上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
仕事が遅い本当の理由って?
2022.03.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
スタッフの中に、
「仕事が遅くて、できればこの人には任せたくないな」
と感じさせる人が1人や2人はいたりするものですが、
みなさんの会社ではいかがですか?
その解決の糸口につながる話を紹介します。
先日、木村歯科(仮名)の木村院長は、
長年務めているベテランスタッフの伊藤さん(仮名)に対して、
ついに雷を落としました。
「年1回の全体ミーティングで使う資料だから
絶対にその前日までに仕上げておくように、
あれだけ言ったのに、『まだ半分も出来ていません』って、
どういうことだ!?」
2週間前に依頼した案件で、2時間あればできる仕事。
どうひいき目に見積もっても3時間あればできる仕事が、
「締め切りの前日でまだほとんどできていない」
とあっては、温厚な木村院長が怒るのも無理はありません。
もしなんらかの事情でやれないなら、
「ここがよくわからないので教えてください」
とか相談なり中間報告があれば、リカバリーもできそうなもの。
何も連絡がないので院長がしびれをきらして
確認してみると、上のような状況でした。
このようなことはこれまでにも何度もあったため、
「なぜ伊藤さんは仕事が遅いのか?」、院長は考えてみました。
パソコンを操作するスキル、タイピングのスキル、
理解する力、どれをとっても人並み以上にある伊藤さん。
いったい、何が問題なのだろう?
そして木村院長は、彼女の動きを観察すること数日、
1つ大きな発見を得ました。それは、
仕事が遅いのではない。
“仕事に取りかかるタイミング”が遅い
ということでした。
木村院長の常識では、
「仕事は依頼されたら即とりかかり、
提出期限の数日前には完成して、
数回練り直しをしてから提出する」
という具合でした。
ところが、伊藤さんの常識では、
「仕事は依頼されたらとりあえず
そのことを心の片隅においといて、
期限に近づいて依頼者から確認されてから
思い出して、一気に片付けるもの」
だったのです。
もちろん伊藤さんは意識して
そう考えているわけではなく、無意識です。
そこで木村院長は、彼女に一言、
こうアドバイスしました。
「仕事は依頼されたら即とりかかりなさい。
そして、提出期限の3日前には仮完成して、
そこから提出日までに可能な限り
見直しと修正を行って、最善のものを出すんだ。
そうすれば、あなたの仕事の価値はさらに引き上がり、
医院における存在価値も格段にアップするからね」
もともと仕事熱心な伊藤さんは課題が具体化し、
仕事が早くなったのは言うまでもありません。