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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

売上目標が高過ぎてストレスに感じている人へ。その売上目標を目指す理由は明確ですか?

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2020.12.02 執筆者:和仁 達也

年初に立てた売上目標を1年間を通して目指し続けるのは
エネルギーがいるものです。

そして、その途中でそのモチベーションを保てなくなったとき、
確認しておきたいことを、歯科医院の事例ストーリーに乗せて
お届けします。

加藤院長は、このところ気分が下がり気味だった。

今期に入って前半は気力も体力も充実して、上り調子だったのが、
後半に入って漠然とした不安に襲われることが多くなっていた。

ただ、その理由は自分でもわかっていた。

昨年の売上6000万円に対して、
今年は7800万円と30%アップの、高めの水準を目指してきた。

そして、今期の残り半年を切り、年初に立てた売上目標を
実現できそうなイメージが湧かなくなっていたことが、
気分が下がり気味な理由だ。

「あの時は、あんなに意欲も湧いていたのに、
今は患者さんのクレームやスタッフの退職など思い通りに
いかないことが続き、自信を無くしかけているなあ・・・。」

翌日。

キャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングの冒頭で、
加藤院長はそのモヤモヤ感を打ち明けた。

「目標にそもそも無理があったんでしょうか?
それとも、わたしが単にだらしないだけなんですかね・・・。」

一通り話を聞くと、キャッシュフローコーチは少なからず共感を示し、話し始めた。

「加藤院長、売上にはいくつかの段階があります。
まず、大きくわけて次の2つです。

①医院にお金を回し続けるために絶対達成すべき目標=【必達目標】

②ビジョン実現や成長のため、できることなら達成したい目標=【挑戦目標】

そして、それぞれにさらにいくつかの目標があります。

そこで今回、加藤院長と一緒に考えたいのは、

『今目指している売上目標は、どの段階の目標なのか』

ということ。そして、

『それ以外にも複数の目標をあらかじめ設定しておいてはどうか』

ということです。ここまでは理解いただけますか?」

加藤院長がうなずくのを確認すると、キャッシュフローコーチは続けた。

「①のお金を回し続けるための【必達目標】においては、
次の3段階のレベルがあります。

レベル1は、お金を回すために絶対必要な、ギリギリのレベル。

レベル2は、利益ベースで黒字化し、銀行に対面を保つために
必要なレベル。

レベル3は、キャッシュフローベースで黒字化し、
利益の中から返済がまかなえるレベル。

そして、②のビジョン実現や成長のために目指す
【挑戦目標】においても、医院それぞれにいくつかの段階があります。

ちなみに、加藤院長が今期7800万円を目標にしたのは、
どういう狙いがありましたか?」

手元の資料を確認しながら、加藤院長は答えた。

「えっと、昨年実績の6000万円で【必達目標】の
レベル2はクリアしていたので、今期は7000万円で
レベル3をクリアするので、せっかくならさらにその上の
【挑戦目標】を目指したいと考えていました。

具体的には、チェアを3台から5台に増やし、
ドクターと衛生士を1人ずつ新たに採用し、
数年以内には技工物を中でやれるよう院内ラボを設置して、
技工士も雇うためには、7800万円の売上を
今期でつくっておけば安泰じゃないかと」

その言葉を受けて、
キャッシュフローコーチはホワイトボードに書き出した。

・ 昨年実績6000万円でレベル2はクリア
・ 今期レベル3をクリアするには、6800万円の売上が必要
・さらに【挑戦目標】として次の3つ必要。
1)チェアを3台体制から5台体制に2台増やす
2)ドクターと衛生士を1人ずつ新たに採用する
3)数年以内には技工物を中でやれるよう院内ラボを設置して、技工士も雇う

ここまで書き出すと、キャッシュフローコーチは
加藤院長を振り返り、問いかけた。

「これらを踏まえ、売上目標を3段階にわけて設定するとしたら、
売上目標A、売上目標B、売上目標Cは
どんな感じになりそうでしょうか?」

しばらくの沈黙の後、口を開いた。

「まず、一番低い売上目標Cは、利益の中から返済が
まかなえる6800万円です。

これを実現するだけでも、昨年よりは基準が引きあがって
いるわけですから、悪くはない。

次の売上目標Bは、チェアを1台だけ増やし、
衛生士を一人だけ雇うレベルの、7200万円。

そして、一番高い売上目標Aは、
3つの目標をすべて実現できるレベルの、7800万円。

・・・そうか、こうやって段階的な目標を持っておくと、
目標Aを狙いつつも、仮にその到達が厳しくなってきたとしても、
目標Bや目標CでもOKだって気がつきますね。

そう思えたら、気持ちの焦りが治まってくるのを感じました」

キャッシュフローコーチはうなずきながら、付け加えた。

「そうですよね。目標を決めることは、
到達意欲を高め、工夫をもたらす上でとても大切です。

ただ、1つしかないと、それが到達不可能と思った瞬間に
緊張の糸がプツンと切れて、諦めてしまうことがあるんです。

すると、もう少し頑張ればそこそこのところまでいけたはずなのに、
一気に失速して、売上が激減してしまうこともあって、
とてももったいないですよね。

医院の発展につながり売上をつくる最大の要因は、
院長の志や高い目標達成意欲、向上心
なので、そこを健康的に保つためにも、
目標設定は弾力的にすることをお勧めします」

 

【今回のレッスン】

◎ 目標には、挑戦目標と必達目標があり、さらにその中にも
複数の基準がある。今、自院はどの水準にあり、
次にどの水準を目指しているのか、を自覚的でありたい。

◎ たった1つの目標だと、それが到達不可能と思った瞬間に
緊張の糸が切れる。第二、第三の目標をあらかじめ用意して、
状況に合わせて弾力的に切り替え、
最大のパフォーマンスを発揮できる工夫をしよう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎売上目標の決め方!10分で必達売上目標を算出する7つのステップ

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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