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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

利益が出たら節税に走りたくなる院長へ 家計を知らずに経営をするリスクとは?

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2018.08.30 執筆者:和仁 達也

医院経営をして、ようやく利益もしっかり出せる様になってきた。

そこで、利益をしっかり残して行くために相談すると、よく耳にするのが「節税」という言葉。

確かに節税することは経営でも大切だというし、利益が出ているのだから節税はしっかりしておいたほうがいいのかな?

周りの院長も節税対策はやっているよ!と聞くし。

うちもやっぱりやらないといけないのかなぁ。

この様に、利益がで始めると「節税」を考える院長は多いのではないでしょうか?

節税も確かに大切なのですが、その前に知ってほしいことがあります。

それは、あなたの「家計」です。

加藤院長の物語例に節税対策の前に家計を知る大切なことをお伝えしたいと思います。


加藤院長は、このところストレスをかかえていた。
娘の大学受験を来年に控え、塾代をはじめ何かと家計の出費が増えてきたにも関わらず、いったいいくらのお金が出入りしていて、預貯金がいくらあるのか実態がつかめずにいたからだ。

これまで家計のことは、医院の経営とは別モノだからと思い、税理士にもキャッシュフローコーチにも相談してこなかった。しかし、このままほったらかしにするのも気持ちが悪いので、思いきってキャッシュフローコーチの和仁に相談することにした。

「キャッシュフロー経営をやり始めてから、医院のお金の流れはよく見通せるようになったのですが、はずかしながら家計の中身がさっぱり把握できていないんです。これまで妻に任せっぱなしだったのですが、家計簿を付けているわけでもないし、誰も加藤家の財産や家計の収支を把握していない。その上、感覚的にはいつもカツカツ状態で・・・。

子供の成長にあわせてこれから出費は増える一方だし、なんだか不安で。医院と同じように、家計もちゃんと把握していきたいんですが、何から手を付けていいのかわからないんです。」

キャッシュフローコーチは答えた。

「安心してください。家計をわからず歯科医院経営をしているのは、加藤院長だけではありません。むしろ、家計の流れがまったくわからない人が過半数で、わたしがセミナーで全国の院長と接している体感では、8割以上がそうですから」

奥さんが管理していると思い込み、実態は銀行通帳がバラバラで部屋のあちこちに点在し、「年間の入りと出がいくらあるのか?」「預金残高がいくらあるのか?」すらわからないという人たちが、実は大勢を占めている。

キャッシュフローコーチは続けた。

「細かな数字をチェックする前に、少なくとも現状をおおざっぱに把握する意味で、
① 年間の入りと出がいくらか?(そしてそれは黒字かどうか?)
② 預貯金はいくらあるか?(さらに、そこから自宅や車などのローン残高を差し引いた実質資産はいくらか?)

この2点はすぐに確認したいところです。そして、こういうご時勢なので、

③ 安心して生活するのに、最低いくらの生活費が必要か?

も知っておく必要があります。贅沢せずに普通の生活をするのに、月いくらかかるのか、を。」

加藤院長は尋ねた。

「最低必要な生活費というのは、厳密にはじき出したことはないのですが、それはやっぱり必要なんですかねえ?」

「はい。それは、『最低必要生活費』をちゃんと知っていると、医院の売上が減少して現実の生活費がそれを下回った場合に、人は生存本能が目覚めて本気になれるからです。もしそれを知らないままだと、じわじわと火をかけたぬるま湯につかったカエルのように、気がつかないうちに湯で上がってしまいます。つまり、貯金が底を尽き、気がつかないうちに、常に入りよりも出のほうが多い借金体質になってしまうのです。今の日本の財政のようにね」

加藤院長は、「日本の借金が1000兆円近くまで膨れ上がった」と連日のように報じる新聞の記事を思い出した。

「そして、もう1つ知っておくべきは、院長の給料と医院の支出の関係の正しい理解です。歯科医院は個人事業形態が多いので、「所得=院長の給料」と誤解されがちです。そして、そこから税金を払った残りが手取り給料と解釈します。すると、なるべく手取りは増やしたいので、節税に走りたくなり、本当は必要がなかった車や機械をわざわざ買ってしまいます。」

「はい、そういう院長はわたしの周りにもいます。というか、かつてのわたしがそうでした。」

「実はこれは間違いで、個人事業の場合、「所得」から税金と社会保険のほかに、医院の返済を引いた残りが院長の手取り給料なのです。なので、もし税金を減らすことに気を取られて余計な買い物をすると、結果的に院長の給料も減らさざるを得なくなるのです。

つまり資金繰りの悩みから解放されるには、個人事業の場合、
● 「院長の最低必要生活費」<「医院の所得—税金・社会保険—医院の借金」

となっていなくてはなりません。まずそうなっていることを確認してください。
もし、この不等号が逆転していたら、どうすればいいかはおわかりですね?」

「生活費を切り詰めるか、医院の所得を増やすか、ですよね」

加藤院長は、さっそく家計についてもちゃんと把握する初めの一歩を踏み出しはじめた。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎納税のことを考えると痛みを感じる方へ 税金のストレスを減らす意外な発想法。

今回のレッスン

◎ 今の医院と家計のバランスがとれているかを知るために、次の4つを今すぐチェックしてみましょう。

<家計の余裕度チェックポイント>

① 年間の入りと出がいくらか?(そしてそれは黒字かどうか?)
【入り】(     )万円-【出】(     )万円 = (     )万円

②預貯金はいくらあるか?(さらに、そこから自宅や車などのローンを差し引いた実質資産はいくらか?)
【預貯金】(     )万円   【実質資産】(     )万円

③ 安心して生活するのに、1カ月に最低いくらの生活費が必要か?
【月の最低必要生活費】=(     )万円以上

④ 「院長の最低必要生活費」<「医院の所得—税金・社会保険—医院の借金」となっているか?
( YES  ・ NO )

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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