上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
値下げを要求されたときの対処法。
2023.10.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
顧客から値下げを要求された時に、
言われるままに値下げするか、
適切に対応して納得してもらうか。
その違いが、会社の利益に差をもたらし、
長期にわたる発展の可否に影響します。
そこで、歯科医院とコンサル業界を題材に、
その対処法について紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
歯科医院において、自費治療を提案したときに、
患者さんから「高っ!」と驚かれ、
気まずい思いをした院長やスタッフは
少なくありません。
目に見える家具や車と違って、目に見えないサービスに対して
相応の金額を支払うことは、抵抗感のある人はまだまだ少なくないようです。
わたしの本業であるコンサルティング業界でも歯科診療と同じく、
目に見えないからか、初見の見込み客から値切られることがあります。
これも、知名度や一定のブランドがあれば防げるのかも知れませんね。
では、まだ無名のときにはどうするのか?
今回は、コンサル業界の事例をお伝えするので、
「歯科診療とどこが共通するか」を想像しながら読んでみてください。
ポイントは、以下の2つの視点で
「コンサルをその価格で提供している理由」を伝えること。
まず1つは、「どんな付加価値がもたらされるのか?」という説明です。
たとえば、
「これによって離職率が●%低減して、採用費や訓練費が年間●万円下がる効果がある」
とか
「これによって得られた新規顧客から、短期的に●万円、長期的には●万円の粗利が得られる」
という“経済効果”で、
「コンサル報酬の元は十分に取れる」というシナリオを共有できれば、
その価格が決して無茶なものではないことが理解できるでしょう。
ただ、現実的にはそれだけでは
「理屈は理解はできても、感情的に納得はできない」
ことがあるんですよね。
なぜなら、その見込み客には
「そうは言っても、コンサルは仕入れがない商売なんだから、
もっと安くしてくれてもいいんじゃないか!?」
という“感情的な抵抗感”があるからです。
そして、その思いはコンサルタント側にも少なからずあるので、
安易に値引きに応じてしまう人もいるようです。
そこで必要なのが、2つ目の視点で
「このサービスを実際に提供するのが、いかに大変か」
という、サービス提供者にしかわからない大変な側面を伝えることです。
たとえば
「このスキルを習得するには●年以上かかり、
その間、アメリカに毎月通って●万円の授業料を支払い、
●時間を投入して初めて教える資格が得られる」
とか
「このビジネスで成果を出すには、●年にも渡る実務経験から得た
“目利き力”と“人的ネットワーク”が必要。
それを構築するために、時間と労力、お金をこれだけ投入している」
というように。
人は目に見えない相手の背景がわかると、感情的に納得できることがある。
自分と相手の情報量の差をいかにゼロに近づけるか。
そこに知恵を絞ってみてはどうでしょうか。