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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

「スタッフの生産性」を高める意外な方法とは?

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2021.02.02 執筆者:和仁 達也

業績を伸ばすために必要なことの中に、
「生産性を高める」ことも大切です。

スタッフの生産性を高めることは効率化をはかり、
労働の生産性を上げればいいと思いがちですが、
実は、そことは関係ない意外な方法があるのです。

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ホワイト歯科は開業5年目を迎えた。

他の院長から見れば順調に見える当院も、加藤院長からすれば
まだまだ満足できるレベルではない。

優秀な人を雇っているわりに、
患者数も自費率も、予防メンテナンス比率も、
院長が期待したほどの成果が出ていないと感じていた。

「もっと、生産性が上がってもいいはずだ。
スキルアップの研修も定期的にやっているし、
院長との面談もやっているのに、あと何が足りないのだろうか?」

今月のキャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングでは、
それを議題にとりあげた。

キャッシュフローコーチはしばらく加藤院長の話を聞くと、
ある情報を話し始めた。

「グーグルが2012年から開始した
労働改革プロジェクトの成果が発表されたんです。
その結果がホワイト歯科の生産性アップの
ヒントになると感じたのでシェアしますね。

グーグルでは、様々な業務に携わる数百のチームがあって、
その中には生産性の高いチームとそうでないチームがあって、
その違いが出る理由を、組織心理学や社会学の専門家まで雇って
様々な角度から分析したそうです。

ご存知の通り、グーグルは分析に関しては超一流ですから、
その結果は多くの企業や医療機関にとっても参考になると思うんですね」

加藤院長は、それはそうだろう、という表情で興味深くうなずいた。

「それで、分析の対象でとくに重要視したのは
“チームーワーク”だったそうです。

多くの仕事は一人でなんとかなるものではなく、
チームアプローチが必要になっていますから、そこは歯科医療も同じですよね。

それで、

「チームメイトとの社外での交流の状態」
「食事を一緒にとる頻度」
「学歴の共通性」
「外交的な人を集めるか、内向的な人同士がいいか」
「同じ趣味があるか」

など、様々な観察をしたのですが、
そこに成果につながるパターンは見出せなかったそうです。

つまり「チーム編成と労働生産性」の間には、
ほとんど相関性がない、と考えたんです。

そこで次に着目したのが、
チームのメンバーが従っている「規範」に鍵があるのでは、
ということでした。

規範とは、チーム内で共有する暗黙のルールや行動基準、
文化のようなものです。

たとえば、
仕事中に雑談や私語をするチームと私語厳禁のチームの違い、
みたいな感じです。

ところが、そこにも成功するチームに共通するパターンは
見出せなかったんです。

それで唯一、共通パターンとして浮かび上がったのは、
「働き方」に関するものではなく、
「成功の法則性」に関するもので、成功するチームは
何をやっても上手くいくし、失敗するチームは何をやってもダメだ、
というパターンでした」

「え!それを言っちゃ、元も子もないでしょ!?(笑)」

加藤院長は、思わず口を挟んだ。
キャッシュフローコーチは笑いながら続けた。

「ですよね(笑)。それじゃあ、単に優秀な人を集めれば
いいのかって話しになりますからね。

ところが、そうじゃないみたいなんです。

と言うのも、グーグルのチーム編成は
一人が複数の業務を持っていて、複数のチームに
所属しているんです。

それで、メンバーの大多数が重複する2つのチームが
生まれることもあるのですが、
なんと片方のチームは生産性が高くて、片方は低い、
なんてことがあるんだそうです。

メンバーの優秀さが決め手だったら、
メンバーが重複しているんだから、
どちらのチームも生産性は高いはずですよね?」

「たしかにそれは不思議ですね・・・。
では、一体何が鍵になるんですか?」

「それでさらに集団心理学に関する学術論文などを
調べて浮かび上がってきたのは、

『他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感』
などのメンタルの重要性だったそうです。

つまり成功グループは、その点がとてもうまくいっていたと。

たとえば、一つのチーム内で誰か一人だけが
しゃべりまくって、他のチームメンバーがほとんど
黙っているチームは失敗するし、

逆に、途中で遮られるかどうかは別として、
チームメンバー全員がほぼ同じ時間だけ発言する
チームは成功するというのです。

それも、そういう決まりを押し付けるのではなく、
自然にそうなる雰囲気がチーム内で醸成されることが重要
なんだそうです」

院長は口を挟んだ。

「それって、和仁さんがよく言う、
“安心安全ポジティブな場”をつくるっていう話しに通じますか?」

キャッシュフローコーチは我が意を得たり、という表情でうなずいた。

「そうです!
『こんなことを言ったら、バカにされないか?』とか
『叱られないか?批判されないか?』という不安を
チームメンバーから払拭する。

これを心理学の専門用語で『心理的安全性』と言うらしいんですが、
“本来の自分でいられるかどうか”
“安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうか”、
が生産性の高いチームをつくるための鍵なんですって」

加藤院長は腕を組んで、思わず唸った。

「なるほど、たしかにウチの医院でも、
能力の高いメンバーが集まっている割に、
発言する人は決まっているし、
あとの人は受け身で聞いているだけ。

それは
『こんなことを言ったら、バカにされるんじゃないか?』
という不安が原因のような気がします。

院長とスタッフの面談はやっているので
院長・スタッフ間の精神的な距離感は悪くはないと
思うんですが、スタッフ同士の精神的な距離感は、
もしかするとかなり遠いかも知れないです」

キャッシュフローコーチはにっこり微笑んで答えた。

「なるほど、ホワイト歯科が次のステージに向かう鍵は、
そこにありそうですね。

では、今日の午後のミーティングでは、
『スタッフ同士の精神的距離感を縮めて、
さらに安心安全ポジティブな場をつくる
ために何ができるか?』
を考えていきましょう!」

※今回の内容は、現代ビジネス2016年3月10日
小林雅一氏の「グーグルが突きとめた!
社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ」を元にして構成しています。

 

【今回のレッスン】

◎ 一つのチーム内で誰か一人だけがしゃべりまくるのではなく、
チームメンバー全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは
生産性が上がる。

そういう決まりを押し付けるのではなく、自然にそうなる
雰囲気がチーム内で醸成される工夫をしよう。

◎ 何を言っても、批判されない、叱られない、
「安心安全ポジティブな場づくり」により、
本来の自分でいられることが、スタッフの能力を
最大限に引き出す秘訣であり、生産性アップの秘訣である。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

 

▶︎組織の生産性を最大化する“安心安全ポジティブな場づくり”の大切さとは?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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