上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
スタッフに注意点をきちんと理解し覚えてもらうには?
2024.03.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
上司が厳しく指導すると「パワハラ」と言われたりして、
部下指導は難しくなってきました。
そんな中、スタッフに注意点をきちんと理解して覚えてもらう
コツについてお伝えします。
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新人スタッフを採用したときは、医院にとって
新たな習慣を根付かせるチャンスだったりします。
ある歯科医院で、新衛生士を採用したことで、
彼女の教育という場を利用して、既存スタッフにも
大切な注意点について理解を揃える作戦を考えました。
その医院では、日頃から院長が
「こういうときは、もっとこうして欲しいんだけどなぁ・・・」
とストレスを感じることがありました。
たとえば、
「使い切りの滅菌パックを出したら、使っていなくても
次に使い回しをしない」
とか
「薬剤の使用期限が切れていたら、もったいなくても処分する」
などです。
というのは、その医院ではスタッフは、
そういうことに無頓着なのか、あるいは
「もったいない」気持ちが先に出るからなのか、
徹底されていませんでした。
そして、それが院長のイライラの元になっていたのです。
とは言え、「医院のコストダウンのために」という
気持ちがあってのことだとしたら、
頭ごなしに叱ることもためらわれます。
そこで院長は、「新人スタッフへの教育の場」という
カタチを使って、入社後1カ月間だけ、
毎日ランチ後に全スタッフで10分の
ショートミーティングを行うことにしました。
やり方はこんな感じです。
まず院長が予め、
「日頃からイライラを感じるスタッフの振る舞い」を
リストアップしておきます。
それをもとに、ショートミーティングで新人スタッフに
「こんなとき、どうするのが正解だと思うか?またその理由は?」
を問いかけます。
この「理由を自分で考えて、言う」ことがとても重要で、
これが自分の言葉でちゃんと言えるようなら、
スタッフの理解度は本物と言っていいでしょう。
たとえば、
「薬剤の使用期限は守る必要はありますか?また、それはなぜか?」
と尋ねたときに、こう答えたとしたとしましょう。
「使用期限は守る必要があると思います。期限を超えて使ったら、
『5分で固まるはずが10分もかかる』みたいに効果が低減したり、
酷い場合は毒性を持つリスクもあり、
患者さんの不利益につながり、さらには医院の評判を落としかねないからです」
ここまで分かっていれば、
そのルールを実行する可能性は高いと言えるでしょう。
まず新人スタッフに考えてもらい、
次に既存スタッフに問いかけ、最後には院長が正解を教える。
こうやって自分の頭で考えたことは、忘れにくく、
行動につながりやすくなるようです。
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