上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
IQとEQのバランスは取れていますか?
2020.10.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり歯科医院
98年に「EQこころの知能指数」(ダニエル・ゴールドマン著)が
出版されてから、ビジネス界にEQという言葉が浸透し始めました。
これは頭脳の知能指数を表すIQ(Intelligence Quotient)の対比として、
「ビジネスでの成功にはそれだけでは不十分で、
こころの知能指数:EQ(Emotional Intelligence Quotient)が重要である」
と説いたものです。
たとえば、難しい資格試験に合格するには、相応のIQが必要です。
しかし、IQが高ければビジネスで成功するかというと、
そうとも限りません。
なぜなら、ビジネスは自分の努力の中で完結する資格試験と違って、
人と人が関わって成り立つからです。
つまり、対同僚、上司、部下、お客さん(患者さん)といった
自分の周りの人たちといかに良い関係を築いていくか、
がビジネスにおいては問われます。
これは、歯科の仕事においても同じですよね。
EQの高いスタッフは、自分の感情を上手に扱い、
患者さんや上司・仲間の気持ちも理解してコミュニケーションを
とるので、そこに快適な場をつくります。
一方、EQの低いスタッフは、自分の感情を上手く扱えず、
時に感情をむき出しにします。また相手の気持ちを
推し量るのも不得手なため、周りを不快な気持ちにしてしまいます。
先日ある歯科医院で、せっかく歯科の知識が豊富で
頭の回転も早いのに、患者さんから受付で
担当替えを要求された衛生士がいました。
理由は、「対応が冷たいから」。
一方的にしゃべるばかりで、患者さんの声を聞く姿勢が
足りなかったようです。
彼女は、IQは高いのですが、EQは低かったのかも知れません。
ちなみにこのIQとEQは、スタッフに努力の方向性を
示す切り口として使えます。
単に「もっと自分を磨きなさい」と言われるよりも
「EQを磨きましょう」と言ったほうが、
感受性を鍛えるのか、頭脳を鍛えるのか、
その方向性を間違えずにすむからです。
ただし、注意が必要。
個別に「あなたはEQを磨きましょう」などと言ってしまうと、
「頭はいいけど、人柄は悪い」みたいな人格否定と
受け止められかねません。
必要以上にショックを与えて落ち込ませてしまいます。
よって、
この話は個別ではなくミーティングなどで全体に向かって話し、
その上で、「自分ではどう思う?」と
自分を客観的に振り返らせるきっかけにする
のがいいでしょう。
IQとEQのバランスは良いでしょうか?
あなたはいかがですか。