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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

医療面の効果と経済効果のバランスの取り方。前からやりたかったことが突然可能になったときの落とし穴!

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2021.10.02 執筆者:和仁 達也

加藤院長が数年前から実現したいことの1つに、
「院内ラボの設置」があった。

それは、懇意にしている歯科技工士との連携をよりスムーズにするため、
医院の中に技工物を作るラボを併設して、そこからホワイト歯科からの
技工物を優先して提供してもらうことである。

もしそれができれば、やりとりがスムーズになって
患者さんの治療にかかる期間を短縮化できるし、
難易度が高い症例の場合、技工士に直接患者さんの
口腔内をチェックしてもらうこともできる。

それは、当院が「患者さんから選ばれる理由」となり、
医院経営にも好材料となるだろう。

しかし、その実現のためには、
「院内ラボの設置に伴う拡張工事と設備投資などの費用負担」や
「技工士が今の慣れた環境を手放してこちらに移転するに
ふさわしい好条件の提示」などが必要となる。

そこまで考えると、漠然とした不安が先に来てしまう。
そして結局のところ、何年も先送りにしたままで今に至っていた。

そんなある日、医院の隣のマンションに空きができ、
そこをリーズナブルに借りられるとの情報が飛び込んできた。

加藤院長は、忘れかけていた院内ラボの構想を思い出し、
これはチャンスだと、さっそく仮押さえを申し出た。
そして、考えた。

「院内ラボを設置するには、医院を拡張工事しなければ、
と思い込んでいた。

ところが、隣のマンションの一室をラボ用に借りられるなら、
大掛かりな工事もいらないから、通常の診療にも支障が出ないし、
出費も抑えられそうだ」

ただ、正式な契約をする前に、
「見落としている盲点はないか?」を確認するため、
キャッシュフローコーチの和仁に相談を持ちかけた。

今までにも、つい熱い思いが先行して衝動買いをして、
後で後悔するという痛い思いを何度もしてきたからだ。

一通り話を聞くと、キャッシュフローコーチは論点を整理した。

「つまり、ホワイト歯科には今、2つの選択肢があるということですね。
つまり、
(1)患者さん満足度アップのため、院内ラボを設置する、あるいは
(2)今まで通りいく、の2つ。

ちなみに、他には選択肢はありませんか?」

加藤院長は顔を上げ、しばらく思考をめぐらせてから答えた。

「あえて言えば、技工物を院内でつくるシステムを導入する、
という手があります。ただ、それは莫大な投資資金がかかる上に、
使いこなすまでに相応のスタッフ体制を整える必要があるので、
ウチにとっては今は現実的ではないですね」

「なるほど、そうするとやはり2択に絞られる、と。
ところで院長が心配されているのは、
『熱い思いが先行して衝動買いをして、後で後悔するという
痛い思いをしたくない』ということでしたよね?

ちなみに、今までに今回のことに類似するケースは
どんなことがありましたか?」

これは、加藤院長にとって痛い質問だった。
過去にこんなことがあったからだ。

・予約システムを300万円かけて導入したが、使い勝手が悪くて、
一年後には従来の電話とメールでの予約受付に逆戻り。
結局はほとんど使われることなく、リース代だけ5年間に渡り支払い続けた。

・大学時代からの友人が、医院を閉院したとの情報が。
ちょうどチェア増設と拡張工事を考えていたので副院長待遇で迎え入れた。
ところが、上から目線の態度がスタッフの反発を買い、
居場所がなくなった友人は半年後には退社。
増設したチェアと拡張工事の費用は回収する目処が立たないまま、数年が経過。

一通り話を聞くと、
キャッシュフローコーチはうなずきながら、話を続けた。

「それは辛い体験でしたね。。。
わたしも長年、数多くの歯科医院を見てきて、
『もしその情報がなければ、わざわざやらなかったのに、
意味があると信じ込んで、投資効果の検証を十分にしないまま、
営業マンの勧めに乗って決断してしまい、後で後悔した』
というケースをたくさん聞いてきました。

そしてそのとき、後に残るのは膨大な借金です。

今回の院内ラボの設置については、
先ほどお話しされた過去の苦い経験のように、
“ちゃんと稼働しない”ということはなさそうですね。

これまで長年にわたって関係性を構築してきた技工士さんが
近くに移動する、ということなので。
その一方で“経済効果”は要チェックです。

仮に10年スパンで考えてみましょう。
初期投資の内装工事や設備投資、そして毎月の家賃などの
ランニングコストで10年間でトータル1000万円の出費が
掛かるとしましょうか。

それをやらなければ、手元に1000万円の利益が残るわけですよね。
それを承知で投資するってことは、
利益で1000万円を捻出する必要があるってことです。

つまりそれは、粗利率80%として、売上ベースでは、
1000万円÷0.8=1,250万円を新たに捻出することを意味します。

つまり、今後10年に渡って、今より年間125万円、
月にして約10万円ずつ売上を増やすことが必須だ、ということ。

これは、保険診療で言えば、患者単価が5千円として、
20人分に相当します。

しかも、それを捻出してやっと収支トントンでしかない。

なので、この院内ラボを設置することによって利益を捻出した、
と言えるためには、それプラスアルファがあってこそ、となります。

ここまで考えたとき、いかがでしょうか?」

加藤院長は、さっきまで感情優先で考えていたことにハッとした。
経営者が意思決定する、というのは、
それに伴うお金の出入りが確定するということだ。

その結果を把握しないままに意思決定していては、
後で後悔するのも当然だろう。

考え込む院長を見守りながら、
キャッシュフローコーチはやさしく言葉を加えた。

「ここでポイントは、
高額な投資を伴う意思決定では、時間軸を
10年、20年スパンの長期に引き伸ばして、
『どのように月々の仕事をすれば、何年で投資回収できるのか』
を悲観値と楽観値の両方で試算することです。

計算そのものは概算なら10分でやれるのに、
なぜかそれを怠って、あとで後悔する人が多い。

さっきはあくまで概算値だったので、これから具体的に数字を検証して、
院長が納得の判断ができるようにしていきましょう!」

 

【今回のレッスン】

◎「もしその情報がなければ、わざわざやらなかったのに、
意味があると信じ込んで、投資効果の検証を十分にしないまま、
営業マンの勧めに乗って決断してしまい、後で後悔した」ということを避けよう。

◎そのためには、高額な投資を伴う意思決定では、
時間軸を10年、20年スパンの長期に引き伸ばして、
『どのように月々の仕事をすれば、何年で投資回収できるのか』を
悲観値と楽観値の両方で試算すること。

◎概算の計算なら10分でやれる。それを怠って、
院長があとで後悔することなく、納得の判断ができるようにしたい。

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▶︎高額な設備投資の判断の仕方。本当にその金額を払うにふさわしい価値なのか?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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