上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
勤務時間が異なるスタッフ間のスムーズな連携法は?
2023.11.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
最近はオンラインの普及で、場所に拘束されない働き方が
増えてきましたが、お店やクリニックなど勤務する場所が
特定される業態では、対面でのコミュニケーションが有効です。
そんなとき、スタッフの勤務時間が異なることで
意思疎通が上手くできない悩みを聞くことがあります。
そんな時の対処法を、歯科医院を題材に紹介します。
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スタッフが常勤の人ばかりなら、ホウレンソウはその場で
直接口頭で伝えられるので、比較的やりやすいものです。
ところが、午前中のみ、または午後のみ勤務のスタッフがいる場合、
スタッフ間での連絡がちゃんと伝わらず、
業務に支障が出ることがあります。
ある医院では、紙にメモして伝言として残してはいたのですが、
「見たり・見なかったり」「書いたり・書かなかったり」また
「書いていあることがわかりにくかったり」して、
仕事がスムーズにながれず、スタッフ間も小さな衝突を
繰り返していました。
そんなときに、どうすればモレなくスムーズに連絡が行き渡るでしょうか?
1つの方法は、「ホウレンソウの見える化」です。
その医院では、ポストイットとカラーペン、ホワイトボードを
用意して、次の取り組みを始めました。
1)連絡すべきことを、7.5cm四方のポストイットにメモする。
2)そのとき、ペンの色を3種で分ける(患者さんからの連絡は青色、
技工所や銀行ほかの取引会社の連絡は赤色、院内の連絡は黒)。
それによって、パッと見てどこからの連絡かがわかる。
3)ポストイットに書く内容は、
①誰宛のメッセージかがわかるよう名前を入れ、
②本文を書き、
③納期がある内容なら必ずそれを記載し、
④最後に自分の名前を書く、
の4つ。
4)そのポストイットをホワイトボード
(コミュニケーション・ボードと名付ける)に貼る。
5)全スタッフは出社時に、必ずそのボードを見るルールにする。
(ボードはスタッフルームなど、意識せずに自然と目にする場所に設置する)
数ヶ月が経ち、これが定着した結果、その医院では
ユニークな現象が見られました。
それは、言い忘れやモレをなくすため常勤スタッフ同士であっても
ポストイット・メモをボードに貼り合う習慣がついたのです。
その結果、医院全体の連携がスムーズになりました。
メモに書いておけば、
「伝えるまで忘れてはいけない、覚えていなくちゃ」
というストレスが減り、常に頭の中を空っぽにしておける。
それはすなわち、目の前の患者さんの対応に全力投球できる、
ということです。
「忘れてはいけない」ではなく、
「安心して忘れられる仕組み」という逆転の発想ですね。