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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

「仕事が増えるだけで収入は増えない」という不満を抱かせないための役職(ポジション)と報酬発生のタイミングとは?

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2020.12.15 執筆者:和仁 達也

新たに設けた役職、たとえばチーフをサポートする
サブチーフという役職をつくったときに、
「そこに手当や報酬をつけるか否か?」
また、「付けるなら、いくらにするか?」は悩むところです。

その考え方についてヒントとなる会話を
歯科医院の実例ストーリーに乗せてお伝えします。

ホワイト歯科では、これまで順調にスタッフも成長し、
それに伴って患者さんの高い支持を得てきた。

それも、チーフ衛生士の鈴木の力によるところが大きかった。

チーフは、患者さんの言葉にならない思いや小さな不満を
すばやくくみ取り、先手を打ってサポートをすることで、
患者さんを医院のファンとして育ててきた。

ところが、チェアを拡張しスタッフも増えていくにしたがって、
チーフの負担が大きくなっていることを加藤院長は懸念していた。

とくに鈴木は2年前に結婚していて、
家庭と仕事の両立もちゃんとさせてあげたいし、
精神的負担を軽減させたい。

また今後、出産となれば少なくとも1年以上は職場から離れることになる。
そのときのための対策も考えなければならない。

そこで、チーフを精神的に支えるサブチーフという
新しいポジションをつくることにした。

サブチーフと言っても、新しくつくる役割なので、
実務的に何を任せる、というわけではない。

チーフが一人で悩みを抱え込むことがないよう、

話を聞き役になってガス抜きの役割や、
必要があれば手助けをしてあげる位置づけ、

という程度に考えていた。

(その役割を担えるのは、誰だろうか?鈴木とも親しくて、
衛生士の中でも年長者の伊藤がいいかもしれないな)

院長はそう判断し、伊藤に意図を伝え、
サブチーフ就任を命じた。

伊藤もその場では快諾してくれたので、そこまではよかった。

ところが数日後、伊藤から

「サブチーフの手当はどうなっていますか?」

という質問を受けて、院長は心がざわついた。

院長は、サブチーフという新たなポジションは、
具体的な業務や責任が発生するわけではなく、当面は
チーフの精神的支えという程度であり、手当の支給は
考えていなかったからだ。

また、院長は

「何か仕事や役割を命じられたら、すぐ手当やお金がもらえる」

という発想にスタッフがなっていることにも強い違和感を感じていた。

この「何か新しい仕事ができれば、すぐお金で還元されるべき」
という連想体系は、患者数や物販の成績に応じて成果報酬を
支払っていたことの弊害なのだろうか。

しかし、もともと給料をもらっているのだから、
その中の業務として捉えるべきなんじゃないのか。

そんな問答を繰り返していた中、
キャッシュフローコーチの和仁が院長室に入ってきた。

今日は月1回の経営ミーティングの日だ。
加藤院長は、さっそくその経緯についてキャッシュフローコーチに伝え、
どう思うかと意見を求めた。

キャッシュフローコーチは答えた。

「たしかに、課長や係長など従来の会社組織で既存の役職であれば、
課長手当や係長手当などが決まっていて、
その分の給料が増えるのが一般的でした。

でも、新たに生まれた役職やポジションは、
そこに就任した時点で報酬が発生するわけではりません。

なぜなら、まだ名前だけで実が伴っておらず、
価値を発揮していないわけですからね。

ところが、ほとんどの社員は、
『役職がついたんだから、給料を増やしてよ』と考えますね。

ここに、経営者と社員の間に認識のズレが生じやすいのです。

なので、新たに生まれた役職にスタッフが就任したときの本質は、

①まず役職につく(その時点ではまだ具体的な仕事はない)
②その役職の立場を活用して、医院の発展に貢献する活動をする
③その活動の結果、経済的&非経済的成果が出た
④上司がその成果を評価できるだけの一定の時間を経た後に、報酬を得る

というように、4段階を経ます。

なので、今回のサブチーフに就任というのは、
まだ①段階に過ぎないんですよね。

よって、話の筋としては、成果が出てから報酬が発生するので、
『チーフになったから給料を増やして』というのは、
会社側の論理からすると筋違いとも言えるんです」

ここまでの話を、院長はうんうんとうなずきながら聞いていた。
キャッシュフローコーチは続けた。

「ただ、問題は、スタッフがそれで納得してくれればいいんですが、
現実的にはそうもいかないですよね?」

院長は苦笑しながら答えた。

「そうです。わたしもまったく同感なのですが、
スタッフの立場になると、『そうは言っても・・・』と
反発されるのが目に浮かびます」

キャッシュフローコーチはうなずきながら話を続けた。

「なので、現実的には次のようにするのも手です。まず、

①役職につくと同時に、少額でいい(これくらいなら払ってもいい
と院長が思えるレベル)のでサブチーフ手当をつける

②その役職の立場を活用して医院の発展に貢献する活動をする

③その活動の結果、経済的&非経済的成果が出た

④上司が半年間の成果を評価して、年2回のボーナス時に
別途報酬をもらえる

というように、報酬をサブチーフ手当とボーナスの
2つに分割して支払う、という方法です。

その場合、サブチーフ手当として、
いくらなら出してもいいって思えますか?」

「そうですね、、、。チーフ手当が月2万5千円なので、
サブチーフは、まずは1万円というところでしょうか」

「了解しました。ということは、
もし1年間を通して振り返ったときに、
『本当は月1万5千円くらい払ってもよかった』
と思えるようなら、月5千円×12ヶ月=6万円を、
ボーナスで還元してあげればいいでしょう。

本人にも、『まずはチーフ手当で1万円がつくけど、
活躍次第ではボーナスで上乗せ還元されるから、
活躍を期待しているよ』と伝えてあげれば、
励みになるのではないでしょうか。

それともう1つ大切なことは、具体的に何をやってもらうか、ですね」

「これは、わたしが具体的に指示すべきですかね?」

「いえ、それも一つの手ではありますが、別のアプローチがあります。

チーフにヒアリングをさせて、
『チーフが今やっていること』をリストアップして、
そこから『サブチーフがサポートできること』を
書き出してもらってはどうでしょう?

その作業を通して、業務内容を理解するだけでなく、
チーフの役割や大変さがサブチーフにも伝わり、一石二鳥ですよ」

院長は自分の負担が増えずに済む開放感もあって、表情がパッと晴れた。

「なるほど!それはいいですね。さっそく、そうするように段取りします」

 

【今回のレッスン】

◎本来の意味での役職手当は、就任したときではなく、
就任して成果を発揮した後に支払われる。つまり、
医院になんらかの経済的&非経済的効果をもたらした中から、
支給されるものである。原資は、自らが生んだ価値の中にあるから。

◎ただ、スタッフの立場からすると、
それは理屈では理解できても、感情的に納得しにくい場合がある。
その折衷案は、毎月の「サブチーフ手当」と年1~2回の
「ボーナスでの還元」の合わせ技という道もある。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎パートスタッフへの不満の出ない役職手当の考え方

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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