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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

忙しいのは社長だけ、社員はなぜかノホホンとしている、本当の理由

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2021.09.30 執筆者:和仁 達也

会社の置かれている状況、しいては自分の置かれている状況を
よくわかっておらず、社長から見て
「ノホホンとしているように見える社員」
のことを、私はノホホン社員と呼んでいます。

なぜ、彼らはノホホンとしていられるのか?
そこには、いくつかの理由が存在します。

ひと言で言えば、
「誰かがなんとかしてくれるだろう」という
他人依存的な発想と、
「会社の業績が悪化することで、どんな最悪の事態が
待ちかまえているのかがイメージできない」という
想像力の欠如によるところがあるようです。

そもそも、社長から数字の話をされてもさっぱりわからないのは、
お金がどう入ってきて、どう使われて、どれだけ残るのか、
会社のお金の流れを社員は知らないからです。

そのため、いくら社長がお金の話をしても社員は理解できず、
当事者意識がもてなかったり、
「自分とは関係ない」と思ってしまうのです。

そこで、会社のお金の流れの全体像をざっくりと理解することが、
社長はもちろんのこと、社員にとっても必要です。

そのために役立つのが「お金のブロックパズル」(会社のお金の流れの全体図)です。

この図の内容を理解できるようになれば、
社員とお金の話をするのに困ることはまずありません。

社員がノホホンとしていられる理由として、
2つのことを説明しましたが、このことを踏まえて、
次に3つの象徴的な原因を説明します。

 

【その1】 食べていければ十分、難しいことは誰かがなんとかしてくれる

「今、会社がこれだけ大変な状態なのに、なぜ、
ウチの社員はノホホンとしていられるんだろうか?」

それが不思議で仕方がないあなたに、1つお伝えしたいことがあります。

多くの人は、自分が日頃意識している【器】の範囲内で発想します。

たとえば、サラリーマンの多くは家庭という【器】で発想し、
自分の家庭の数字(すなわち生活費)に意識を向けています。

しかし、それより1つ上の【器】である会社の数字には
意識が向きません。

いくらニュースで企業の倒産が叫ばれていても、
「それはあくまで他人の話。ウチの会社は大丈夫」
と心のどこかで信じているからです。

したがって、その人にとって会社の動きは他人事です。

また、社長の多くは、会社という【器】で発想し、
自分の会社の数字(すなわち売上や利益など)には常に関心をもちます。

しかし、それより1つ上の【器】である業界団体、あるいは
国家の数字にはフォーカスしていません。

いくら本や雑誌で「日本国が破産する」などと言われても、

「そんなことが起こるわけがない。仮に起ったとしても、
自分の商売にはあまり関係がない」

と心のどこかで信じているからです。
したがって、その人にとって日本の政策や経済の動きは他人事です。

言い換えれば、多くの人は
「それより大きい【器】については、大丈夫」
という大前提を無意識に持っているのです。

その結果、「自分に直結している(と認識している)【器】」には
意識を向け、その中では危機感を持ちますが、
その【器】に入らないものについては危機感を持てません。

自分(自社)の収入はどこに依存しているのか?
その依存先が今後どうなっていこうとしているのか?

マクロ的に考える人ほど、危機感を持って行動します。

つまり、
「自分の家庭生活と、会社や国家経済がどうリンクしているのか」
というアンテナを持ってはじめて、身近なこととして
臨場感を持って1つ上のステージの数字を見る【器】ができるのです。

あなたの社員はいかがでしょうか?

 

【その2】 自分の夢や目的が見い出せないので、やらされ感になっている

あなたの社員には、夢がありますか?

夢というと大げさにとらえられそうですが、
「1年後に、ハワイにいきたい」
「3年後には、プロジェクトリーダーとして自分の采配で
数名のチームを率いて仕事をしたい」
「5年後に貯金を●●万円貯めたい」
というような、現実的な夢でもOKです。

要は、「オレは(私は)これをやりたい!」という
欲求があるでしょうか?

