよう

ここまで、値上げを恐れる7つの理由と、その克服の方向性を
お伝えしてきました。

もしあなたが本当は値上げをしたいのに躊躇しているのであれば、
その理由は、この7つの中のどれなのか、を突き止めてみましょう。

理由や原因がわかれば、対策が見えてきます。

今まで漠然とした不安から値上げを避けてきたのであれば、
この記事をヒントにはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

※この記事の内容をさらに深く学びたい方には、
「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術」
(和仁達也・著 かんき出版)が参考になります。

 

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎値上げをするのに最終的に必要なものとは?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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