上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
スタッフが医院の待遇に不満を持つ理由とは?
2024.12.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
自分が勤める会社の待遇が、良いのか悪いのか?
ある面から見ればメリットに見えることが、
別の面から見ればデメリットになることもあり、
この判断は、なかなか難しいところです。
捉え方の問題で社員の不満になるケースもある。
そんな事例を紹介します。
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ある医院でスタッフが次のような不満を訴えました。
「協会けんぽに入っている医院では産休手当がもらえる
らしいのですが、ウチはないのですか?」
つまり、加入しているのが歯科医師国保か、
協会けんぽのような社保かによって、産休手当の有無の差が出るため、
そのデメリットをそのスタッフは指摘しているわけです。
もちろん、実態としてはどちらかが一方的に
メリットがあるというわけではありません。
前者は「産休手当がない代わりに、給与に賞与まで加味した
収入の手取りは増える可能性がある」などのメリットもあるのですから。
(※県によっても扱いが異なるようです。詳しくは
社会保険労務士などの専門家にご相談ください)
院長はそれをわかっているのですが、
スタッフにどう表現すればちゃんと伝わるかがわからないため、
ものごとの片面しか見えていないスタッフにとってみれば、
不満は募るばかり。
特に、出産間際のスタッフから見れば、
その1点にフォーカスしたくなる気持ちもわかります。
それを放置していたら、退職するリスクもあり、
人手不足に悩む医院にとっては頭の痛いところです。
このようなスタッフからの不満の訴えは、
いたるところで見られるのではないでしょうか。
スタッフが医院の待遇に不満を持つ理由は様々です。
「業績不振のため、どれだけ頑張ってもボーナスをもらえない」
「常に残業で帰りが遅い」
など、医院側で対処の余地があるケースもあれば、
上記の事例のように、その事実が問題というよりも、
捉え方の問題で不満になるケースも多々あります。
その原因の一つは、
「院長とスタッフの情報量の不一致によって生じる誤解」
です。
院長とスタッフの情報量を一致させるために、
「何を」
「誰から」
伝えるか。
そこに情報量の一致化の鍵があるように感じます。
お勧めは、
・法的なことや慣習的なこと、世間的な情勢を踏まえた話は専門家から話す
・それを踏まえて、会社の方針は経営者が話す
ことです。
今、スタッフとの間に生じている情報量の不一致点は何か?
一度、考えてみると、思わぬ発見があるかも知れません。
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▶︎問題解決の糸口は、お互いの立場の違いからくる事情を受け入れること。