多くの人は、この夢を忘れてしまっています。

そのため、未来からの逆算で今を見ず、
過去からの積み重ねで今の状況を見ています。

すると、「まあ、これまでこうだったんだから、
これからはこの程度だろう」という低いレベルの
未来予測を無意識のうちにしてしまうのです。

あるいは、
「これまでそこそこの努力をしてきて今があるのだから、
これからもこのレベルの努力を続けていけば、まあ、なんとかなるだろう」
と楽観的に将来を考えていたりします。

これでは、より高い目標に向かって挑戦しよう、
という意欲は湧いてきません。

これまで多くの経営者や社員を見てきて思うことですが、
夢を持ち続けた人は、自分で事業を起こし、社長になります。

そして、「自分で会社をおこすことはできないが、
同じ方向を向いて大きな夢を掲げている
この社長と一緒に働きたい!」

という人はその会社の社員となり、バリバリ社員として働きます。

しかし、大して欲求もなく、
「ほどほどに生活できればいい」という低い基準の欲求と
エネルギーしか持っていない人は、ノホホン社員として、
そこそこに働きます。

1つ確実に言えることは、会社の中でもっとも大きな夢を持ち、
その夢の実現に情熱を燃やしているのは社長だということです。

したがって、社長には、自ら夢を持つだけではなく、
「もう何年も夢を考えたことすらなかった社員」にも
「夢を持とう!」と思わせるぐらいのエネルギーが欲しいと
私は考えています。

人は、遠い先を見ていなければ、つい目先の足元か
過去にばかり焦点を当ててしまうものです。

会社を始めた頃は大きな夢があっても、
目先の仕事に追われていくうちに、日常にまぎれがちです。

夢や目標があった上で、今を見ているのならいいのです。

しかし、何の目標も方向性もないままにただ現状を
漂っているようでは、なんの前進もありません。

 

【その3】 全体が見えていないので、今の状況がよくわからず言動がズレている

「私は、毎月会議のたびに、売上や経費、利益の状況を発表し、
社員に奮起を促すようにしているのですが、イマイチ反応がありません。

昨晩飲み会の席で、社員に
『私が会議で言っている話、ちゃんと理解してる?』
と尋ねたところ、彼は気まずい表情で
『すみません、実はあまりよくわかっていません』
と告白されてしまいました。

割と頑張ってくれている社員ですら、そのありさまです。
私はガッカリして、どうしたものかと途方にくれているところです」

この社員は、社長の話がきちんと理解できていないのですね。
その話からわかることは、その社員は社長からの情報をキャッチする
【器】ができていないということです。

このことを理解するために、ちょっとしたたとえ話をしましょう。

ちょっと想像してみてください。

超高層ビルの壁面に巨大な象のイラストが描いてあります。

そしてあなたと社員はその同じイラストを眺めています。

ただし、社員はその壁に鼻がつきそうな至近距離で見ているので、
それが何の絵なのかわかりません。

一方、社長はそれを50mぐらい離れたところから眺めているため、
パッと見てそれが象とわかっています。

その状態で、社長が「鼻が長い」とか「足が太い」と言っても、
社員はその全体が見えておらず、しかも
それが象だと知らずに話しを聞いているので、話が噛み合いません。

建設的な話をするためには、
全体を見た上で部分を見ることが大切なのです。

そこで、まず数字においては、お金の流れの全体像が
どうなっているのかを社員にきちんとビジュアルで
理解させたほうがいいでしょう。

そこで役立つのが、さきほどの「お金のブロックパズル」です。

その全体像の話をすっ飛ばして、売上の話や利益の話をしても、
社長の期待に反して、社員は勝手な解釈をしています。

というか、さきほどの象の話と同様、実は何もわかっていません。

「粗利率は適正にキープできているか?」

「前年と比べて、売上、粗利、利益、最終キャッシュフローはどうか?」

「競合A社と比べて、どうか?」

「目標と比べて、どうか?」

「粗利と人件費のバランスはとれているか?」

そうした質問は、すべて
「全体として、お金の流れがどうなっているのか」
がわかっていて初めて意味を持つのです。

 

あなたは社員に目隠しをしたまま「走れ!走れ!」と言っていないか?

