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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

本業と異なる新規事業を始めたくなったらチェックしたい5つのポイント

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2022.09.15 執筆者:和仁 達也

 
チャレンジ精神が豊富な経営者の多くは、
本業がうまくいくと別の分野にも進出したい欲求が芽生えます。

そして新しい事業を始めるのですが、それが結果的に
本業の足を引っ張ることもあるので、注意が必要です。

今回の記事では、歯科医院を成功させた院長が
別の事業に着手するか否か、納得の判断をする経緯を
ストーリー形式で紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加藤院長は、同窓会で久しぶりに再会した松本院長と、
「お互いの近況報告をしよう」と意気投合し、
行きつけのバーで二人だけの二次会を楽しんでいた。

開業5年目を迎える松本院長の歯科医院は順調の様子。

そんな中、成長意欲の塊のような松本院長は
「新しい挑戦をしたい」と考えていることを打ち明けた。

 
「実は、古くからの友人が飲食店をやっていて、
そこが好調なので2店舗目をやりたいらしいんだ。

それで、僕が歯科医院を順調にまわしているマネジメント力に
目をつけて、『その2店舗目を任せたい』って言っているんだよね」

 
詳しく聞くと、地元では超人気店のようで、
これまで熱烈な常連客に支持されて、予約も取れない状況。

そのため、規模拡張のため近くに2店舗目を出したいとのこと。

すでに物件も仮押さえしていて、そこを任せられる人を
探していたタイミングだった。

一方で、本業の歯科医院が軌道に乗り、生来の成長欲求が
満たされない状況にあった松本院長としては、

「この有り余るエネルギーの投入先は、これだ!」

と感じているらしい。

 
「でも、飲食店って歯科とはまったくジャンルが違うよね?
それに、勤務医やスタッフが育っているとは言え、
院長が診療を空けて、料理をしているわけにはいかないでしょ?」

 
やや心配そうな表情で尋ねる加藤院長の質問を受け、
松本院長は残りのビールをぐいっと飲み干して、
マスターにお代わりをしながら答えた。

 
「さすがに僕は料理はしないよ(笑)。
シェフとスタッフを雇って、1号店のコンセプトに沿って
店づくりとオペレーションを回すのが役割なんだ。
言ってみれば、フランチャイズに加盟するみたいな感じだな。

7割方、やろうと思っているんだけど、何か見落としている点が
あるんじゃないか、とも感じていて。どう思う?」

(う~ん、うまく言葉にできないけど、何かひっかかるな。
とは言え、元同級生のわたしが止めても耳を貸さない気もするし・・・。
あっ!そうだ、専門家の力を借りてみよう)

 
そんなことを思いながら、提案を持ちかけた。

「実は来週、ウチの医院経営を見てもらっているコンサルタントが来て、
ミーティングがあるんだ。よかったら少し時間をとってもらうから、
そこで話を聞いてもらったらどうかな?」

思いがけない提案に感謝し、
「それは助かるな、ぜひお願いしたい」と松本院長は即答した。

ミーティング当日。キャッシュフローコーチの和仁は、
松本院長の話を一通り聞くと、いくつかの質問を投げかけた。

その質問の1つ1つは、まさに

「新しい挑戦をする際に、あとで後悔しない
ために重要な着眼点でもあるな」

と感じた加藤院長は、忘れないよう手帳に書き留めていった。

 
「まず、本業の歯科医院のお金の収支はどうなっていますか?」

お金のブロックパズルを描きながら、数字を入れていく。
十分な売上、粗利、利益があり、スタッフへの報酬も
相場以上に支払っていて不満もなさそう。

借金は多少あるものの手持ちの現金で支払える範囲なので、
実質無借金と言える。

勤務医やチーフクラスの歯科衛生士もしっかり育っているので、
院長が学会発表や研修受講などで不在でも、
問題なく医院は回っているようだ。

 
ひとまずお金の心配はないことがわかると、
キャッシュフローコーチは次に「エネルギーの分散」に着目して質問を続けた。

「その飲食店の事業を始めると、そちらに時間と情熱を
注ぐことになりますね。それは医院に注いでいたエネルギーが
分散することを意味すると思います。

一般的に、『副業に着手したら、本業がおろそかになり、
どちらも上手くいかなかった』なんてケースはよくあります。

なので、そうならないために、それを踏まえて、質問しますね」

 

 

①そもそも、その飲食店を新規事業として
「あなたが」やりたい理由は何か?

②それが「今であるべき」理由は何か?

③その挑戦を実行したら、院長の1週間の
 時間の使い方はどうなるか?
 (例えば、「毎日3時間は新規事業に使うので、
 実質的に週に2日相当は投入することになる」等)

④10年スパンでシミュレーションしたとき、
 どんな景色が想像できるか?
 (歯科医院はどうなっていて、飲食店はどうなっているか?)

⑤新規事業をやった場合に、考えられる
 メリットとデメリットはそれぞれ何か?

 

ここまでの質問に答えて行く中で、松本院長の気持ちに
変化が見られた。

「やりたい思いはあるものの、一方で躊躇している自分の本心に気づいた」

とのこと。

その理由の1つは、妻が出産を来年に控えていることだった。
妻は仕事にはノータッチなので気にしていなかったが、
子供が生まれれば、自分が今まで通りのペースで仕事ができる保証はない。

妻の実家は遠く、身近に頼りにできる人も少ない環境で、
夫としてケアする必要はあるだろう。

もう1つは、「自分が飲食店をやりたい理由」への気づきだった。

本心は「飲食店がやりたい」のではなく、
「歯科医院の経営を通して得た、“人を育てるノウハウ”を、
別の分野でも試してみたい」ということだった。

だとしたら、それを表現する場として、
飲食店である必要が本当にあるのか?

また、出産を間近に控えた今のタイミングであるべきか?

今は医院で活躍してくれている勤務医も、
将来は独立するものも出てくるだろう。

 
ならば、彼らが独立した後にもゆるやかに連携して、
サポートしあえる仕組みをつくったり、
結婚や出産で退職したスタッフが、復職しやすい仕組み
を整備したり、さらにはスタッフがスタッフを育てられるよう、
「人を育てるノウハウの“再現性”」をブラッシュアップ
したり、と「今」「わたしが」やるべきことは、
もっと身近にあるのではないか?

第三者の専門家との対話を通して、松本院長は
どうやら自分の本心に気づき、納得の結論を導き出せたようだ。

加藤院長の顔を見て、うなずく表情がそれを物語っていた。

 

【今回のレッスン】

◎成長意欲の高い人は、本業が一定の成功を見ると、
 新しいことをやりたくなる。

◎その新しい挑戦が見つかったときに、本当に
 「今」「わたしが」やることなのか、を確認しよう。

◎具体的には本文中の5つの質問の答えを、
 紙に書き出しながら自分と対話する。
 あるいは、信頼できる第三者との対話を通して、
 視野を広く時間軸を長くもって、俯瞰することで、
 納得の結論を見出すことができる。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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