上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
「はい」で終わる返答は、返答ではない。
2020.12.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
何か説明された時に「はい」と返事していたので理解していると
思っていたら、全く何も理解していないということは
職場でもよくあるのではないでしょうか。
逆に、はい!と返事しているのに、また返事だけと怒られてしまうとこともあると思います。
「はい」という返事には、様々な意味があると思いますが、
その「はい」という言葉の意味は質問によって変わってきます。
「はい」だけでは相手に詳細は伝わらないことが多いのです。
このような場面は日常でもよくあります。
先日接客はどうあってほしいか、について考える出来事があったので
紹介します。
家族でレストランに行った時のこと。
家族と「ん?」と顔を見合わせる接客を受けました。
一通りの注文をして、料理を待つこと。30分。
私たちのテーブルには料理が届く気配がありません。
娘も「お腹がすいた~」と騒ぎ出し、わたしも
「あとどれだけ待ったらいいのか?」と不安になり、
店員を呼びとめました。
「あの~、すみません、まだ時間、かかりそうですか?」
店員は答えました。
「はい」
「・・・。」
私たち家族は、思わず顔を見合わせてしまいました。
その店員の返答は、わたしのイライラ感を引き出すのに十分でした。
それからしばらく、それをネタに、家族での会話。
「『はい』って何?
せめて、『はい、お待たせして、申し訳ありません』ぐらい、
言ってもいいんじゃない?」
「そうだよね。『もうすぐお持ちできますので』とか
『厨房にどのくらいでお持ちできるか、
確認してきます』とか、言いようがありそうなのに」
「それに、あの表情はないよね。もう少し申し訳なさそうな顔で言われれば、
お店が混んでいるから仕方がないかな、という気にもなるのに。
あんな無表情でぶっきらぼうに、『はい』って。なにそれ?って感じ」
これは、歯科医院においてもよく見られることです。
患者さんが「まだしばらく時間、かかりますか?」と
質問してこられるのは、単に「YES」「NO」を
聞きたいわけではありません。
あとに予定が入っていて、
「あと20分以上待たされるようなら、
アポを変更してもらわないといけない」
と思っているのかも知れません。
患者さんは、
その質問の意図をちゃんと聞き出して欲しいと思っているはず。
その場合の「はい」という返答は、返答になっていません。
相手の様子を見て、
「はい、お待たせして、大変申し訳ありません。
この後、ご予定がおありでしたか?」
とひと言言ってもらえるだけで、気が済むこともあります。
質問した人の言葉に答えるのではなく、
その奥にある意図に対して答えたいものです。
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