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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

スタッフに当事者意識をもって仕事をしてもらうために「どこまでが”当院の仕事”か?」を定義する

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2021.03.02 執筆者:和仁 達也

当事者意識を持たせるためにはどうすればいいのだろう?

これは経営者や上司なら誰しも思うことではないでしょうか?

運営するために必要な仕事を支持しているのに
なかなか思ったように動いてくれないという
不満を経営者は抱えています。

一方スタッフは自分の仕事ではないことまでやらされている!
と不満を抱えている場合があります。

なぜ、そのような状況になってしまうのでしょうか。

この記事では、「当事者意識をもってもらえない理由」と
当事者意識を持って仕事をするためにはどのような
考え方を持てばいいのかを解説しています。

————————————————————

今日はキャッシュフローコーチの和仁を交えて、
月に一度のホワイト歯科の定例ミーティング。

加藤院長はこのところ気にかかっていたテーマを
取り上げることにした。

「スタッフにもっと当事者意識をもって仕事を
してもらうには、どうすればいいでしょうか?

というのは、ウチのスタッフは診療はきちんと
やってくれているのですが、それ以外の管理業務が
おざなりになりがちなんです。

先日も、患者さんの来院履歴をデータで残すよう指示を出し、
その書き方のサンプルを渡したんですが、
1週間もしないうちに、やらなくなってしまう。

また別の業務でも、たとえば患者さんに治療後に記入を
お願いしている「感想シート」を、いつの間にか渡さなくなっていたり」

キャッシュフローコーチはうなずきながら、
いくつかの質問を投げかけた。

「加藤院長、ひとつ確認したいのですが、
彼女たちはそれらの業務をやることに
反発心や不安を感じている、ということはありませんか?

たとえば、
『そんなことは自分たちの仕事ではない』とか、
『患者さんにアンケートに、自分の都合の悪いことを
書かれたら嫌だ』という思いがブレーキになってはいませんか?

というのは、スタッフがやるべき業務をしない場合には、
2つの要因があるからです。

1つは、『それをやる動機が不明確だから』。
これは動機を明らかにして、それをやる意義を強める
(=アクセルを踏み込む)ことが必要です。

もう1つは、『それをやることが不利益につながるから』。
これは、不利益を取り除く(=ブレーキを解除する)
ことが必要です。

その意味で、まず後者の
『ブレーキになっていることはないか』を確認したいんですが」

加藤院長は、キャッシュフローコーチの意図を理解すると、
考えながら答え始めた。

「はい、以前はブレーキになることが多かったと思います。
と同時に、アクセルも弱かったので、採用面接の際に、

『当院では、よその歯科医院ではやらない業務もやります。
それは医院を発展させるために必要だからです』

と予告をし、それでOKだという人を採用するようにしました。

その甲斐あって、今ではわたしが診療以外の仕事を依頼したり、
会議で提唱しても、あからさまな反発はなくなってきました。

なので、ブレーキになっていることはないと思いますが、
それをなぜやらなきゃいけないか、の動機づけは
十分とは言えない気がします。
ちゃんと伝えてはいるつもりなんですが・・・」

加藤院長は苦笑いしながら頭をかいた。
状況を飲み込んだキャッシュフローコーチは別の質問をした。

「院長、スタッフに次の質問をしたら、
どんな答えが返ってきそうですか?

『どこまでが”当院にとっての仕事”だろうか?』

ある医院の事例ですが、そこではスタッフは

①診療行為、
②準備と後片付け、
③清掃、
④お金の管理

の4つが仕事だと捉えていました。

なので、それ以外のことを院長がスタッフに依頼すると、
それはすべて”その他のオマケの業務”と位置付けされ、
『やれたらやるけど、忙しかったらやらない』レベルの
優先順位の低い業務とされていました。

たとえば、
『患者さんの声を積極的に集めて、ホームページで発信する業務』
などは、そんな扱いなので、やったりやらなかったりして、
いつの間にか消滅していました。

ところが、その業務は院長にとっては
”その他のオマケの業務”などではなく、
治療やその他の業務と同列で語るべき重要な業務でした。

なぜなら、それは『患者さんを集める行為=集患対策』
であり、医院を永続させる上で重要だからです。

そこで、その医院では、当院にとっての
”仕事の範囲”を再定義することにしたんです。

ホワイトボードにレーダーチャートを描きながら、ね」

キャッシュフローコーチは2つのマルを描き始めた。

「この図を見せながら、このように説明します。

『今までは左のレーダーチャートのような配分で
仕事をとらえていたけど、
本来は右のレーダーチャートのように当院はとらえている。

つまり、いつの間にかうやむやに消えてしまっていた業務は、
わたしの意図がちゃんとみんなに伝わっていなかった
こともあって、”その他のオマケの業務”みたいに
受け取っていた人もいたと思う。

しかし、実際はそうではなく、
医院の存続に大きく影響する重要な業務なんです』

と。

”その他のオマケの業務”ではなく、
”患者さんを集める集患対策”というように、
ちゃんと業務に正しい名前をつけること、
そしてその配分の比較対比をすること。

それによって、
院長とスタッフの認識のボタンの掛け違いが直り、
同じテーブルで会話ができるようになりました。
この事例は参考になりますか?」

 

加藤院長は大きくうなずいた。

「まさに、いまのウチの状況、そのままです。
なるほど、同じ景色を見ていても、
院長とスタッフでは、違った景色に見えているわけですね・・・。」

診療機関である歯科医院にとって、
診療行為が最も重要な行為であることは間違いない。

ただ、それは「患者さんが来院し続けてくれている」
ことが前提での話。

歯科医院が増え、供給過剰感のある今、
「患者さんが来院してくれるための対策」は、
治療と同等の価値ある行為である。

なぜなら、患者さんが来院してくれなければ、
治療そのものができないのだから。

加藤院長は、その認識をスタッフと共有することが
抜け落ちていたことに気づかされた。

 

【今回のレッスン】

◎診療機関である歯科医院にとって、
診療行為が最も重要な行為であることは間違いない。

◎ただ、それは「患者さんが来院し続けてくれている」
ことが前提での話。歯科医院が増え、供給過剰感のある今、
「患者さんが来院してくれるための対策」は、
治療と同等の価値ある行為である。
なぜなら、患者さんが来院してくれなければ、
治療そのものができないのだから。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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