上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
“やり方”の前に“それをやる意味”を伝えておく。
2022.10.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
スタッフミーティングで、院長やチーフが新しい取り組みをしようと
スタッフに投げかけるシーンをこれまで数多く見てきました。
そして、そのうち過半数はスタッフから反発的なリアクションを受け、
額に汗をかきながら苦しそうに
「なんとかしゃべり切ろうとしている」健気な(!?)
院長やチーフの姿だったりします。
たとえば、院長が
「業務の見える化をしたいので、作業日報をつけましょう。
そのやり方はこの手帳をつかって、こんなフォーマットで、
計画を朝、実績の振り返りを退社前に書きましょう」
と説明している傍から、いかにも抵抗感アリアリの表情で
「そんなの、書くのに時間がかかるから、やるヒマがない」
「患者さんの都合で予定なんてまるっきり変わるから計画をつける意味がない」
「そんなの必要ない」
と反論を口にするスタッフたち。
このようなことが繰り返されると、やがて院長やチーフは
「どうせ言っても、うちのスタッフは反発するだけだ」
とあきらめモードになってしまったりします。
しかし、そのとき反論したスタッフはどんな気持ちだったか、
聞いたことはありますか?
以前、ある医院では、こんな本音を聞かせてくれました。
「院長が提案することは、週末に研修会に参加するたびに
新しいことを言われるのですが、翌週には言うことが
まるっきり変わっていて、以前に指示したことすら
忘れられていたんです。
それが何度も続くうちに、真正直にやっていた自分が
バカバカしくなりました」
「院長が新しい取り組みを指示されるとき、
いつも唐突すぎて、それをやる意味がよくわからないんです。
それをやることで、医院や患者さんがどうなるのか?
そしてそれをやるわたしたちスタッフにどんな意味があるのか?
の説明もなく、『ただ必要だから、やれ』では、
気持ちが入らないんです」
彼女たちの意見を聞いて、
(たしかにそれでは、モチベーションが湧かなくなるのも無理は無いな)
と感じたわたしは、院長にひとつ提案をしました。それは、
「新しい取り組みを提案するときは、
必ず冒頭に大義名分を伝えましょう」
という提案です。
大義名分とは、それをやるに値する意義、理由のことです。
それを取り組むことで、
医院はどうなるのか?
患者さんにはどんなメリットがもたらされるのか?
スタッフにとっては、どんな(プラスの)意味があるのか?
もしスタッフが反論する傾向があるとしたら、
それは単に「それをやる意義、理由がわからないから」
なのかも知れません。
ならば、冒頭にそれを伝えることをクセにしてみてはいかがでしょうか。
やり方と意味づけは2つでセット。
それを徹底することで、スタッフのリアクションが
驚くほど変わります。お試しください。
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