上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
お客の呼びかけへの店員の“第一声”に注意!
2024.12.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
飲食店だけではないと思いますが、お客様が多くなる時間帯では、沢山のお客様に対応しなければいけない為に、お客様への応対は、ついつい雑になってしまう場合もありますよね。
わたし自身も、意識しながら気をつけているのですが、忙しい時こそ丁寧なコミュニケーションを心がける事で感じ方は大きく変わると思います。
先日改めて感じ、わたし自身も気をつけようと感じる出来事がありました。
飲食店で気になることの一つに、
お客の「すいません」の呼びかけに店員さんが
「少々お待ちください」と即答してどこかへ行くシーンがあります。
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こんなやり取りがありました。
お客「すみませーん」
店員 声をかけたお客の席も見ずに「少々お待ちくださーい」
店員(数分後、やってきて)「はい(無言)」
お客「えっと、唐揚げ定食と生ビール、あと冷奴をお願いします」
店員「(それ以上言うな、と遮るように)少々お待ちくださーい。
(10秒ほど手元の端末を凝視しながら)唐揚げ定食と生ビール、冷奴、
以上でよろしかったでしょうか?」
お客「はい」
店員 お客の顔を見ずに「少々お待ちくださーい」(と言って厨房へ)
その応対は良くある光景なのですが、マニュアル的な言葉だけで、お客様の席の方も見ずに、「少々お待ちください」と言う言葉を投げているのを見ると、無機質な印象を受けてしまい、あまり居心地の良さを感じない気がします。
その上で気になるのが店員の第一声です。
お客が呼び止めているのに対して、
「要求を要求で跳ね返す対応」がどうなんだろう、と。
「少々、お待ちください」って、言葉は丁寧だけど
「待て」と要求しているわけですからね。
基本的に、人は他人に要求されたくないものです(例外あり)。
まず、せめて一言お客側を見て「はい」と受け止めればいいのに、と思う。
「はい、ただ今参ります」と言えば、
「ちゃんと認識してくれた」と分かって、お客は安心するのに。
その後の、店員がオーダーの操作に手間取っている時に言うところ。
一言、「はい、承知しました」と言ってから
「少々お待ちください」と言えばいいのに、
真っ先に「待て」と要求しています。
そして最期のオーダー確認の後の一言。
「ありがとうございます」だけで良くないかな?
おそらくこの店員は「少々、お待ちくださーい」というセリフが
クセになっているのでしょう。
その証拠に、どの場面でも声のトーンが同じです。
「すみません」という言葉は、お礼でもお詫びでも
万能に使えて便利ですが、せめて、接客業で仕事をするのであれば、
もっと人間らしい対応をしてはどうか、と思います。
お客様は神様ではないですし、過剰なサービスは必要ではないと思いますが、ロボットやタブレットで注文するのではなく、人対人での対応が必要な現場では、忙しい時こそ、ほんの一手間をかけて丁寧な人間らしい応対が、今まで以上に必要なのではないかと感じます。
人間らしい仕事とは、「相手を気持ちよくする対応」のこと。
AIに人間の仕事が奪われる心配をする前に、
たとえ買う商品は同じでも「この人から買いたい」と言われる
接客を追求したいものです。
なお、別のお店では店員が
「少々お待ちいただいてよろしいでしょうか?」
とお客様の顔を見て言っているのを聞いて、さすがだなと感じました。
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