私のクライアントがガラス張り経営を導入していったところ、
次の成果がもたらされました。

・社長が考えていることを1から10まで言わずとも、
ちょっと話せば社員に伝わるようになった。

・営業マンが安易に値引きをしないように考えて動くようになり、
ムダな動きが減り、効率が上がった。

・それまで常に指示されないと動かなかった社員が、
自分の頭で考えて動くようになり、社長の負担が減った。

・会社の合併、分社化、主力商品の大幅な値上げなど、
会社が大きく方向転換しなければならないときも、
社員の同意が得やすくなり、経営の舵取りがしやすくなった。

・このままいくと、業績はどうなるかが一目瞭然となり、
常に緊張感を持ちながら経営できる環境になった。

以上の結果、売上や利益が無理なくアップしています。

なにも売上アップを目指して起死回生の奇策を打つわけではありません。

取り立てて目新しいことを指導するわけでもありません。

それにも関わらず、フタをあけてみると、
ほとんどの企業において、社長が目指す方向に事業が進み、
相応の成長・発展をとげていきます。

中には目指す目標の基準が高いが故に、
数字の面では決してラクではない企業もありますが、
ガラス張りにしているからこそ、内外の協力者が現れて、
会社をビジョンの実現に向かって推し進めています。

ガラス張り経営に取り組む中で、全員が同じ方向を向いて
動き出せば、自然と会社は成長していくはずです。

「起死回生」を狙う前に、まず社員がどこを向いているのか
を確かめてみてください。

ちなみに「社長が精神的にラクになれる」という側面も見逃せません。

たとえば、社長の頭の中で漠然と思っているセリフが、
次のように変化します。

今は、勘と経験と度胸だけでやってこれた時代とは違います。

「何年後にどうなっていたいのか?」
「そのために今年、今月、何をすべきか?」
「そのときお金の出入りはどうなるか?」

を逆算で考える。

そのような明確な根拠に基づいてプランを立てた上で
「今やるべきこと」に集中している社長は、

「この先、会社はどうなってしまうのか?」
「月末の資金繰りは大丈夫だろうか?」

などという精神的なストレスから解放され、イキイキとしています。

ガラス張り経営は、お金とビジョンを公開して、
会社と社員がともに成長発展していくマネジメント法です。

ビジョンが実現するまでのシナリオを、社員と一緒に見ながら
毎月の会議で対策を話し合っていきます。

その際のキーポイントは、
「会社の成果と自分の報酬のつながりがわかる仕組みである」
ということ。

社員の関心どころの1つは、
「どうすれば自分の報酬を引き上げてもらえるのか」
ということだからです。

それは社長自身も同じことです。
この詳しい話はまた改めてじっくりと行ないます。

その一方で、モチベーションの原動力はお金だけではありません。

会社の発展が社員1人1人の心のあり方に依存する現代では、
会社の目指すビジョン(理想の姿)や、
カンパニースピリッツも重要です。

そこに共鳴できる社員が、会社のビジョンを実現するために
時間も忘れて働くことは決して珍しくありません。

逆にそこが見えていない社員は、
「仕事は仕事、プライベートはプライベート」
と割り切って、時間の切り売りで仕事をしがちです。

もちろん、ガラス張り経営を導入するしないに関わらず、
もともとそういうふうに割り切って考える人もいるし、

「自分がやらなくても、誰かが何とかしてくれる」

と信じている依存的な人もいます。

よって、すべての社員がガラス張り経営によって
自立的な人間に変わるわけではありません。

しかし、本来は自立的な素養があるにも関わらず、
会社の仕組みに問題があって優秀で自立的な社員が
腐っているケースも少なくないのです。

業種によっては

「給料は安くてもいいから、決まったことを確実にこなすルーチン業務がいい」
「将来的に独立するための修行と思って働いているので、報酬はあまり重要視しない」

という社員も実際に存在します。

つまり、単純に「お金をたくさん払えばいい」というわけでは
ないからこそ、社長は社員のやりがいと報酬、つまり
夢とお金の両輪で考えていくことが大切であり、
その点でガラス張り経営は理想的な仕組みだと私は考えています。

 

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▶︎社員の危機意識を高める為に社長の危機感を伝えるには?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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