上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
スタッフに読んでほしい記事回覧には、必ず“意図”を書き添える。
2021.01.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
雑誌で紹介されていた記事を、参考資料として
院内で回覧することってありますよね。
これ、ちょっとした言葉足らずで、スタッフを不要に
戸惑わせることがあり、気をつけたいところです。
今日はそれを回避する考え方をお伝えします。
先日、ある雑誌で、新幹線のワゴン販売員の仕事ぶりの
記事が紹介されていました。
その方はアルバイトなのですが、
他のスタッフの4倍もの売上を上げるそうです。
私たちがお客として新幹線に乗っているとき、
ワゴン販売員の仕事ぶりにさほど違いがあるようには思えません。
それなのに、なぜ4倍の売上の差になるのか?
記事を読んでいくと、
「お客さんの服装を見て、暑そうなら冷たい飲み物、
寒そうならホットコーヒーを多めに準備」
「弁当を選ぶ時間を短縮して、たくさんのお客さんを廻るために、
弁当の中身を写真にとって、見せる」
「となりの人にもついでに買わせるひと声をかける」
など、ありとあらゆる工夫の積み重ねた結果なのだそうです。
その記事に感銘を受けたある院長が、
その雑誌のコピーをスタッフに回覧しました。
「みんな、刺激を受けたり、勇気づけられたりするだろうな~」
という院長の期待とは裏腹に、あるスタッフが私にこっそりこう言いました。
「この雑誌を院長が読むように言われる意図は、何なんでしょうか?」
そのスタッフは、ちょうど数日前に院長に仕事上のミスで
数回、叱られ続けた経緯がありました。
そのため、この記事が自分に対するあてつけ(嫌味)
のように受け取ったようなのです。
そのとき、私は
「置かれている環境やタイミングによって、
人の受け止め方は様々だ。
参考資料を回覧したり、人に読ませるときは、
必ず“意図”を書き添えるべきだな」
と学びました。
ちなみに院長の意図は、
「一見、工夫の余地がなさそうな仕事でも、
意識の持ち方次第で、成果も変わり、
結果としてスタッフの待遇も改善される。
だから我々も、日常の仕事にどんな工夫ができるかを
追求していきたいものだ」
というものでした。
だったら、
「これを参考にして、我々の仕事でとり入れられるアイデアを
1つ以上、今度のミーティングで発表して」
と書き添えておけばよかったかも知れませんね。
伝えたい意図、明確にしておきたいものです。
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