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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

医院を強くする教育投資のススメ スタッフの教育費、どこまで医院で支援する?

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2018.08.29 執筆者:和仁 達也

医院経営をする際に、スタッフの育成は重要になってきますよね。

そこで、スタッフ研修などの教育費をかけている医院も少なくありません。

しかし、この教育費をかけている割には成果を実感できないし….

なかなか積極性がない様にも感じる。

なんだか、医院が負担するのはもったいないのか?

でも、スタッフ教育は大事だしと、ジレンマを抱えている院長も多いのではないでしょうか?

そこで、今日は、スタッフの教育費をどこまで支援すべきなのか?ということをお伝えしたいと思います。


加藤院長は、東京であるマネジメントのセミナーに参加していた。
偶然にも参加者の中に、大学時代の後輩を発見。「夕方、これが終わったら飲みに行こう」と意気投合し、今、加藤院長の行きつけの炉端焼き店で日本酒を酌み交わしている。

「ところで加藤先生のところは、スタッフの教育費って、どこまで医院で負担してあげています?」

後輩の伊藤院長は徳利を傾け、酒を勧めながら尋ねた。

「というのも、先日ウチのスタッフが衛生士向けの研修会に参加したいと申し出てきましてね。せっかくやる気になってくれていることだし、いくらかは医院でも出してあげたいな、と思っているんです。でも、全額医院が負担するっていうのも、なんとなくどうかと思うし・・・」

加藤院長は盃をグイっと飲み干すと、今度は徳利を手に注ぎ返しながら答えた。

「それは、僕も以前いろいろ考えたことがあって、今はよい感じになってきているルールがあるんだ。それを紹介しようか。

まず、スタッフを研修に行かせるのには、2パターンあると思うんだ。1つは、スタッフが自主的に参加を希望するケース。今回の伊藤先生の場合は、こちらだよね。

そしてもう1つは、本当は院長が行きたいんだけど、都合が悪くいけないので、院長の代理でスタッフに情報をもらいに行かせるケース。

ウチの医院では前者の場合、本当なら自分のスキルアップのためだから全額自腹でもいいところを、医院が部分的に負担してあげる、という形にしている。全額自腹はかわいそうだし、それが医院のためになるのなら、医院が負担することはやぶさかじゃないからね」

伊藤院長は質問を投げかけた。

「そこなんですけど、僕はむしろ、全額医院負担でもいいかな、って思っているんですけど、どう思います?」

加藤院長は、首を大きく横に振った。

「いや、僕は経験上、身銭を切らない自己投資は身につかないと思っているんだ。どうしても受け身のスタンスになってしまうからね。

実際、以前はスタッフの研修参加を奨励して、医院が全額を払ってあげていたんだ。でもスタッフは感謝するどころか、それが当たり前みたいな顔をして、医院に還元されなかった。もっとも、そのときは僕も悪かったんだけどね。『どういう意図があって、その研修に行かせてあげているのか?』とか『そこで学んだことを、どう医院で生かしてもらいたいのか?』を何も話さず、やりっぱなしだったからなあ」

「今はちゃんと医院に生かされている手ごたえはあるんですか?」

「うん、今はこんなルールにしているんだ。

●一定の勤務年数を過ぎたスタッフには、年間2万円の教育予算を与える。

●参加したいセミナーがあったら、その予算を使える。ただし、医院が出すのは半額まで。
残りの半額は身銭を切る。2万円を使い切るまでは何回でも参加できる。これは、セミナーだけじゃなく、専門書や雑誌、教材でもOKということにしている。

●セミナーに参加したら、スタッフは2つの義務を果たす。
1つは、院長にA4・1枚で成果報告を提出すること。
もう1つは、他のスタッフの参考になるよう、学んだことを皆にシェアすること。
ミーティングでプレゼンするもよし、教材やテキストをまわし読みするもよし。

実際に教育予算を使い切るスタッフはそんなにいないんだけど、『何かあったら使える』というのは、彼女たちにとって励みになっているみたいだよ」

伊藤院長はうなずきながら聞いていたが、ふと疑問がわいた。

「さっき、院長の代理でスタッフに情報をもらいに行かせるケースもある、と言っていましたよね。その場合も医院負担は半額だけなんですか?」

「あ、いやいや、さすがにその場合はこちらのお願いで行ってもらうわけだから、全額医院が負担するよ。たまたまそれがスタッフ本人が行きたいセミナーだった場合には、それはラッキーだと感じるだろうけど、まあそれはそれでいいんじゃないか。

ちなみに、研修にかかる旅費は、自己都合の場合は自腹で、院長の代理で行ってもらう場合は医院が全額支払うようにしている。ちょっと整理してみようか」

そう言うと、加藤院長はお店の紙ナフキンを取り出して、メモを書き始めた。

「なるほどね~、これだったら医院もスタッフも、お互いに納得感があっていいですね」

伊藤院長は、その紙ナフキンを大事そうに折りたたんでポケットにしまいこむと、「さっそく明日の朝礼でこの話をしてあげよう」と心に決めた。

今回のレッスン

◎スタッフをセミナーなどに派遣することには、次の3つの効果が考えられます。
よって今回の会話を参考にして、医院にとって無理のない範囲で教育の機会を提供していってはいかがでしょうか。
① メンタル面
医院内という「待ち」で「クローズド」な環境に外の風を入れ、マンネリ感を解消し、スタッフの向上心を刺激できる。

② 実利面
参加者を中心に、医院改善のアクションを促すきっかけが得られる。
(院長の押し付け・強制ではなく)

③ 医院の魅力度アップ
スタッフにも患者さんにも、「常に進化して患者さんに還元していく医院」と信頼が高まる。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎スタッフ教育で勉強させる習慣をつけるには?研修教育費にお金をかける前に、考えておきたいこと

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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