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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

メインターゲットを絞り込む意味とは? スタッフの理解を得るためにも意味の言語化が必要。

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2024.02.15 執筆者:和仁 達也

 
顧客の属性を絞り込むことで、どんなメリットがあるでしょうか?
「選ばれる理由が明確になり、宣伝しやすくなる」以外にも
多面的な意味があります。

それを言語化できると、スタッフの理解と協力も得やすくなり、
実行がスムーズになります。

今回は歯科医院を題材とした事例ストーリーを紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加藤院長は院長室で、今後の医院の方向性について考えていた。
開業以来、持ち前の聞き上手で親身なスタンスが評判を呼び、
口コミで子育て中の女性患者に人気を博してきた。

そして院長は50代が目前となり、残りの現役生活を
自分の得意分野で活躍したいと言う思いが強くなってきた。

そこで、30代後半からの子育て中の女性患者を
メインターゲットとした医院づくり目指したいと考え始めた。

その際に課題は、
「いかにスタッフにその方向性に納得してもらい、一丸となってもらうか?」
だった。

そこで、キャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングでは
そのことを議題に取り上げた。

キャッシュフローコーチは事情を理解すると早速質問を投げかけた。

「なるほど、加藤院長としては、これまで高い評価を得ている
30代後半からの子育て女性を中心とした歯科医院を構築したい
ということですね。

そして、スタッフにその意味や狙いを理解してもらい、
納得して協力してもらいたいと。そうすると、まず考えたいことは
『そこに対象を絞ることで、どんな意味やメリットがあるか』
を言語化したいですね。そのあたりは、どうお考えですか?」

院長は今まで感覚的にとらえていたことを言葉にすべく、
しばらく考えながら答えた

「まず、対象が特定されれば、似たような症状の割合が増えると思います。
つまり、専門性が高くて頻度の高い診療メニューに特化できる
思うんですよね。これは医院の強みをさらに伸ばし、
無駄を省くことにつながるのではないでしょうか」

キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「確かにそこは重要なポイントですね。まず、

①スタッフが学ぶことや訓練することが絞り込まれるので、
専門性が高いサービスをしやすくなります。

やはり限られた時間の中であれもこれも全てに対応するより、
ある特定の範囲内で深めた方が高度な知識やスキルは身に付きますからね。

また、
②診療メニューが特化されることで、薬や材料等の在庫は
最小化されます。つまりコストダウンの効果がありますね」

加藤院長は「そうそう!」と相槌を打ちながら話を続けた。

「まさに、医院のレベルを高めると同時に、
無駄がなくなり効率が上がる気がするんです」

キャッシュフローコーチは、他にはどんな意味や
メリットがあるかを問いかけた。

「今でも既にそのような傾向がありますが、
③同じ子育て中の女性が紹介によって集まりやすくなると思います。
類は友を呼びますからね」

「それは大きいですね。特に、同じ立場の人だからこそ
共感できる悩みや背景をわかってくれている人からの
紹介と言うのは、説得力があります。

また、それを理解してくれているドクターやスタッフが
診てくれるというのは、患者さんとしても心強いですからね」

 
キャッシュフローコーチはここまでの会話をホワイトボードにまとめた。

対象を30代後半からの子育て中の女性に設定する意味とメリットとは、
一言で言うと

「専門的で頻度が高い診療メニューに特化でき、
患者さんにさらに喜んでもらえる」こと。

 
具体的には、次の通り。

①スタッフが(限られた時間の中で)学ぶべき知識や習得すべき
 スキルが絞り込まれるので、さらに専門性の高い診療ができるようになる。
②診療メニューが特化されることで、薬や材料等の在庫は最小化され、
 コストダウンの効果がある。
③同じ立場の人が紹介によって集まりやすくなる。

 

キャッシュフローコーチは質問を追加した。

「最後に、“正当性”という視点から1つ質問です。
なぜ、対象となる患者さんは他ではなくホワイト歯科、
あるいや加藤院長に診てもらった方がいいのでしょうか?
加藤院長が30代後半の子育て中の女性を診療するのに
ふさわしい理由は何でしょうか?」

ホワイトボードをしばらく眺めながら、加藤院長は答えた。

「2つあると思います。

1つは、これまで子育て特有の悩みを数多く聞いてきました。
なので、自分のことしか情報がない患者さんも他の同様の
ケースを知れて『自分だけじゃないんだ』って知れて
安心できるようです。

またもう1つは、そもそも思い通りにいかないことが多くて
ストレスを抱えていて、話をちゃんと聞いてもらいたい欲求が強く、
また不安も抱えています。

私の性格上、人の話をじっくり聞くのが全く苦にならず、
むしろ好きなので、その姿勢が喜ばれている実感があります。

なので、相性が良いと思うんです。

これを今までは特に表には打ち出してきませんでした。
50代を迎えるにあたり、そろそろその蓄積した強みを
より強調して活かすときが来たと考えたんです。

こうやってお話をしながら考えが整理できて、
より一層、その思いが強くなりました!」

 
「すばらしいですね!対象者を絞り込む意味やメリット、
そして正当性が言語化されたことで、スタッフさんの
共感や理解が得られると同時に、患者さんにも共感されそうですね」

キャッシュフローコーチに“壁打ちの壁”役になってもらうことで、
加藤院長は考えが明快に言語化され、
より一層ワクワクした気持ちに高揚していた。

 

【今回のレッスン】

◎患者さんの対象を絞り込む際には、患者さんにとって、
 医院にとっての意味やメリットを言語化しよう。
◎それをなぜ当医院が担う資格があるのか、の正当性も言語化しよう。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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