上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
真面目な人ほど陥る”落とし穴”とは?
2024.02.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
知人のスポーツ・ジムのインストラクターから
「コミュニケーションのとり方」について
気づきのある相談を受けました。
真面目さがアダになって、自分で自分を苦しめることがないように、
今回はそのやりとりをシェアします。
彼からの相談はこうでした。
「来週、常連のお客さん9人とウチのマネジャーとで、
サービス改善のミーティングを、マネジャーの発案と
仕切りでやることになりました。
ただこのまま進めると、
”お客さんから不満が噴出して居心地の悪い空気になって終わり”
みたいになりそうで、不安なんですよね・・・」
ジムを進化させるため、そして新たなレッスン・メニューを
つくるために「お客さんから改善点をもらい、今後に生かそう」
という姿勢はすばらしいことです。
しかしやり方を間違えると、潜伏していた問題点が
噴出して場の空気が悪くなり、
しかも今後のレッスンも気まずくなり、誰も得をしない、
なんてことになるリスクがあります。
そこで、わたしは彼にこう伝えました。
「まず、ミーティングの冒頭に言ってはいけない
禁句ワードがあります。それは、
『問題点を遠慮なく聞かせて欲しい』
です。
素直な方であれば、相手はこちらのリクエスト通りに
リアクションします。
なので、みんな問題点を遠慮なく言い放ちますよ。
お客さんが今まで言わずにいた不満や問題点を、
オブラートに包まずストレートに口にするでしょう。
これから新たなサービスを作ろうという立ち上げ段階で、
そんなダメ出しをマトモに受けて、メンタル的に耐えられますか?
わたしだったら気絶しますよ。
ちなみに、謙虚過ぎて
『忌憚のない意見やダメ出しをください』
なんて言う人もいたりするけど、
これも言っちゃダメですよ(笑)」
「まさに不安に感じていたことが明確になりました」
と聞いて、わたしは1つ提案をしました。
「まず、ミーティングの冒頭に次のような前置きトークをしましょう。
『今日は集まってくださり、ありがとうございます。
当ジムのサービスをさらに進化させるため、そして
みなさんに喜んでもらえる新たなレッスン・メニューを
つくるためのアイデア・ミーティングを始めます。
今日のミーティングは、この場がみんなにとって
心地よいものであるよう、”安心安全ポジティブな場”を
つくることを最優先にします。
なので、『●●がダメだ』とかのダメ出しではなく、
『●●になると楽しい』というように、
今をゼロペースに、さらによりよくなるアイデアを
ブレストしていきたいと思います。
そして、今日みなさんから頂いたアイデアは、
今後のサービスでお返ししたいと思います。
そんな感じでこれから1時間進めますが、
よろしいでしょうか?』」
この話を聞いて、彼は
「もう少しで落とし穴にハマるところでした」
と喜んでくれました。
わたし自身も、真面目な人ほど陥る落とし穴だな、
と1つ大きな発見でした。
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