上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
スタッフがキョトン顔になる理由とは?
2022.07.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場着眼点
新しいことを思いついてスタッフに提案したときに、
「いいですね、やりましょう!」という前向きな姿勢ではなく、
「なんで?」という表情(キョトンとした顔)をされた経験はありませんか?
今回はその理由と対策について、歯科医院の事例ストーリーでお伝えします。
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院長が、スタッフミーティングや朝礼で、
「これから新たに○○に取り組もうと思う」
という話をしたとき、スタッフの反応は実にさまざまです。
その典型的なことの1つは、反応がない、というもの。
具体的には「キョトンとした顔をする」ようです。
このようなリアクションをされると、院長の中には、
「うちのスタッフはヤル気がない」
とか
「反応がないからレベルが低い」
と怒りをにじませて不満を口にする人がいます。
たしかにそういうこともあるのでしょうが、
時に別の理由があったりします。
それは、院長の伝え方に理由があります。
前置きなしに、いきなり本論に入るので、スタッフは
「なんで?」と思い、キョトンとしてしまうのです。
つまり、スタッフの頭の中には
クエスチョンマークが浮かんでいる状態です。
院長にしてみれば、
「それを言葉にして尋ねてくれれば、こちらも答えようがあるのに」
と言いたいところですが、そこはまた別の問題として、
「院長とスタッフの精神的距離感が遠い」
ときにはリアクションが起こりにくいようです。
ある院長に「スタッフとの距離感はどんな感じですか?」と尋ねたところ、
しばらく考え込んで
「う~ん、銀河系の彼方くらいの距離です」
と真顔で語ってくれたことがありました。
これは笑い話ではなく、実際にそんな距離感を感じている
院長やスタッフは少なくありません。
なので、距離感の縮め方はまた別の機会にお話しするとして、
今回はこのキョトン顔にならないために、
伝える側が工夫できることを考えてみましょう。
それは、
「相手の頭の中をのぞいて、先読みして、そこにペースを合わせる」
ということです。
たとえば、先週のミーティングで院長が
「今週から個別面談をやるよ」と言っておきながら
ずっと何もないまま、いきなり1週間後のミーティングで
(個別面談ではなく)「スタッフ勉強会を始めようと思う」
なんて言い出したら、スタッフはどう思うでしょうか?
「え、個別面談はどこにいったの?」
「どうせ、打ち上げるだけで、やらないことが多いからな」
と疑問や不信感を感じるかも知れません。
しかし、そんなスタッフの頭の中を先読みしていれば、
「先週のミーティングで個別面談をやると言ったけど、
まず基本的な情報を伝えた後にやった方が効果的だと判断したので、
まず先にスタッフ勉強会をやろうと思う」
と前置きをするはず。
相手がキョトンとしたら、相手の頭の中をのぞいてみる。
つまりイメージとしては、相手の中に入り込んで、
相手の目から世界を眺めてみると、
盲点に気がつくことがあったりします。
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